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ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調 K.402 (385e)
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ピアノとヴァイオリンのためのソナタ第37番。 自筆譜は消失したが、そこにはモーツァルトの手で「ソナタ第2番」と書かれてあったという。 それは、「ハ長調」(K.403 / 385c)の現存する自筆譜に「最愛の妻のためのソナタ第1番」と書かれてあることから、コンスタンツェのために作曲しようとした一連のソナタ集のひとつであろう。
1782年、よく知られているように、モーツァルトは日曜ごとにスヴィーテン男爵の所へ通い、そこでヘンデルとバッハのフーガを研究していた。 そして婚約者コンスタンツェがフーガを「音楽の中でいちばん技巧的で、いちばん美しい」と言っていたという。 ただし、婚約者のフーガ好きについては、父と姉に良い印象づけを狙ったモーツァルトの「いじらしい嘘であろう」という見方もあるが。 このような背景から、アインシュタインはこの曲がコンスタンツェのためのソナタの一つとしたが、異論もある。
1782年の夏と秋に生まれた、ピアノとヴァイオリンのための次の諸作品は、全部が全部未完成だという共通点を持っている。 これらは同時に、この夏における魂と創造の危機、すなわちいわゆる《コンスタンツェのための闘争》と、ファン・スヴィーテン男爵家の午前の会合における純正な多声音楽との出会いの証拠文書である。 モーツァルトはイ短調のフーガをつけるために、このうえなく堂々たる荘重なメヌエットのリズムで、二部から成る導入部を書いている(イ長調、K.402)が、完成していない。 その理由の一半は、おそらく主題がどうもあまりに古風で、非個人的だったこと、そして一半は、コンスタンツェのフーガ偏愛が全く純粋なものとはいえないことにどうやら気づいたことにあろう。第2楽章63小節以降はシュタドラーにより補筆され、91小節の長さで完成された。 自筆譜がないので、成立時期は不明のままであるが、ハ長調ソナタ(K.403)の推定を考慮した1784年説もある。 さらにまた、第1楽章冒頭の主題が『ドン・ジョヴァンニ』第1幕フィナーレ(メヌエット)を思わせることから、もっと遅い成立の可能性もある。[アインシュタイン] p.352
〔演奏〕
CD [東芝EMI TOCE-6725-30] t=11'29 クラウス (p), ボスコフスキー (vn) |
CD [fontec FOCD3149] t=7'33 岡本美智子 (p), 浦川宣也 (vn) 1990-92 |
CD [KKCC-4123-4] t=10'54 オランダ・ソロイスツ 1992 |
〔動画〕
〔参考文献〕
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