はるばるや 岬にひびく法の声

  ほとけの慈悲の桜寺なる

清隆寺について

 当寺は日本最東端の密教寺院という通り、北海道根室市にある真言宗智山派に所属する寺院です。根室は海を隔てて国後島、択捉島、歯舞、色丹、の北方領土に連なる水産都市。真言宗寺院の設立を願う開拓移住の人々の願いを受け、明治25年9月、京都の本山、智積院より開教の命を受けた北海道巡教師細川卓静が着任したことをもって、清隆寺の創立とされています。

卓静は兄弟子久志卓動とともに、一ヵ月半かけ東京から徒歩と船で旭川に到着、そこで卓動と別れ、さらに一ヵ月半かけて徒歩で、野宿もしながら難行の末根室に到着したのでした。

 明治30年3月、清隆寺と公称、大正14年11月、現在の本堂を完成しました 本尊不動明王、弘法大師、興教大師像は明治27年、時の真言宗長者高志僧正が開眼供養し、当寺に下付したものです。また、阿弥陀如来像は東大寺別当公慶が元禄13年に開眼したもの、地蔵菩薩像は天平時代の作と伝えられます。

 千島桜で有名な当寺には、北海道33観音北海道36不動霊場の札所として毎年多くの人々が巡拝におとづれています。