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2台のピアノのためのラルゲットとアレグロ 変ホ長調 (未完)
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この作品は1960年代初頭にチェコのクロミェルジーシュ宮殿 Arcibiskupský zámek Kroměříž(ドイツ語ではクレムジーア城 Schloss Kremsier)の資料庫で発見されたが、その自筆譜には城主ルドルフ大公(Johann Joseph Rainer Rudolph, 1788-1831)がグルックの作品として記入されていたため顧みられることがないまま、モーツァルトの作品番号(ケッヘル番号)が付けられないで、現在に至っている。 しかしその後の研究によりモーツァルトの作品であることはわかっており、新全集に収録されてもいる。
作曲時期については、プラートによる筆跡研究で1781年以降とし、また、タイソンは自筆譜の紙の研究により1782〜83年と推定している。 1781年から1782年にかけてモーツァルトは弟子として有名なアウエルンハンマー嬢ヨゼファ(当時23歳)とさかんに共演しているので、この未完の作品もそのために書いたものであるかもしれない。 成立時期が1781年秋以降だとして、もしケッヘル番号が付けられるとすれば、300番代後半(380〜400)になると思われる。
ラルゲット(36小節)は完全にモーツァルトの手により完成されているが、アレグロの部分(約70小節)は主題の提示で何故か中断している。 総譜は不完全であるが、パート譜では第1ピアノパートの方が強弱などが詳しく書かれてあることから、それは共演者に対する配慮(指示)であり、モーツァルトは第2パートを演奏するはずであったと思われる。 そして何らかの理由で、その共演の機会がなくなり、放置されたのかもしれない。 ただし、残りの部分も書かれたのだが、それが失われたという可能性も否定できないという。
のちにコンスタンツェの依頼によりシュタドラーが補筆完成したといわれているが、そのほかに現代は、バドゥラ=スコダ版、レヴィン版(1992年)がある。
余談であるが、ルドルフ大公は子だくさんだったレオポルト2世の末っ子。 ベートーヴェンの弟子そしてパトロンとして知られる。 ベートーヴェンは、モーツァルトがこの世を去った翌年、1792年11月にウィーンで音楽活動を始める。 ルドルフは1803年(15歳)ころベートーヴェン(33歳)に弟子入りし、ピアノと作曲を学んだといわれる。 その後、1819年(31歳)にオロモウツの大司教に選出された。
オロモウツ(またはオルミュツ)はモーツァルトにとっても忘れることができない地である。 よく知られているように、1767年9月、モーツァルト一家はウィーンへ旅立った。 皇女マリア・ヨゼファ(マリア・テレジア女帝の9番めの皇女)とナポリ・シチリア王フェルディナント1世の婚儀のためであった。 ところが、そのときウィーンでは天然痘が大流行していて、10月15日に皇女ヨゼファが天然痘で死亡。 天然痘を避けて一家はウィーンを出発、チェコに向かって北上。 10月26日、オルミュッツ(オロモウツ)に着いたが、そこでまずヴォルフガング(11歳)が、次に姉ナンネル(16歳)も天然痘にかかり、二人は命を落としそうな状態にまで至ったのだった。 奇跡的に姉弟は助かり、別名「オルミュッツ」と呼ばれる交響曲第6番(K.43)が作曲された。
〔演奏〕
CD [PHILIPS-422-516-2] t=7'46 バドゥラ=スコダ, デムス (p) 1971年1月、ウィーン バドゥラ=スコダ補作版 |
CD [キング K32Y 297] t=5'28 デュオ・クロムランク (p) 1984年9月、東京、ビクター青山スタジオ |
CD [VALOIS V4621] t=7'31 バドゥラ=スコダ, デムス (p) 1988年3月、ウィーン バドゥラ=スコダ補作版 |
CD [ALCD-1073] t=8'55 渡辺順生、崎川晶子 (fp) 2004年9月、相模湖交流センター ※1790年代のホフマン製フォルテピアノ使用 レヴィン補作をもとに演奏者独自の工夫を加えて |
〔動画〕
〔参考文献〕
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