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K.579 アリア「喜びに躍りて」Aria for soprano "Un moto di gioia mi sento"
〔作曲〕 1789年8月 ウィーン |
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タイトルは「私の胸は喜びに踊るの/喜びの思いが/喜びは胸に踊り」などと訳される。 歌詞は、はっきりしないが、ダ・ポンテによると思われている。 彼は愛人アドリアーナ・ガブリエリ(Francesca Adriana Gabrieli)のために、ロンド「君を愛する人の願いに」(K.577)とこのアリアを書いたのだろう。 8月29日に『フィガロ』がウィーンで再上演されたとき、すでに帰国していたストレース嬢に代ってスザンナを歌うことになったので、モーツァルトは彼女のために新たにこの2つの曲を追加したのだった。 ロンド「君を愛する人の願いに」は自作目録に記載されているが、このアリアはなぜか記載されなかった。
アドリアーナ・ガブリエリはフェッラーラ生まれなので、モーツァルトはフェッラレーゼ・デル・ベーネ(Adriana Ferrarese del Bene)と呼んでいた。 彼女のために作ったこの曲について、次のように書いている。
1789年8月19日(19かどうかはっきりしない) バーデンの妻にアドリアーナ・ガブリエリは声域が広く、美人で演技力があったようであるが、一方で気性が短気で怒りっぽかったので、モーツァルトは上演の際に彼女が持ち前の技量を自然に発揮してくれるように心配していたのである。 その上演のとき、オペラのどこへ挿入されたかは不明である。
フェッラレーゼのために書いた小アリアは、彼女が素直に歌ってさえくれたら、喜ばれると思うけど、それがあやしいんだよなあ。 とにかく、曲はとても彼女の気に入った。 ぼくは彼女の家で食事をした。[書簡全集VI] p.539
この曲が歌われる余地を与えるため、モーツァルトは、スザンナが第2幕でケルビーノに室内用婦人帽を合わせ、淑女の振舞を教えながら歌うアリア<いらっしゃい、膝をついてね>を削除した。 その代わりに挿入されたこのアリアは、もとのアリアに比べられるような作品ではないが、それでも抗しがたい魅力があり、モーツァルト自身がすっきりしたピアノ伴奏版を作っているため、しばしばリート歌手によって、ピアノ伴奏の歌曲として歌われてきた。ただし、この曲は代替用ではなく、第3幕の冒頭に挿入されたとする説もある。[全作品事典] p.115
余談であるが、1790年1月、ブルク劇場で初演された『コシ・ファン・トゥッテ』ではアドリアーナ・ガブリエリはフィオルディリージ役を歌っている。 彼女はダ・ポンテの愛人だったという。 ダ・ポンテが落ち目になると、さっさと見切りをつけてしまったという。
〔歌詞〕
Un moto di giota Mi sento nel petto Che annunzia diletto In mezzo il timor Speriam che in contento Finisca l'affanno' Non sempre è tiranno Il faro ed amor |
喜びの思いが 胸にうずき この苦しい時にあっても 未来の幸せを告げている この悩みも喜びに終ることを 祈りましょう 運命と恋とは いつも横暴とは限らないので 石井宏訳 CD[CBS SONY CSCR 8246]
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〔演奏〕
CD [UCCG 4118] t=1'39 リタ・シュトライヒ (S), エリック・ヴェルバ (p) 1956年5月、ベルリン |
CD [PHILIPS 422 524-2] t=1'24 アメリンク (S), ボールドウィン (p) 1977年8月、オランダ |
CD [PHILIPS UCCP-4085/7] t=1'24 ※上と同じ |
CD [ポリドール POCL-1076] t=1'36 グルベローヴァ (S), フィッシャー指揮ウィーン室内管弦楽団 1980年9月、ウィーン |
CD [CBS SONY CSCR 8246] t=1'41 グルベローヴァ (S), レッパード指揮フランツ・リスト室内管弦楽団 1989年1月、ブダペスト |
CD [WPCC-4666] t=1'39 ボニー (S), パーソンズ (p) 1990年8月、ベルリン |
〔動画〕
〔参考文献〕
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