17 age |
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レジナ・チェリ K.276 (321b)
〔作曲〕 1779年? ザルツブルク |
自筆譜が残されていないため、成立について不明。 3つ(K.108、K.127、K.276)のレジナ・チェリの最後にあたり、「マリアのアンティフォナ Marian antiphon」とも呼ばれている。 成立については、アインシュタインによる次の説が一般的に通用している。 それは、様式の類似性を根拠にして、1779年に作られたヴェスペレ(K.321)のそばに置くものであり、作曲の動機としては、1779年3月27日に作られた「戴冠式ミサ」(K.317)の再演のために必要となったと考えられている。
いくぶん簡単な編成の、おそらく『戴冠式ミサ曲』(K.317)の或る再演のために作曲された『天ノ元后喜ビ給エ』(Regina coeli)は、モーツァルトの最後のザルツブルク教会様式の典型的な例である。 この様式は聖母の交誦(アンティフォナ)の作曲(K.108, 127)のように個々の対比的な部分に分けてはいない。 この曲はトゥッティと独唱の最も豊かな相互関連をそなえた、コンチェルト的なアレグロだということができるし、最も明確な形式的構想にもとづきながら諸声部群の最も微妙な仕上げを持つと言えるし、建築家フィッシャー・フォン・エルラッハの最も偉大な創造と同じ教会性=世俗性をそなえているとも言えるであろう。 なぜならこの音楽は、ロココの小さな巡礼地教会などは崩壊させてしまうだろうからである。 それはあまりにも偉大なもの、広大なものに成長しすぎているのである。その位置づけを受け入れると、さらに、モーツァルトがザルツブルクを飛び出すことになる1780年の直前であることに関連した作品の意味づけにまで発展することも可能になる。 しかし、様式の類似性は十分な理由にならず、ド・ニは次のように疑問を呈している。[アインシュタイン] p.465
しかし作曲様式をその理由としているために、完全な説得力はもっていない。 それを良しとするには、モーツァルトの作品における様式論には、あまりにも多くの例外が存在するからである。 この大規模なオーケストラ(2本のオーボエ、トランペット、ティンパニ、ヴィオラ抜きの弦楽器、オルガン)をもつ、装飾趣味がいささか過剰で、表面的なお祭り気分のモテトが、晩課のあの完璧な成熟さと同等のものをもっているとはとても承服できない。 むしろこの曲はモーツァルトの前作のレジナ・チェリの焼き直しで、ただ合唱の書法の規模を大きくし、交響曲的な統一性をもたせただけのことである。 上に挙げた『神の御母、聖マリア』はまったく別の水準にあり、レジナ・チェリはどう考えてもそれ以前に作曲されたものだと信じないわけにはいかない。ここで『神の御母、聖マリア』とはヴェスペレ(K.321)のことであり、その近くに位置づけること(つまりアインシュタインによる番号付けのK.321b)に異論を唱えている。 ザスローの「モーツァルト全作品辞典」でも、音楽学者コーノルトはこの曲の祝祭的な性格に注目し、モーツァルトがザルツブルク宮廷オルガニストに任命されたこと(1779年1月)が作曲の動機となったという可能性を指摘している。[ド・ニ] p.69
〔演奏〕
CD [PHILIPS 422 753-2] t=6'27 ラインハルトキス (S), ブルマイスター (A), ビュヒナー (T), ポルスター (B), ライプツィヒ放送合唱団, ケーゲル指揮, ライプツィヒ放送交響楽団 1974年11月、ライプツィヒ |
CD [UCCP-4078] t=6'27 ※上と同じ |
CD [SRCR-8544] t=6'26 ツィースレヴィッツ (boy S), ギュンター (boy A), ミュラー (T), インムラー (B), テルツ少年合唱団, シュミット・ガーデン指揮, ヨーロッパ・バロック・ソロイスツ 1990年7月、テルツ |
CD [WPCC-5491] t=7'01 ボニー (S), フォン・マグヌス (A), ハイルマン (T), カシュマーユ (B), アルノルト・シェーンベルク合唱団, アーノンクール指揮, ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス 1992年7月、シュタインツ |
CD [AUDIOPHILE CLASSICS APC-101.048] t=6'04 Paëgle (S), Bigaca (A), Klisans (T), Màrkovs (B), Riga Sacrum Chorus and Riga Musicians, Klava (cond) 1993年、リガ |
〔動画〕
〔参考文献〕
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