Anne Selina Nancy Storace 1765 - 1817

イギリスのソプラノ歌手。 通称ナンシー。 兄スティーヴン（Stephen Storace, 1762-96）とともに1783年にウィーンに来て、1784年３月に21才も年上のヴァイオリン奏者フィッシャー（John Abraham Fischer, 1744-1806）と結婚した。 しかしフィッシャーは妻を虐待した罪によりヨーゼフ２世から国外追放され、二人は離婚したという。 1786年５月１日ウイーンのブルク劇場で『フィガロ』が初演されたとき、スザンナ役をつとめた。 そのときフィガロ役だったベヌッチ（Francesco Benucci, 1745-1825）と熱烈な恋愛関係になったといわれている。
1787年２月、ストレース兄妹は母親を連れて、ケリー（Michael Kelly）とアトウッド（Thomas Attwood, 1765-1838）を伴ってウィーンを去り、イギリスに帰国した。

• K.477a (Anh.11a)　カンタータ （紛失） 1785
• 1787年２月23日イギリスに帰る彼女の告別演奏会で、レチタティーヴォとロンド「どうしてあなたを忘れられようか。恐れないで、愛する人よ」（K.505）を彼女が歌い、モーツァルトがオーケストラと協奏するピアノを弾いた。 その曲はナンシーに送った恋文といわれる。

約200年ぶりに見つかったモーツァルトとサリエリ共作のカンタータがチェコのプラハで初めて公に演奏された。 「オフェリアの健康回復に寄せて Per la ricuperata salute di Offelia」と題されたこのカンタータはダ・ポンテのオペラの台本を曲にした作品で、しばらく声が出なくなった後にステージ復帰したナンシー・ストレースにささげられたという。
楽譜は1950年代からチェコ音楽博物館に収蔵されていたが、ドイツの音楽学者・作曲家ティモ・ジューコ・ヘルマン（Timo Jouko Herrmann）氏によりモーツァルトとサリエリが作曲したものであることが認められ、このたび演奏された。
【AFP BB NEWS】 モーツァルトとサリエリの共作カンタータ、約200年ぶりに演奏

2016/02/28