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6つのドイツ舞曲 K.536
〔作曲〕 1788年1月27日 ウィーン |
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1787年12月7日、モーツァルトは念願のウィーン宮廷作曲家になる。 それは、11月15日にグルック(Christoph Willibald Gluck, 1714-87)が死去したことにより空席となった宮廷作曲家のポストが回ってきたものだった。 多くの候補者の中から、ヨーゼフ2世一人の推薦を受け、待望の職にありつけた。 ただし、前任者の給料は年俸2000フロリンに対して、モーツァルトのそれは800フロリンに過ぎなかった。 この件については、「ピアノ・ソナタ ヘ長調」(K.533)のページで解説。
宮廷作曲家としての仕事は毎年冬期間の舞踏会でのダンス音楽を作ることで、死までの間に5つのメヌエット、10のコントルダンス、9つのドイツ舞曲を作ることになる。 この作品はレドゥーテンザール(舞踏会場)用に書かれた最初の舞曲集であり、彼の誕生日と同じ日付に自作目録に記載された。 自筆譜は残っていない。 翌1789年にアルタリアから同じ構成の舞曲集 K.567 とともに出版された。
宮廷の娯楽のために作曲された事実上すべての舞曲レパートリーが、モーツァルトの生前早くも、いくつかの曲集に分けて出版された。 最初の出版は1789年であるが、その後アルターリアが何度も増刷を行ったという事実が、楽譜が広く普及していたことを物語っている。 宮廷楽長モーツァルトがレドゥーテンザールのために提供したいわば官製の娯楽音楽が小さなレジデンスでも演奏され、帝国の貴族全般に華を添えたのは、その人気が高かればこそであろう。[ヴォルフ] p.120
6曲とも4分の3拍子で、それぞれ同じ調性のトリオを持つ。 最終曲にはモーツァルト自身により「12番に続く」と指示がある。 それは、この曲が K.567 と一緒に出版されたことに関係し、全体として「12のドイツ舞曲」で演奏されることが想定されている。 もし続けて演奏する場合には、「K.536 第1曲から第5曲まで、K.567 第1曲から第5曲まで、K.536 第6曲、K.567 第6曲」という順番が考えられている。 ヴァイル指揮ターフェルムジーク・バロック [SONY SRCR-8625] はその順で演奏している。
余談であるが、800フロリンがどの程度の金額かについては「現在の(1991年頃の)日本円に換算して約300万円ほど」(渡辺正, CD[SONY SRCR-8625]の解説書)といわれる。 ほかの比較材料を持ち出せば、前年の9月、父レオポルトの遺品が競売に付され、それによってモーツァルトは1000フロリンを得ている。 また、その年の10月に大作『ドン・ジョヴァンニ』(K.527)を完成させているが、そのウィーン公演の謝礼は225フロリンだった。 一方で、モーツァルトはこの年あたりから貧困に苦しむようになり、やがてプフベルク(Johann Michael Puchberg, 当時47才)から借金を重ねることになる。 それは、1788年6月から始まり、死ぬまでの間に残っている手紙からそれらを合計すると、借財は1415フローリンにもなる。 しかし、それはグルックの1年間の給料よりも低い額である。
第1曲のトリオ部分が、1840年代にイギリスのウォナム村(Warnham)の教会音楽家マイケル・ターナー(Michael Turner, 1796-1885)によってワルツに編曲され、それが「マイケル・ターナーのワルツ Michael Turner's Waltz」として今に伝わっているという。 下の動画リスト。
〔演奏〕
CD [キング KICC 6039-46] t=10'30 ボスコフスキー指揮 Willi Boskovsky (cond), ウィーン・モーツァルト合奏団 Vienna Mozart Ensemble 1966年3・4月 |
CD [SONY SRCR-8625] t=19'14 ヴァイル指揮 Bruno Weil (cond), ターフェルムジーク・バロック管弦楽団 Tafelmusik 1991年2月、カナダ、オンタリオ、Center in the Square, Kitchener ※K.567と合わせて、上記の順で演奏。 |
CD [CAMPANELIA Musica C 130076] (5) t=1'45 ズュス Margit-Anna Süß (hp), シュトル Klaus Stoll (cb) 1999年8月、Studio Campanella |
〔動画〕
〔参考文献〕
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