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アリア「もし私の悩みのすべてを」 変ホ長調 K.83 (K6.73p)Aria for soprano "Se tutti i mali miei"〔編成〕 S, 2 ob, 2 hr, 2 vn, 2 va, vc ,bs 〔作曲〕 1770年4月か5月初 ローマ |
メタスタージオ詞『デモフォオンテ』から。 この曲はモーツァルト父子の最初のイタリア旅行のとき、ローマで書かれた。 その地でモーツァルトはメタスタージオの詞に曲を付け、ダ・カーポ・アリアの作曲を学んだという。
第2幕第6場ディルチェーアの詞に曲をつけたもので、デ・アミーチス(Anna Lucia de Amicis, 1740?-1816)のために作曲したものと思われる。
トラキアの王デモフォオンテの王子ティマンテはディルチェーアとひそかに結婚しているが、父王が息子とプリュギアの王女クレウーサとを結び合せようとするために死を決意しつつ、クレウーサに自分の苦しみに対する同情を求めるのだ。2つの節から成り、後半はハ短調。 そして、162小節の初稿と125小節の再稿がある。[海老沢] p.213
第1節が4回でなく6回歌われるという初稿も試みている。 しかし最終的には第1節が4回、第2節が主部の変ホ長調に対して関係短調のハ短調で、テンポはアダージョからアレグレットに移して歌われたあと、ダ・カーポは第1節の後半だけが歌われるという省略ダ・カーポ・アリア形式で作られており、ディルチェーアの極限の苦しみが見事に描かれている。モーツァルトは『デモフォオンテ』から5曲のコンサート・アリア(「哀れなる私、哀れ幼な子よ」K.77、「もし勇気と希望が」K.82、「もし私の悩みのすべてを」K.83、「私は小心な恋人の愛など気にかけない」K3.74b、「岸辺近く願いぬ」K.368)を作曲している。同書
〔歌詞〕
もし私の悩みのすべてを、あなたに告げることができたら、
やさしい心臓ははり裂けるでしょう。
〔演奏〕
CD [Brilliant Classics 93408/1] t=7'51 Francine van der Heyden (S), European Sinfonietta, Ed Spanjaard (cond) 2002年8月、Nieuwe Kerk, The Hague, The Netherlands |
〔動画〕
〔参考文献〕
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