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四声のための宗教曲 「聖霊よ、来たり給え」 ハ長調 K.47Veni, Sancte Spiritus 「精霊よ、来たれ」 [事典] / 「精霊よ、来たり給え」 [全作品事典]〔編成〕 S, A, T, B, SATB, 2 ob, 2 hr, 2 tp, timp, 2 vn, va, bs, og 〔作曲〕 1768年 ウィーン |
アレグロ、ハ長調、4分の3拍子の主部と4分の2拍子のアレルヤから成る。 正確な作曲時期は不明だが、父レオポルトによる初期のモーツァルト作品目録に「1768年ウィーン」の作品であることが明記されている。 アインシュタインは「疑いもなく秋の作品」と言い、「モーツァルト全作品事典」も同じ時期と明記している。
前年の9月、モーツァルト一家はウィーンへ旅立っていた。 目的は皇女マリア・ヨゼファ(マリア・テレジア女帝の9番めの皇女、当時16歳)とナポリ・シチリア王フェルディナント1世(1751-1825)の婚儀のために催される祭典のためだったが、レオポルトには息子を売り込む下心があった。 運悪くウィーンでは天然痘が大流行していたので、旅行の計画は大幅に狂ってしまい、一家はオルミュッツに一時避難したが、姉弟が九死に一生を得たことはよく知られている。 そして不幸にも皇女は死去、レオポルトの言葉によれば「花嫁の皇女さまは天国の花婿の花嫁さまになられました。びっくりするほどの変化でした!」となり、ナポリ・シチリア王との婚礼については「今度はいま15歳のカロリーナ皇女に番がまわってくる」こととなった。
年が明けて1768年に一家は再びウィーンに戻っていたが、ザルツブルクを離れてから一年以上が経過してしまった。 レオポルトは故郷の家主ハーゲナウアーに書いている。
1768年9月13日この頃、レンヴェークの孤児院長パルハーマー(Ignaz Parhamer, 1715-86)から孤児院付属礼拝堂の献納式のために作曲を依頼されていた。
一昨日の9月11日は、私どもがザルツブルクを出発してから一年目でした。 そのときには、一年もウィーンにとどまっていようとは夢にも思っていませんでした。[書簡全集I] p.357
1768年11月12日このときの荘厳ミサとは「孤児院ミサ」(K.139)である可能性が高く、そしてこの宗教曲 「聖霊来たり給え」はそのための習作として書いたのかもしれないと思われている。 という推測から作曲時期が「1768年秋」ということになる。 一方で、この曲のタイトルが示す意味から「5月か6月」という説もある。
聖なるマリアの無原罪の御孕りの祝日には、パルハーマー師の孤児院の新しい教会の献納がおこなわれます。 ヴォルフガングはこの祝日のために、荘厳ミサ、奉献誦、それにこの孤児院の少年のために一曲のトランペット協奏曲を作曲しまして、師に敬意を表しました。 たぶんヴォルフガングがみずから指揮することになるでしょう。 なにごとにも理由があるものです。[書簡全集I] p.373
作曲の正確な時期は明らかではないが、おそらく1768年の聖霊降臨祭(復活祭から50日目にあたり、昇天祭の次の日曜日で、5月中旬から6月上旬にかけてが多い)の頃か、あるいはその年の秋だろうと思われている。ただしド・ニは「1768年の5月11日から12にかけて、ウィーンのマークザーという補佐司教が聖フランシスコ・ド・サール女子修道院を訪問したさいに作曲」というプファンハウザーの説については否定している。[ド・ニ] p.16
というのはそのときの曲が「2つの合唱とトランペットとティンパニ」と当時の新聞が報じているのに、このモテトの楽器編成はK139のミサとまったく同じであり、しかもそこで用いられている楽器は、孤児院で実際に調達できたものばかりだからである。[ド・ニ] p.19
歌詞は一般的な祭日用のセクエンツィア(続唱 Sequentia)ではなく、アンティフォナ(交唱 antiphona)からとられているという。 ド・ニはこの宗教曲をモテットと表現している。 約2年前の奉献歌(K.34)と比べて作曲技法が格段に進歩を遂げているといわれ、アインシュタインは「いっさいの単純さにもかかわらず感動的で雄大である」と高く評価している。
〔歌詞〕
Veni Sancte Spiritus reple tuorum corda fidelium Veni Sancte Spiritus et tui amoris in eis ignem accende qui per diversitatem linguarum cunctarum gentes in unitate fidei congregasti Alleluja |
聖霊よ、来て下さい。 満たして下さい、信者の心。 聖霊よ、来て下さい。 信者の心にあなたの愛の炎を灯して下さい。 あなたは様々な言語によって、 諸国の民を一つの信仰にまとめられたかた。 アレルヤ。 那須輝彦訳 CD[WPCS-4566] |
〔演奏〕
CD [PHILIPS 422 749-2/753-2] t=3'59 Dagmar Schellenberger-Ernst (S), Rosemarie Lang (A), Ralph Eschrig (T), Rene Pape (Bs), Rundfunkchor Leipzig, Herbert Kegel (cond), Rundfunk Sinfonie Orchester Leipzig 1990年5月、ライプツィヒ |
CD [UCCP-4078] t=3'59 ※上と同じ |
CD [WPCS-4566] t=4'05 Charlotte Margono (S), Elisabeth von Magnus (A), Christoph Pregardien (T), Thomas Hampson (Bs), Arnold Schoenberg Chor, Nikolaus Harnoncourt (cond), Concentus Musicus Wien 1991年12月、ウィーン |
〔動画〕
〔参考文献〕
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