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歌曲「秘めごと」 K.518

〔作曲〕 1787年5月20日 ウィーン
1787年5月

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ヘ長調、8分の6拍子。 わずか18小節に若い恋人たちの愛を表現する。 タイトル「Die Verschweigung」の訳を[事典]や[全作品事典]など主要な文献ではひらがなで「ひめごと」と表記しているが、このページでは今まで通り「秘めごと」としている。 特に強いこだわりがあるわけではなく、また逆に、特に変更することもない(変更すると、ほかのページにも影響する)と考えているだけである。 あしからず。

ライプツィヒで活躍していた文人で、シェークスピアの「ハムレット」のドイツ語訳でも知られた、ヴァイセ(Christian Felix Weisse, 1726-1804)の「小抒情詩集」から選んだ詞に曲をつけ、上記の日付で自作目録に書き入れた。

作曲に至る事情は不明であるが、歌曲「ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いたとき」K.520が友人ジャカンの名前で1791年3月に出版(ウィーンのラウシュから)されているので、この曲もジャカンの求めに応じて書いたものか。
伴奏パートの大部分は他人(アンドレ Johann Anton André, 1775-1842)の手になると「新全集」序文の補遺に書かれているという([全作品事典]p.129)。 また、アイゼンはミュラー(August Eberhard Müller, 1767-1817)の名前もあげているという。

余談であるが、モーツァルトは彼の詞を使って、この曲のほかにも歌曲( 「魔法使い」K.472、「満足」K.473、「偽りの世」K.474)を書いている。 そしてその詩集(1772年にライプツィヒで出版され、3部からなる)を生涯蔵書としていた([書簡全集 VI]p.723)という。

〔歌詞〕 (一部)
Sobald Damötas Chloen sieht,
So sucht er mit beredten Blicken
Ihr seine Klagen auszudrücken,
Und ihre Wange glüht.
Sie scheinet seine stillen Klagen
Mehr als zur Hälfte zu versteh'n
Und er ist jung, und sie ist schön:
Ich will nichts weiter sagen.
ダメータスはクローエに会うやいなや、
雄弁なまなざしで
彼女に自分の嘆きをあらわにしようとし、
彼女の頬はほてるのだ。
彼女には、彼の無言の嘆きが
半ば以上も分かるように思われる。
それに彼は若いのだし、彼女は綺麗だ。
もうそれ以上はなにも言うまい。

海老沢 敏訳 CD[WPCC-4279]

〔演奏〕
CD [EMI TOCE-7589] t=2'36
シュワルツコップ Elisabeth Schwarzkopf (S), ギーゼキング Walter Gieseking (p)
1955年4月、ロンドン
CD [UCCG 4118] t=3'31
リタ・シュトライヒ (S), エリック・ヴェルバ (p)
1956年5月、ベルリン
CD [PHILIPS 422 524-2] t=2'52
アメリンク Elly Ameling (S), ボールドウィン Dalton Baldwin (p)
1977年8月、オランダ
CD [PHILIPS 422 524-2] t=2'53
※上と同じ
CD [COCO-78062] t=2'57
白井光子 (Ms), ヘル Hartmut Hoell (p)
1985年、86年、ハイデルベルク
CD [WPCC-4279] t=3'27
シュリック Barbara Schlick (Ms), マトー Tini Mathot (fp)
1990年5月、ユトレヒト
CD [WPCC-4666] t=4'29
ボニー Barbara Bonney (S), パーソンズ Geoffrey Parsons (p)
1990年8月、ベルリン

〔動画〕

 

 

August Eberhard Müller

1767 - 1817

アウグスト・エーベルハルト・ミュラーはドイツの作曲家、オルガニスト、合唱指揮者。 1795年に『ティトの仁慈』K.621のピアノ編曲を出版しているという。

彼の「ピアノソナタ変ロ長調作品26」は、以前はモーツァルトの作品をバルトークが編曲したものと思われて、K.498aの番号が付けられていたという。 その演奏動画がある。

 

〔参考文献〕

 

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2019/01/14
Mozart con grazia