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交響曲 第20番 ニ長調 K.133
〔作曲〕 1772年7月 ザルツブルク |
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前曲第19番変ホ長調(K.132)とともに作曲されたが、その動機は不明。 これも自筆譜にレオポルトにより騎士の称号が書かれてある。 前年12月に作られた第14番(K.114)からこの年の8月の第21番(K.134)までの一連の交響曲のうち5番目にあたり、また新たな工夫が意欲的に試みられた作品である。
一見全く型どおりに開始するように見えるが、例えば冒頭のモティーフがコーダにおいてはじめて現われ、再現部には現れないというような、一連の不意打ちを提供する。 オーケストラの諸グループは分離され、シンフォニーの構造は、全体としても細部的にもますます対話的になる。 弦楽器が代表して語り、管楽器はこのシンフォニーのフィナーレで見られるように、リズミカルな音群として伴奏する。第2楽章でオーボエはフルートと交代し、ホルンは休む。 しかも弦は弱音器をつけて、フルートのソロに歌わせる。 ザスローは次のように説明している。[アインシュタイン] p.307
フルートは第1ヴァイオリンのオクターヴ上をなぞりつつ、時折ソリストとなって前面に進み出る。 こうして作り出されるオーケストラの清澄な音色を、モーツァルトは手際よく扱っている。 ヨーゼフ・ハイドンの1765年の『交響曲ハ長調』Hob.I:30のアンダンテ楽章にもよく似た独奏フルートの書法があるが、モーツァルトはこれを知っていたのであろうか?フィナーレにはテンポ表示がないが、新全集は「アレグロ(速く)」としている。 この終楽章はジーグ風のリズムで爽快に駆け抜ける。 ジーグ(またはジグ)gigueとは、17〜18世紀に流行した3拍子系の軽快な舞曲で、バロック期の組曲を構成する一つの楽章として用いられていたものである。 ザスローは[全作品事典] p.235
ジグ風フィナーレは当時広く浸透しており、だれもが進め方を知っていたのであるから、表示は必要なかったものと思われる。 そのうえ、交響曲のフィナーレは、たいていその第1楽章よりもテンポが速かった。と説明したうえ、「アレグロ・モルト(非常に速く)」がふさわしいと述べている。
〔演奏〕
CD [ポリドール FOOL-20367] t=28'06 ホグウッド指揮AAM 1979-81 |
CD [TELARC PHCT-5007] t=20'08 マッケラス指揮プラハ室内管弦楽団 1989 |
CD [Membran 203300] t=18'09 Alessandro Arigoni (cond), Orchestra Filarmonica Italiana, Torino 演奏年不明 |
〔動画〕
〔参考文献〕
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