>サシャ
あぁ、これか?<反則臭い
(背中に背負ったバックパックから、左手の手甲型端末にコードが何本も伸びている)
Gateportにある次元制御装置の小型版だ。
まぁ…安定性も出力もあれに比べれば微々たるものだから
同一空間の別座標に繋げるのがやっとだな。
…次元越えるのはこんなもんじゃ無理無理…
失敗すれば永遠に混沌をさまよう事になるし、かろうじて辿り着けたとしても無事では済むまい。
…只でさえ最近不安定で困っているというのに…(苦笑)
>ミチアキ
…すまん……
(コーヒーをうけとるとコンデンスミルクたっぷり入れてかき混ぜる)
……あとちょっとでコーティング用の皮膚組織が揃うんだったんだが…
菊一文字のメインフレームいじってるうちにすっかり腐敗してしまうとは……
やっぱり遺伝子レベルで歪みがきてるのかもしれんな。
サンプルから採取しなおさんと………
>ルリア
ん? …あぁ、先日ラウンジで鋭雪と話してた娘か。
確か…Terra製だったな?
免疫システムとか造血のあたりはどうなってる?
…もし設計図何かの資料があれば見せてもらいたいのだが…
……管理がめんどくさいのに懲りたとは言え……やはり生み出したものには責任とらねばならんし…
>鋭雪
…って訳で、まだしばらくかかりそうだ。<左手のコーティング
しばらくはコイツで我慢してくれ。
(銀の鋲が幾つか埋め込まれた合皮製のグラブを手渡す。
内側にはスタッドレスタイヤみたいなゴムで滑り止めがして或る)
あぁ、それから…後でラボな。
皮膚組織だけじゃなく、骨髄液と胸腺の組織も必要だし……
……ん?(端末のモニターに目を止める)
何だ? この数値は………
また空間が歪んでるなぁ………(嘆息)
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