17 age |
61 5 |
62 6 |
63 7 |
64 8 |
65 9 |
66 10 |
67 11 |
68 12 |
69 13 |
70 14 |
71 15 |
72 16 |
73 17 |
74 18 |
75 19 |
76 20 |
77 21 ▲ |
78 22 |
79 23 |
80 24 |
81 25 |
82 26 |
83 27 |
84 28 |
85 29 |
86 30 |
87 31 |
88 32 |
89 33 |
90 34 |
91 35 |
92 |
ディヴェルティメント 第15番 変ロ長調 K.287 (271H)
〔編成〕 2 hr, 2 vn, va, bs |
|
アインシュタインは1777年2月、カーニヴァル・シーズンに書かれたと考え、第3版では K³.271b に位置づけられていたが、第6版は以下のような作曲の動機をもとに上記の番号としている。 すなわちザルツブルクの世襲地方大臣エルンスト・フォン・ロドロン伯爵(当時61歳)の夫人マリア・アントニア(39歳)の依頼により、彼女の霊名の祝日のために作曲された。 「第2ロドロン・セレナード」とも呼ばれる。 自筆譜のタイトルが切りとられているため正確な成立時期は不明であるが、伯爵夫人の霊命の祝日6月13日に合わせて、その前に書かれたのだろう。 ただし演奏は16日に行われた。
第2楽章はドイツ民謡「それ急げ、僕はハンス、呑気もの Heissa, hurtig, ich bin Hans und bin ohne Sorge」の主題による6つの変奏曲。 第3楽章のトリオはト短調。 第4楽章ではホルンは休み、弦のみ。 第6楽章にはアンダンテの序奏があり、ドイツ民謡「百姓女が猫をなくした D'Bauerin hat d'Katz verlorn」による主題の前に置かれている。 それをアインシュタインは
(その民謡の)おかしさを目立たせるために、過度に悲壮なレチタティーヴォによってこれを導入する。 この通俗的なものとの戯れで大事なのは、パロディーや粗野なあざけりではなく、精神と機智である。と評している。[アインシュタイン] p.279
この種の曲をモーツァルトはカッサシオンと呼んでいて、ミュンヘン滞在中の1777年9月30日から10月2日までの3日間、次のようなことがあったとザルツブルクの父へ伝えている。
まる3日間、ザーレルン伯爵のところで、たくさんの作品を暗譜で弾きました。 そして最後に、伯爵夫人のために2曲のカッサシオーンと、最後にロンドつきのフィナール・ムジークを、これもそらで弾きました。 ザーレルン伯爵がどんなによろこばれたか、御想像いただけないでしょう。この2曲というのが、「ロドロン・セレナード K.247」とこの「第2ロドロン・セレナード K.287」である。 どのような形態で演奏したのかよくわからないが、たぶんモーツァルトがヴァイオリンを「暗譜で」独奏したのだろう。 それは、10月4日にはアルベルト大公の霊名の祝日に音楽会が催され、そこでもこの曲が演奏されたが、このときはモーツァルト自身はヴァイオリンを弾いたと伝えているからである。[書簡全集 III] p.79
終わりに、僕は最近作の『変ロ長調』のカッサシオーンを弾きました。 みんな目をみはって驚嘆していました。 ぼくはヨーロッパ最高のヴァイオリン奏者のように弾きましたよ。さらにモーツァルトがウィーンに定住してから、この種の曲を必要としていたようで、ザルツブルクの父に楽譜を送ってくれるよう求めている。同書 p.101
カッサシオン3曲は、さし迫って必要です。 ヘ長調と変ロ長調が、とにかくいまあれば。 いずれニ長調のほうも写譜をしてもらって、あと送ってくださいね。 なにしろ当地は写譜代がとても高くつきます。 しかも彼らはまったく無神の徒のようにひどい写譜をします。ヘ長調は K.247、変ロ長調は K.287、そしてニ長調は K.334であり、モーツァルトはこれらをカッサシオンと呼んでいた。[書簡全集 V] p.92
〔演奏〕
CD [BMGジャパン BVCC-9701] t=27'54 トスカニーニ指揮NBC交響楽団 Arturo Toscanini (cond), the NBC Symphony Orchestra 1947年11月18日、NBC 8-H スタジオ ※第5楽章メヌエットの演奏なし。 |
CD [キング・レコード KICC 2148] t=36'26 ウィーン八重奏団 Members of the Vienna Octet / Anton Fietz (vn), Philipp Matheis (vn), Gunther Breitenbach (va), Nikolaus Hubner (vc), Johann Krump (cb), Josef Veleba (hr), Wolfgang Tomboeck (hr) 1962年9月、ウィーン、ソフィエンザール |
CD [PHILIPS 32CD-349] t=42'03 アカデミー室内アンサンブル Academy Chamber Ensemble / Kenneth Sillito (vn), Malcolm Latchem (vn), Stephen Shingles (va), Denis Vigay (vc), Raymund Koster (cb), Timothy Brown (hr), Nicholas Hill (hr) 1984年12月3〜6日、ロンドン、ヘンリー・ウッド・ホール |
〔動画〕
〔参考文献〕
Home | K.1- | K.100- | K.200- | K.300- | K.400- | K.500- | K.600- | App.K | Catalog |