17 age |
61 5 |
62 6 |
63 7 |
64 8 |
65 9 |
66 10 |
67 11 |
68 12 |
69 13 |
70 14 |
71 15 |
72 16 |
73 17 |
74 18 |
75 19 |
76 20 |
77 21 |
78 22 |
79 23 |
80 24 |
81 25 |
82 26 ▲ |
83 27 |
84 28 |
85 29 |
86 30 |
87 31 |
88 32 |
89 33 |
90 34 |
91 35 |
92 |
ソナタ断章 ピアノ幻想曲 ハ短調 K.396 (385f)
|
原曲はピアノとヴァイオリンのためのソナタで、新妻コンスタンツェに。 ヴァイオリンのパートは23〜27小節にわずかしか書かれていない。 自筆譜(1930年、R.ハース発見)には曲のタイトルも速度表示もない。 エマヌエル・バッハの「正しいクラヴィア奏法」の付録「幻想曲ハ短調」をモデルにしているとも言われる。
この頃、スヴィーテン男爵邸でヘンデルやバッハとの出会いがあり、妻コンスタンツェがフーガを偏愛していたこともあって、コンスタンツェのためにそのような様式のソナタ集を作るつもりだったが、すべて未完成に終った。 たとえば、「ソナタ・ハ長調」(K.403)のパリ音楽院図書館に残る自筆譜には「最愛の妻のためのソナタ第1番 Sonate Première. Par moi W.A.Mozart pour ma très chère Épouse」とあるが、第3楽章まできて、20小節主題提示のところで未完である。
1982年4月10日、モーツァルトは父へ次のように書き送っている。
ぼくは毎日曜日の12時に、スヴィーテン男爵のところへ行きますが、そこではヘンデルとバッハ以外は演奏されません。モーツァルトがヘンデルとバッハの作品を持って帰り、コンスタンツェにも聴かせたところ、彼女はすっかりそれの虜になってしまい、それがもとで「幻想曲とフーガ K.394 (383a)」が生まれたという有名な逸話があるが、そのほかにもモーツァルトはコンスタンツェのために作ろうとしたソナタ集があり、
ぼくは今、バッハのフーガの蒐集をしています。 ゼバスティアンのだけではなくエマーヌエルやフリーデマン・バッハのも。 それからヘンデルのも。 (中略) イギリスのバッハが亡くなったことはご存じでしょうね。 音楽の世界にとって惜しむべきことです。[手紙(下)] p.54
コンスタンツェのピアノの力量はモーツァルトの姉ナンネルに遠く及ばず、現実主義者のモーツァルトは、新婚カップルが仲良くピアノとヴァイオリンのためのソナタを演奏するのは夢のまた夢とすぐ割り切ったのだろう。 それでも、ザルツブルクの父と姉には新妻がフーガを偏愛するほどに音楽の才能があると「いじらしい嘘」(柴田)をつかなければならなかった。
モーツァルトの死後、シュタドラーが補筆し、ヴァイオリン部を省いてピアノ幻想曲「クラヴィーアのためのファンタジー Adagio」として完成。 1802年ウィーン(J.カッピにより)で出版された。 そして、それが今日まで流布している。
〔演奏〕
CD [東芝EMI CC30-3777] t=7'56 ギーゼキング (p) 1953年8月8日、ロンドン、Abbey Road No.3 Studio |
CD [artephon Berlin ETERNA 0031442BC] t=7'59 シュミット Annerose Schmidt (p) 1962年 |
CD [EMI CDC 7492742] t=10'58 ナウモフ Emile Naoumoff (p) 1986年12月12〜16日、パリ、 Salle Wagram ; MOZART RECITAL |
CD [TELDEC WPCS-10376] t=8'45 ; 1988 カツァリス Cyprien Katsaris (p) 1988年12月、ベルリン、TELDEC Studio |
CD [ミュージック東京 NSC207] t=7'46 カイト (fp) 1990年頃 |
CD [KKCC-4123-4] t=4'00 オランダ・ソロイスツ・アンサンブル Nederlands Solistenensemble 1992年 原曲ピアノとヴァイオリンの演奏 |
〔動画〕
〔参考文献〕
Home | K.1- | K.100- | K.200- | K.300- | K.400- | K.500- | K.600- | App.K | Catalog |