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K.155 から K.160 までの四重奏曲のグループにおいて、はじめて室内楽への決定的な転換が行われる。
アルフレート・アインシュタイン 「モーツァルト、その人間と作品」 浅井真男訳(白水社)
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弦楽四重奏曲
String Quartets
◇ 一覧
◇ 第1部 : 下記の「セットもの」以外
◆ 第2部 : ミラノ四重奏曲
◇ 第3部 : ウィーン四重奏曲
◇ 第4部 : ハイドン・セット
◇ 第5部 : プロシャ王
初期の弦楽四重奏曲13曲のうち第2〜7番の6曲は「ミラノ四重奏曲」と呼ばれる。
それらの調性は第2番ニ長調、第3番ト長調、第4番ハ長調、第5番ヘ長調、第6番変ロ長調、第7番変ホ長調と、5度づつ下げてシリーズにしている。
6曲のうち第5を除いて、すべて「急・緩・急」の典型的なイタリア式3楽章形式であり、第5だけが「緩・急・急」の順。
また中間部の楽章では、6つのうち4つまでが短調で、彼の霊感が暗い情熱となって姿を現している。
ニ長調 K.134a は3つのデヴェルティメント K.125a - c に近いが、後の5つは純粋な弦楽四重奏曲の様式に近付いている。
なお、このように5度づつ下げた巡環する調性のシリーズは2年後の K.189d から始まる6曲のピアノ・ソナタにもある。
K.134a (155) 弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調
Quartet in D for 2 violins, viola violoncello and bass
- Allegro ニ長調
- Andante イ長調
- Molto allegro ニ長調
[ 72年10月末〜11月初 ボルツァーノ、ヴェロナ? ]
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K.134b (156) 弦楽四重奏曲 第3番 ト長調
Quartet in G for 2 violins, viola, violoncello
- Presto ト長調 ソナタ形式 3/8
- Adagio ホ短調 ソナタ形式 4/4
- Tempo di Menuetto ト長調
[ 72年11月か12月 ミラノ ]
いわゆる「ミラノ四重奏曲」の第2曲。
父レオポルトは短調の第2楽章が聴衆に合わない難しい曲だとして気に入らず、書き直すように言ったという。
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K.157 弦楽四重奏曲 第4番 ハ長調
Quartet in C for violins, viola, violoncello
- Allegro ハ長調 ソナタ形式 4/4
- Andante ハ短調 ソナタ形式 3/8
- Presto ハ長調 ロンド形式 2/4
[ 72年末か73年初 ミラノ ]
ミラノ四重奏曲第3番。第2楽章アンダンテの指示は父による。
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K.158 弦楽四重奏曲 第5番 ヘ長調
Quartet (Divertimento) in F for 2 violins, viola and bass
- Allegro ヘ長調
- Andante un poco Allegretto イ短調 カノン風ソナタ形式
- Menuetto ヘ長調 トリオはヘ短調
[ 72年末か73年初 ミラノ ] ミラノ四重奏曲第4番。
第1楽章(アレグロの指示は父レオポルトによる)では第1ヴァイオリンによる主題をトゥッティが引き継ぎ、イタリア風の第2主題があり、
さらに結尾では独立した主題をヴィオラが受け持つという初めての試みがある。
全体に旋律は一つの声部のみで形成されることなく、複数の声部に分担されている。
一作ごとに進歩する足取りが見られる。
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K.159 弦楽四重奏曲 第6番 変ロ長調
Quartet in B flat for 2 violins, viola and bass
- Andante 変ロ長調
- Allegro ト短調
- Allegro grazioso 変ロ長調 ロンド形式
[ 73年初 ミラノ ]
ミラノ四重奏曲第5番。このシリーズ中唯一緩除楽章から始まる。
各楽章のテンポ指示は父レオポルトによる。
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K.159a (160) 弦楽四重奏曲 第7番 変ホ長調
Quartet in E flat for 2 violins, viola, violoncello
- Allegro 変ホ長調
- Un poco Adagio 変イ長調
- Presto 変ホ長調
[ 73年初 ミラノ、ザルツブルク ]
ミラノ四重奏曲第6番。このシリーズ第1曲に戻ったような感じ。
あるいは3つのディヴェルティメントK.136-138に近い。
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