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アリア 「ああ、私を見棄てないで」 K6.295aAria for soprano " Ah, non lasciarmi."〔編成〕 S, 2 fl, 2 fg, 2 hr, 2 vn, 2 va, vc, bs 〔作曲〕 1778年2月27日 マンハイム |
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K.295aはケッヘル第6版の番号で、第2版では K2.486a だった。 レチタティーヴォ「もうたくさん、あなたの勝よ Basta, vincesti.」がついている。 母と二人でパリに向かって旅行中のマンハイムに長期間滞在していたときに親しくなった宮廷楽団のフルート奏者ヴェンドリングの夫人ドロテーア(42歳)のために。 歌詞はメタスタージォ詞『見すてられたディドーネ Didone abbandonata』第2幕から、ドロテーアが選んだ。
1778年2月28日、ザルツブルクの父へこの手紙の日付けにより作曲された(ざっと書き上げただけのようだが)時期が特定されている。 ついでながら、この手紙には「きのう、ラーフのところへ行き、ぼくが最近彼のために書き上げたアリアを一曲届けました」とも書いてあり、それはテノール歌手ラーフ(64歳)のためのアリア「もし私の唇を信じないなら」(K.295)である。 さらに、ヴェンドリングの娘アウグスタ(26歳)のためにはアリエット「鳥よ、年ごとに」(K.307)と「寂しい森の中で」(K.308)も作曲している。
きのうは、ヴェンドリングのところで、奥さんに約束していたアリアを、短いレチタティーヴォを加えてざっと書き上げました。 歌詞は、彼女自身が『ディドーネ』から選んだ「ああ、私を見棄てないで」です。 彼女と娘さんは、このアリアにすっかり夢中になっています。[書簡全集 III] p.564
物語の内容はカルタゴの女王ディドーネが恋するエネーアに向かって歌うものである。 ギリシャに占領されたトロイから逃げ出し、神託を受けてトロイの再興を目指すエネーアの一行はカルタゴに到着する。 ディドーネは同情し、すぐに二人は恋に陥るが、もとからディドーネを恋していたカルタゴの隣国の王イアルバは嫉妬し乱れる。 大事な使命を忘れているエネーアに対して神々の王ジュピターが怒り、カルタゴから立ち去ることを命じる。 そこでディドーネが歌うのがこの曲である。
ドロテーア・ヴェンドリングはのちにオペラ『イドメネオ』初演(1781年1月29日ミュンヘン)の際にイーリアの役を歌うことになるので、相当の歌唱力があったと思われるが、高齢のラーフのために作曲したアリアを念頭に、アインシュタインは次のように評している。
この女性歌手の明らかにもはやあまり豊かではない能力とを考慮に入れている。[アインシュタイン] p.496
〔歌詞〕
Basta, Vincesti, eccoti il foglio.
Vedi quanto t'adoro ancora ingrato.
Con un tuo sguardo solo
Mi togli ogni difesa e mi disarmi;
Ed hai cor di tradirmi? E poi lasciarmi?
Ah non lasciarmi, no, bell'idol mio;
Di chi mi fiderò, se tu m'inganni?
Di vita mancherei nel dirti: addio,
Che viver non potrei fra tanti affanni!
ああ、私を見捨てないで、いとしいあなた。
あなたに騙されたら、私は一体誰を信じればいいの?
〔演奏〕
コルネリア・カリッシュ (Ms) t=7'08 1990 |
CD [Brilliant Classics 93408/2] t=5'24 Miranda van Kralingen (S), European Sinfonietta, Ed Spanjaard (cond) 2002年8月、Nieuwe Kerk, The Hague, The Netherlands |
〔動画〕
〔参考文献〕
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