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ノットゥルノ ニ長調 K.286 (K6.269a)4つのオーケストラのためのノットゥルノ
〔作曲〕 1776年12月から77年1月の間 ザルツブルク |
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セレナード第8番。 自筆譜は第2次世界大戦後紛失。 ポーランド・クラクフにあるかもしれない。 曲の成立の経緯は不明であり、1776年12月か翌年1月頃と推定されている。 アインシュタインは「1777年の元旦用に作曲されたと推定しなければならないが、もしそうでなかったら、ザルツブルク近傍のミラベル庭園の戯れと庭園の不思議のための、真の夜の音楽だといえるであろう」といい、理想的な庭園音楽の雰囲気を持っている言う。 真冬の季節に野外音楽を書くとは妙な気がするが、これについてアインシュタインは「モーツァルトは夏の気分を冬に持ちこむことを好むのである」と説明している。 ザスローは1777年の謝肉祭のために書かれたのかもしれないと言う。
楽器編成はモーツァルトの作品中例外的な位置を占める。 すなわち、4つのオーケストラ(いずれも 2 hr, 2 vn, va, bs)で構成され、第1群のほかは作曲者自身によって「第1エコー、第2エコー、第3エコー」と命名され、役割が明瞭に与えられている。 すなわち全曲にわたって第1オーケストラの旋律をほかの3つのオーケストラが追いかけてゆくのである。 それらのエコーが順に重って、演奏する方も聞く方も楽しむことができる。
全3楽章において、21歳の作曲家は各エコー・グループの模倣と重なり合いの間隔を戯れに変化させることで、自分自身と聴き手を楽しませている。 この点で、4対のホルンが突然ファンファーレを奏し始めるメヌエットは、とりわけ楽しいものになっている。なお、このような複数のオーケストラを使うモーツァルトの作品は他に『セレナータ・ノットゥルナ』 (K.239)があるのみで、しかも「ノットゥルノ」という名称で共通している。 このように楽器編成の点で例外的な作品である。[全作品事典] p.307
もう一つ例外的な点は楽章構成である。 すなわち、3楽章の構成で、メヌエットで終るのが異例なのである。 そのため、この作品は断片と推測され、ロンド形式の終楽章があったはずという説がある。 しかしザスローは「この時代のオーストリアには、第3楽章にメヌエットを伴った3楽章構成の作品が数多くある」ことを指摘し、不完全な作品とする説は誤りであると主張している。
〔演奏〕
CD [TKCC-15057] t=13'24 アーベントロート指揮 Hermann Abendroth (cond), ベルリン放送交響楽団 Rundfunk Sinfonie-Orchester Berlin 1956年4月12日、ベルリン放送局SRKホール |
CD [POCL-6027] t=15'57 マーク指揮 Peter Maag (cond), ロンドン交響楽団 London Symphony Orchestra 1959年、ロンドン |
CD [ポリドール F35L-21020] t=15'39 ホグウッド指揮 Christopher Hogwood (cond), エンシェント室内管弦楽団 Academy of Ancient Musinc 1983年10月、ロンドン |
CD [TELDEC 27P2-2240] t=18'21 アーノンクール指揮 Nikolaus Harnoncourt (cond), ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス Wien Konzentus Musikus 1987年3・4月、ウィーン ※オリジナル楽器使用 |
〔動画〕
〔参考文献〕
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