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◇ 一覧
◇ 第1部 : 1769年のイタリア旅行前まで
◇ 第2部 : 1769〜72年、3度にわたるイタリア旅行によりオペラ作家として自信をつけた頃
◆ 第3部 : 1773〜74年、「レオポルト合本」
◇ 第4部 : 1774〜84年、父のもとから離れ、ウィーンで自立し始めた頃
◇ 第5部 : 1786〜88年、最後の交響曲まで
交響曲集「レオポルト合本」
3回目のイタリア旅行からザルツブルクに帰って間もなく作られた第22番から第30番までの9つの交響曲の自筆譜は父の手でまとめられ合本とされ、
作曲時期が消された。旧全集はその合本通りの順で取り上げたが、消された日付は解読され、次の順になった。
第26番 変ホ長調 | K.184 → K.161a | 1773年3月30日 | メヌエットなし(3つの楽章) |
第27番 ト長調 | K.199 → K.161b | 〃4月10か16日 | 〃 |
第22番 ハ長調 | K.162 → そのまま | 〃4月19か29日 | 〃 |
第23番 ニ長調 | K.181 → K.162b | 〃5月19日 | 〃 |
第24番 変ロ長調 | K.182 → K.173dA | 〃10月3日 | 〃 |
第25番 ト短調 | K.183 → K.173dB | 〃10月5日 | メヌエットつき(4つの楽章) |
第29番 イ長調 | K.201 → K.186a | 1774年4月6日 | 〃 |
第30番 ニ長調 | K.202 → K.186b | 〃5月5日 | 〃 |
第28番 ハ長調 | K.200 → K.189k | 〃11月17か12日 | 〃 |
その「自筆譜合本」が1987年5月22日、ロンドンのサザビー社で競売に付され、235万ポンド(約5億5千万円)という空前の高値で落札された。
落札者と手放すことにした者は例によって不明。
これ以外の交響曲の原譜はほとんど公共機関の所蔵になっているので、二度と再びこの種の競売はないとみられ、音楽関係者の間で「世紀の競売」と騒がれた。
なお、自筆譜の競売で、それまでの最高は1982年の同社によるストラビンスキー「春の祭典」33万ポンドだった。
Symphony (Overture) in E flat [No.26] for 2 violins, 2 violas, bass, 2 flutes, 2 oboes, 2 bassoons, 2 horns, 2 trumpets
- Molto Presto 変ホ長調
- Andante ハ短調
- Allegro 変ホ長調 3/8 ロンド形式
[ 73年3月30日 ザルツブルク ]
いわゆるイタリア風序曲「シンフォニア」の形に近く、劇場的な雰囲気を持つ。
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Symphony in G [No.27] for 2 violins, 2 violas, bass, 2 flutes, 2 horns
- Allegro ト長調
- Andantino grazioso ニ長調 2/4
- Presto ニ長調
[ 73年4月10日か16日 ザルツブルク ]
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K.162 交響曲 第22番 ハ長調
Symphony in C [No.22] for 2 violins, 2 violas, bass, 2 oboes, 2 horsn, 2 trumpets
- Allegro assai ハ長調
- Andantino grazioso ヘ長調
- Presto assai ハ長調
[ 73年4月19日か29日 ザルツブルク ]
日付は19日か29日か判読できない。
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Symphony in D [No.23] for 2 violins, 2 violas, bass, 2 oboes, 2 horsn, 2 trumpets
- Allegro spiritoso ニ長調
- Andantino garzioso ト長調 6/8
- Presto assai ニ長調 ロンド形式
[ 73年5月19日 ザルツブルク ]
ミラノから帰郷した後のイタリア式シンフォニー第4作で、作りは前曲K.162と同じだが、それを越えた工夫がある。
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Symphony in B flat [No.24] for 2 violins, 2 violas, bass, 2 oboes (2 flutes), 2 horns
- Allegro spirituoso 変ロ長調
- Andantino grazioso 変ホ長調
- Allegro 変ロ長調
[ 73年10月3日 ザルツブルク ]
作り方と発想が前4曲と酷似し、2日後の次のト短調とはまったく異なる。
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Symphony in G minor [No.25] for 2 violins, 2 violas, bass, 2 oboes, 2 bassoons, 4 horns
- Allegro con brio ト短調 4/4 ソナタ形式
- Andante 変ホ長調 2/4 三部形式
- Menuetto ト短調
- Allegro ト短調 2/2 ソナタ形式
[ 73年10月5日 ザルツブルク ]
以前の交響曲と異質。ウィーン滞在中に知った新しい傾向による。
特にハイドンの影響があると言われ、彼の交響曲第39番ト短調に触発されたという見解(ラールセン)もある。
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Symphony in A [No.29] for 2 violins, viola, bass, 2 oboes, 2 horns
- Allegro moderato イ長調 2/2 ソナタ形式
- Andante ニ長調 2/4 ソナタ形式
- Menuetto イ長調
- Allegro con spirito イ長調 6/8 ソナタ形式
[ 74年4月6日 ザルツブルク ]
前年冬からの三部作K.200 ハ長調, K.183 ト短調, K.201イ長調は1788年の三大交響曲を予示するものだとよく言われる。
ただし父はこれらを良く思っていなかった。
オカールは全交響曲中でこれらを最も素晴らしいものと言い、特にこのK.201を最高に評価している。
その理由として、アレグロ・モデラートに後の偉大なピアノ協奏曲にしか見られない凝縮したポエジーがあることをあげている。
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Symphony in D [No.30] for 2 violins, viola, bass, 2 oboes, 2 horns, 2 trumpets
- Molto allegro ニ長調
- Andantino con moto イ長調
- Menuetto ニ長調
- Presto ニ長調
[ 74年5月5日 ザルツブルク ]
前作の2曲K.162, 162b と変わって、セレナード風。
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Symphony in C [No.28] for 2 violins, viola, bass, 2 oboes, 2 horns, 2 trumpets, timpany
- Allegro spiritoso ハ長調
- Andante ハ長調
- Menuetto : Allegretto ハ長調
- Presto ハ長調
[ 74年11月17日か12月 ザルツブルク ]
自筆譜の日付が消されて判読しにくく、1773年成立説もある。
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この時期で、合本に属さないもの
Symphony in D for 2 violins, viola, bass, 2 oboes (2 flutes), 2 horns, 2 trumpets
- Allegro assai
- Andante grazioso
- Menuetto
- Adagio - Allegro assai
1773年夏のセレナードK.185(第3番 ニ長調)の7つの楽章から第2、第3、第6楽章のメヌエットを落としてシンフォニーに改造した。
ただしこの譜面は見つかっていない。
- ホグウッド指揮AAM CD.120 t=28'00 ; 1979-81
- ヴァイル指揮ターフェルムジーク・バロックO CD.294 t=28'44 ; 1991
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