Mozart con grazia
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レジナ・チェリ、リタニアとヴェスペレ類
教会典礼音楽
レジナ・チェリ Regina Coeli
「天の女王」または「天の元后」と訳される。 聖母マリアにキリストの復活を祝う音楽。
リタニア Litaniae
「連禱」と訳される。 先唱者が神や聖母マリアにたいする呼び掛けを行ない、会衆がそれに「われらをあわれみたまえ」、あるいは「われらのために祈りたまえ」を繰り返して応答する祈りの形式。
ヴェスペレ Vesperae
「晩課」と訳される。 カトリックの聖務日課の中で日没時に行われる祈り。 宗教音楽の歴史上ミサに次ぐ重要なジャンル。
ディクシット Dixit とマニフィカト Magnificat
ヴェスペレの開始曲「Dixit(主は言われる)」と終曲「Magnificat(私の魂は主をあがめる)」に音楽をつけたもの。
K.108 (74d)
レジナ・チェリ
Allegro ハ長調 合唱
Tempo moderato ヘ長調 ソロとアレルヤ合唱
Adagio un poco andante イ短調 ソプラノ・ソロ
Allegro ハ長調 アレルヤ合唱
〔作曲〕
1771年5月
ザルツブルク
アインシュタインが「声楽部をもったイタリア風シンフォニー」と言っている、この時期の力作。
K.109 (74e)
リタニア 変ロ長調
キリエ Allegro 変ロ長調
サンクタ・マリア Andante ヘ長調
Salus infirmorum : Adagio ニ短調
Regina angelorum : Vivace 変ホ長調
アニュス・デイ Andante 変ロ長調
〔作曲〕
1771年5月
ザルツブルク
童貞聖母マリアの祝日のために。彼の4つのリタニア中、最も短い。
K.125
聖体の祝日ためのリタニア
Kyrie キリエ Molto allegro 変ロ長調
Panis vivus 活けるパン Andante ヘ長調
Verbum caro factum 肉となりしみ言葉 Adagio ニ短調
Hostia sancta 聖なるいけにえ Allegro molto 変ロ長調
Tremendum おそれおののき Adagio ト短調
Panis omnipotentia 肉となりし全能のみ言葉のパン Andante 変ホ長調
Viaticum 臨終聖体 Adagio 変ロ短調
Pignus 保証 変ロ長調
Agnus Dei 神の小羊 Un poco Adagio
〔作曲〕
1772年3月
ザルツブルク
リタニアの第2作。 父の作品をモデルにして。 自筆譜に「神のあまねき栄光のうちに完成せり」と書き入れた。
K.127
レジナ・チェリ
Allegro moderato 変ロ長調
Andante ヘ長調
Allegro 変ロ長調
〔作曲〕
1772年5月
ザルツブルク
レジナ・チェリの第2作。たぶん復活祭前の聖土曜から三位一体祭の前日までの間に演奏された。 自筆譜は1979年南ドイツのワッサーブルクで見つかった。 ザルツブルク宮廷のソプラノ歌手マリア・マグダレナ(ミハエル・ハイドン夫人)のために。
K.193 (186g)
ディクシットとマニフィカート(晩課) ハ長調
Dixit 主は言われる Allegro ハ長調 4/4
Confitebor 主をほめ讃えよ 詩篇第111
Beatus vir 主をおそれる人は幸いなり 詩篇第112
Laudate Pueri 主の僕たちよ、ほめ讃えよ 詩篇第113
Laudate Dominum 主をほめ讃えよ 詩篇第117
Magnificat 私の魂は主をあがめる Allegro ハ長調 4/4 ルカ福音書第1章46-55
〔作曲〕
1774年7月
ザルツブルク
伝統的な形式により5篇が朗唱され、マニフィカートが歌われる。
K.195 (186d)
リタニア(聖母マリアの祝日のために)
Kyrie 主よ Adagio - Allegro ニ長調 4/4
Sancta Maria 聖母マリア Andante ト長調 3/4
Salus infirmorum 病むものたちの救い Adagio ロ短調 4/4 全休止せず次章へ
Regina angelorum 天使たちの女王 Allegro con spirito ニ長調 3/4
Agnus Dei 神の仔羊 ニ長調 4/4
〔作曲〕
1774年5月以前
ザルツブルク
リタニアの第3作。 自筆譜には1774年4月とある。 作曲の動機は不明。
K.243
聖体の祝日のためのリタニア
Kyrie 憐れみの賛歌 Allegro moderato 変ホ長調
Panis vivus 活けるパン Allegro aperto 変ロ長調
Verbum caro factum 肉となりし御言葉 Adagio ト短調
Hostia sancta 聖なる生贄 Allegro comodo ハ長調
Tremendum 怖れおののき Adagio ハ短調
Dulcissimum convivium 甘味の聖体 Andantino ヘ長調
Viaticum 終油の秘蹟の聖礼 Andante 変ロ長調
Pignus 保証 変ホ長調
Agnus Dei 神の仔羊 Andantino 変ロ長調 - Miserere 我らを憐れみたまえ Andante moderato 変ホ長調
〔作曲〕
1776年3月
ザルツブルク
4曲のリタニアの最後。 作曲の目的は不明。
K.321
主日のためのヴェスペレ
Dixit : Allegro vivace ハ長調
Confitebor : Allegro ホ短調
Beatus vir : Allegro 変ロ長調
Laudate pueri : 合唱 ヘ長調
Laudate dominum : Allegro イ長調
Magnificat : Adagio maestoso ハ長調
〔作曲〕
1779年
ザルツブルク?
作曲時期、目的は不明。
K.321a
マニフィカート
Magnificat in C (fragment)
Allegro con spirito ハ長調 断片
〔編成〕 S, A, T, B, 2 tp, 3 tb?, timp, 2 vn, b, og
〔作曲〕
1779年
ザルツブルク
ハ長調、断片7小節。 自筆譜は消失。 写譜が残る。
K.276 (321b)
レジナ・チェリ
Allegro ハ長調
〔作曲〕
1779年
ザルツブルク
3つあるレジナ・チェリの最後
K.339
証聖者の荘厳晩課 (聴もん僧のおごそかな夕べの祈り)
Dixit 主は言われる Allegro vivace ハ長調
Confitebor 主をほめまつる Allegro 変ホ長調
Beatus vir 幸いなるかな Allegro vivace ト長調
Laudate pueri ほめたたえよ ニ短調
Laudate Dominum 主をほめたたえよ Andante ヘ長調
Magnificat : Adagio - Allegro ハ長調
〔作曲〕
1780年
ザルツブルク
2010/01/03