Mozart con grazia K.1-|K.100-|K.200-|K.300-|K.400-|K.500-|K.600-|App.K


K.38
アポロとヒアキントゥス
K.46a(51)
見てくれのばか娘
K.46b(50)
バスティアンとバスティエンヌ
K.74a(87)
ミトリダーテ
K.111
アルバのアスカニオ
K.126
シピオーネの夢
K.135
ルチオ・シラ
K.196
偽りの女庭師
K.208
羊飼の王様
K.336b(344)
ツァイーデ
K.366(206 & 362)
イドメネオ
K.384
後宮からの誘拐
K.422
カイロの鵞鳥
K.424a(430)
騙された花婿
K.486
劇場支配人
K.492
フィガロの結婚
K.527
ドン・ジョヴァンニ
K.588
コシ・ファン・トゥッテ
K.620
魔笛
K.621
ティトの仁慈


K.366 オペラ・セリア「クレタ王イドメネオ」
または「イリアとイダマンテ」

序曲と3幕
Idomeneo, Re di Creta, ossia: Ilia ed Idamante. Opera seria in 3 atti
編成:fl*2, ob*2, cl*2, fg*2, hr*2, tp*2, timp, vn*2, va*2, vc, cb
[ 80年10月〜81年1月 ザルツブルク、ミュンヘン ]
ヴァレスコ詞。シャハトナー翻訳。ミュンヘン選挙侯カール・テオドールの依頼。 初演は新築のミュンヘン宮廷歌劇場で、カンナビヒの指揮により。その後モーツァルトの生前には再演されない。 ただ一度だけ1786年3月13日ウィーンのアウエルスベルク侯宅でアマチュア(ハッツフェルト伯爵兄弟を含む)によるごく内輪の演奏が行なわれた。 そのとき主催者側の要請で、大幅な改編をした。(参照 K.489-490) その後この改訂版とオリジナル版とが今日まで混ぜ合わされて使用されている。 オリジナル版が完全に復元されたのは1972年のベーレンライター版から。 復元版によるレコーディングは1980年代から。

内容は、国の荒廃を救うためにわが子を犠牲にしなくてはならないクレタ王イドメネオの苦悩、 神託に従おうとする王子イダマンテの勇気と愛、捕らわれのトロイの王女イーリアの献身、ギリシアの王女エレクトラの愛欲と嫉妬。 すべての登場人物が愛する故に苦しみ、死をもいとわない雄々しさと優しさ。


K.206 行進曲「イドメネオ」第8番

March to Idomeneo

間違って別の番号(1775年に位置してしまう)を与えられてしまったが、オペラ「イドメネオ」の一部。 その第1幕に挿入される。


K.362 行進曲「イドメネオ」第14番

March to Idomeneo

オペラ「イドメネオ」の一部。その第2幕に挿入される。


K.367 「イドメネオ」のための5つの舞踊曲

Ballet music to the opera "Idomeneo"
  1. Chaconne ニ長調
  2. Pas seul : de Monsieur Le Grand ニ長調
  3. Passepied : pour Mademoiselle Redwen 変ロ長調
  4. Gavotte ト長調
  5. Passacaille : pour Monsieur Antoine 変ホ長調
編成:fl*2, ob*2, cl*2, fg*2, hr*2, tp*2, timp, vn*2, va*2, vc, cb
[ 80年末〜81年1月18日 ミュンヘン ] 当時フランス宮廷のオペラでは必ずバレー場面を入れる習慣があった。第1曲はシャコンヌ。 これはスペイン起源の舞曲で、17世紀にフランスに入りロンド風の舞曲になり、さらにバッハなどにより主題と変奏曲という形に使われるようになった。 第2曲パ・スールは初演のとき舞踏監督だったル・グランが踊ったという。 第3曲のパスピエは元はブルゴーニュ地方の速く軽快なダンスだったもので、17世紀にフランス宮廷で優雅な舞曲となった。 第4曲ガヴォットはアルプス地方の古い舞曲だったものが18世紀にフランス宮廷で洗練された2拍子系の舞曲になった。 第5曲パッサカリアはシャコンヌと同様の流れにあるロンド風舞曲だが、フランス宮廷でのオペラにおける挿入バレーの終曲は多くの場合パッサカリアと題された。

K.384 ジングシュピール「後宮からの誘拐」

序曲と3幕21曲
Die Entfuhrung aus dem Serail. Komisches Singspiel in 3 Akten
編成:fl*2, picc, ob*2, cl*2, basset-hr*2, fg*2, hr*2, tp*2, トライアングル, シンバル, 大太鼓, timp, vn*2, va*2, vc, bs
[ 81年7月30日〜82年5月19日 ウィーン ] ブレッツナー、シュテファニー詞。ヨーゼフ2世の依頼で。 台本は前年7月30日に受け取っている。前年9月中旬にウィーンを訪問したロシアの大公の歓迎行事で演奏される予定だったが、 大公のウィーン訪問が11月に延期になり、しかも歓迎オペラとしてはグルックの旧作が選ばれた。しかしそれが結果的にモーツァルトに幸いし、彼は組み立てから真剣に考え直すことができた。 作曲の仕方について前年9月26日の手紙で詳しく父に説明している。以前のどのオペラもしのぐ傑作となった。序曲は打楽器を用いてトルコ風の色彩を表し、 プレストにはさまれた中間部ではベルモンテのアリアの旋律を用いている。上演は宮廷内の妨害でかなり延期されたが、ようやく皇帝の命令がでて、7月16日ウイーンのブルク劇場で初演。 大成功でグルックも高く評価した。初演の役者は1年前に彼が父に予告していた通り、当時のドイツ・オペラの一流メンバー。皇帝ヨーゼフ2世が「音楽が多すぎる」と言ったのに対して、 彼が「ちょうど必要なだけの音符です」と答えたという有名な話がある。その後繰り返し上演された。プラハでの「フィガロ」についで、彼のオペラの中で生前最もヒットした。 ただし「ドイツ語オペラ」であるがために、彼は依然として本当のオペラ作家の第一人者として評価されないままだった。

第19曲オスミンのアリアに、モーツァルトが使った一番低い音声がある。

海賊にさらわれ、トルコの太公セリムのハーレムに売られた娘コンスタンツェを救い出すために、恋人ベルモンテがセリムの館に侵入するという劇。 そして寛大なセリムの慈悲により、めでたく解放される。

cf : この歌劇のタイトルについて、野口秀夫氏による興味深い論文(2001年2月)がある。

編曲版(モーツァルト自身による)
だんだん人気が出てきた自分のオペラをバンド用に編曲しようとして7月20日に手紙で父へ知らせているが、その楽譜は行方不明だった。 1983年オランダの学者ブロムヘルトがドナウエッシンゲンにあったこのオペラの管楽用の編曲譜を子細に検証しているうちに、その無名の編曲者はモーツァルト自身であると結論し、真作と認められた。

編曲版(ヴェント 編曲版(編曲者不詳)
1799年ボンのジムロック社から「2つのフルートまたは2つのヴァイオリンのための二重奏」として9曲が編曲され出版された。

K.384A (389) 二重唱「なんたる恐ろしき戦慄」

Duet for 2 tenors "Welch angstliches Beben" (fragment)

編成 : 2 violins, viola, bass, flute, oboe, bassoon, 2 horns
[ 82年4月か5月 ウィーン ] シュテファニー詞。「後宮からの逃走」でベルモンテとペドリロの二重唱として書いたが、スケッチとピアノ伴奏のみの未完成。


K.422 オペラ・ブッファ「カイロの鵞鳥」

2幕7曲 (未完)
L'oca del Cairo. Dramma giocoso in 2 acts. (fragment)
編成:ob*2, fg*2, hr*2, tp*2, vn*2, va*2, vc, cb
[ 83年7〜10月 ザルツブルクとウィーン ] 未完。ヴァレスコ詞。 モーツァルトは意欲的に取り組んだが、それに応じてヴァレスコは詞を作らなかったので、作曲を断念した。


K.424a (430) オペラ・ブッファ「騙された花婿」

序曲と2幕4曲(未完)
副題 「唯一人の愛人のために起こった3人の女の争い」
Lo sposo deluso ossia La rivalita di tre donne per un solo amante. Opera buffa in 2 acts. (fragment)
編成:fl*2, ob*2, cl*2, fg*2, hr*2, tp*2, timp, vn*2, va*2, vc, cb
[ 83年後半 ザルツブルクとウィーン? ] ダ・ポンテ詞。 青年士官アスドルバレを恋する3人の女、エウジェニア、ベッティーナ、メティルデの物語。

女嫌いのプルケリオに笑われながらも、愚かな金持ちの老ボッコニオはローマ貴族出の自惚れエウジェジアと婚約する。 プルケリオは二人にそれぞれお世辞を言っていると、そこへ死んだはずの恋人ドン・アスドルバレがやって来る。 ボッコニオ、プルケリオ、エウジェニアはそれぞれに狼狽した三重唱を歌ったところで作曲は中断。その後アスドルバレはエウジェジアとよりを戻し、 ベッティーナはプルケリオと、メティルダは家庭教師ジェルヴァジオと結婚し、ボッコニオだけが馬鹿をみて残される。


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