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オーボエ・ファゴットのための曲集

オーボエ
とは「高い木管」という意味のフランス語「hautbois」から。 祖先は紀元前数千年にもさかのぼる。2枚のリードを震わせて音を出すものとして「チャルメラ」も同族。 リードは南フランス地中海地方沿岸のアシを材料に、演奏者が自分の好みに応じて仕上げる。 そのため演奏者の個性が一番現れる楽器。 その名称のように高く鋭い音から丸い柔らかい音まで表情豊か。

ファゴット
他方、木管で、高音のオーボエに対して、低音部を受け持つのはファゴット(バスーン)であり、イタリアとドイツではファゴット fagotto と呼び、フランスとイギリスではバスーン bassoon と呼ばれる。 前者の呼び名は「束にしたもの」という楽器の形に由来し、後者はフランス語の「低い音 basson」という意味による。 バロック時代から使われ、歯切れのよい調子と飛び跳ねるようなユーモラスな表情がこの楽器の特徴。 モーツァルトお気に入りの楽器。

作品

 

疑作 ・ 偽作

ファゴット協奏曲 K.196d (Anh.230) (偽作?)

  1. Allegro ヘ長調 4/4
  2. Andante moderato
  3. Allegretto

冒頭部分がブライトコップ&ヘルテル社の目録に残る。 1775年、ミュンヘン滞在中のモーツァルトは当地で、ファゴットの演奏に優れていたといわれるデュルニッツ男爵(Thaddäus Freiherr von Dürnitz, 1756-1807)のために3曲のファゴット協奏曲を書くはずだった。 その一つだろうと推測され、K.196dの番号で位置づけられた。 しかし西ベルリン国立図書館にあるパート譜には Dzy と書かれてあり、ギークリングは別人の作と見ていて、ダンツィ(Franz Ignaz Danzi, 1763-1826)ではないかという。 また、紛失したチェロ協奏曲 K.206a と関連があるとする説もある。

〔動画〕

ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.Anh.230a (Anh.C14.03)

  1. Allegro moderato
  2. Romance: Andante
  3. Rondo: Allegro moderato
K.Anh.230aはケッヘル第3版の番号。 フランソワ・ドゥヴィエンヌ François Devienne の作といわれている。

〔動画〕


〔参考文献〕


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2016/06/05
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