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ディクシットとマニフィカート ハ長調 K.193 (186g)

  1. Dixit 主は言われる Allegro ハ長調 4/4
  2. Magnificat 私の魂は主をあがめる Allegro ハ長調 4/4 (ルカ福音書第1章46-55)
〔編成〕 S, A, T, B, SATB, 2 tp, 3 tb, timp, 2 vn, bs, og
〔作曲〕 1774年7月 ザルツブルク
1774年7月




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モーツァルトは「ヴェスペレ」と呼ばれる6つの章から成る「夕方の礼拝(晩課)」を2曲(K.321K.339)を書いているが、もう一つ、その開始曲(Dixit)と終曲(Magnificat)に音楽をつけたものを書き残した。 それがこの曲である。 なぜこのような半端な作曲をしたのかわからないが、当時、その間の4つの章

  1. Confitebor 主をほめ讃えよ (詩篇第111)
  2. Beatus vir 主をおそれる人は幸いなり (詩篇第112)
  3. Laudate Pueri 主の僕たちよ、ほめ讃えよ (詩篇第113)
  4. Laudate Dominum 主をほめ讃えよ (詩篇第117)
は必ずしも歌われるとは限らず、また、他の作曲家の音楽あるいはグレゴリア聖歌が使われたこともあったというから、そのときモーツァルトに求められたのがこの部分だけだったのだろう。 各楽章の終りに必ず「栄光あれ、父と子と、聖霊に。始めにありしごとく、いまもいつも、世々限りなく。アーメン」という内容の栄唱があるが、モーツァルトはここでフーガの手法を使っている。 アインシュタインは
トランペットとティンパニを加えているために、楽器編成がいささか大がかりになっているところからみて、この曲はかなり大きな教会祝日の晩課のために書かれたにちがいない。 『マリアの讚歌』(Magnificat)はその対位法的な構成によって、『ディクシト』(Dixit)よりもさらに大規模である。 しかし、両者ともにいくぶん派手すぎる。
[アインシュタイン] pp.452-453
と言っている。 作曲の目的は2曲の「ヴェスペレ」(K.321K.339)同様、大司教の洗礼名の聖ヒエロニムスの祝日(9月30日)のための盛儀典礼用と推測されている。

モーツァルトはこの曲を、晩年コンスタンツェが世話になったバーデンの合唱指揮者シュトルに贈った。

〔歌詞〕
Dixit Dominus Domino meo
Sede a dextris meis
Donec ponam inimicos tuos
scabellum pedum tuorum.
Virgam virtutis tuae emittet
Dominus ex Sion
dominare in medio inimicorum tuorum.
主はわが主に言われた
わが右の座に就くがよい
されば、われは汝の敵を汝の
足台とせん。
汝の力ある杖を
主がシオンからおくられる
汝の敵どものただ中で治めるがよい。
(以下略)
Magnificat anima mea Dominum
Et exsultavit spiritus meus in Deo salutari meo
Quia respexit humilitatem ancillae suae
ecce enim ex hoc beatam me dicent
omnes genetationes.
わが魂は主に大いにあがめる。
わが霊は救い主である神を喜びたたえる。
主の卑しきはしためにも目をとめられたがゆえ
今からのち、われを幸いなるものと言うだろう
すべての世代のひとびとが。
(以下略)
木村茂訳 CD[WPCS-4094]

〔演奏〕
CD [PHILIPS 422 749-2〜753-2] t=10'47
白井光子 (S), ビュフナー Eberhard Buchner (T), ポルスター Hermann Christian Polster (Bs), ライプツィヒ放送合唱団, ケーゲル指揮ライプツィヒ放送交響楽団
1979年2月、ライプツィヒ
CD [UCCP-4078] t=10'47
※上と同じ
CD [WPCS-4094] t=11'07
マイ Eva Mei (S), アツェスベルガー Kurt Azesberger (T), アルノルト・シェーンベルク合唱団, アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
1992年12月、ウィーン

〔動画〕

〔参考文献〕


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2014/04/06
Mozart con grazia