介護報酬の仮単価及びそれを踏まえた平均利用額について

A 仮単価設定の基本的考え方

事業者の事業参入の検討、市町村における給付費の見込みの検討等の関係者の準備に資するために、厚生省の責任において公表するものであり、今後の関係審議会の議論等により、変更がありうるものである。

7月26日の医療保険福祉審議会介護給付費部会の介護報酬の骨格のとりまとめを踏まえ、そのうちの主な報酬の仮単価を示すものである。その際、各サービス間、特に医療系サービスと福祉系サービス間の整合性にも配慮しつつ設定したものである。

原則として、現行の診療報酬、措置費等の単価を前提に、要介護度別等に仮単価を設定したものである。(なお、措置費を前提としているものについては、人事院勧告による11年度の改定分を見込んでいる。)
ただし、訪問系サービスについては、事業者の参入を確保する観点等から政策的配慮を行い、仮単価を設定しているものがある。

併せて公表する平均利用額は、市町村における給付見込みの検討に資するため、仮単価を基に在宅サービスの要介護度別の平均利用額及び介護保険施設の平均利用額を示すものである。


B 各サービスにおける仮単価

 1 在宅サービス

 (1)訪問・通所系
 1点あたりの単価10円を基本とし、各地域における格差を国家公務員の調整手当の比率をもとにした措置費における人件費での地域差の比率や診療報酬における入院環境料と地域加算との比率等を参考に設定する。(以下同じ)
 各地域の1点あたり仮単価は、訪問・通所系サービスの人件費・減価償却費の費用を総費用の約8割と見込んだ場合、
  乙 地( 3/100) 1点=10.24円   甲 地      ( 6/100) 1点=10.48円
  特甲地(10/100) 1点=10.80円    特別区(東京23区)(12/100) 1点=10.96円
となる。
  (なお、具体的地域区分等については客観的指標等をもとに、今後更に検討を加えることとしている。)

  @訪問介護
   ア 身体介護
 30分未満 210点
 30分以上1時間未満 402点
 1時間以上1時間30分未満 584点
 1時間半以上(30分増すごとに) 219点

  イ 家事援助
 30分以上1時間未満 153点
 1時間以上1時間30分未満 222点
 1時間半以上(30分増すごとに) 83点

早朝・夜間帯は所定点数の25%、深夜帯は所定点数の50%を加算(現行制度並び)
訪問介護養成研修3級課程修了者による身体介護のサービス提供については、所定点数に一定割合を乗じて減額
離島等に該当する地域における事業所については所定点数の15%を加算

   <仮単価の考え方>
経常事務費、減価償却費等の間接経費や移動時間等を勘案して引上げ
サービス提供時間は、30分未満については25分程度、30分以上1時間未満については50分程度、1時間以上1時間30分未満については80分程度を基本に、短時間の場合は移動コストを考慮して設定

  A訪問入浴介護

   訪問入浴介護           1,250点

   *離島等に該当する地域における事業所については所定点数の15%を加算

   <仮単価の考え方>
 ○現行の地方自治体等の委託実態等を参考に設定


 B訪問看護
  ア 医療機関からの場合
  30分未満            343点
  30分以上1時間未満       550点
  1時間以上1時間半まで      845点

イ 指定訪問看護ステーションからの場合
  30分未満 425点
  30分以上1時間未満       830点
  1時間以上1時間半まで     1,199点

 *准看護婦については90/100の点数で算定
訪問介護サービスと同様、早朝・夜間は所定点数の25%、深夜は所定点数の50%の加算
   *離島等に該当する地域における事業所については所定点数の15%を加算

   <仮単価の考え方>
訪問介護と同様に、サービス提供に係る交通費等を勘案して設定
平均的なサービス提供時間をもとに時間区分を設定

 C訪問リハビリテーション
 
   訪問リハビリテーション   550点
   <仮単価の考え方>
   ○訪問看護と同様に、サービス提供に係る交通費を勘案して設定


  D通所介護

  ア 併設型通所介護費
   4時間以上6時間未満
要支援 391点
要介護1、2 482点
要介護3〜5 643点

  イ 痴呆専用併設型通所介護費
  4時間以上6時間未満
要支援 519点
要介護1、2 642点
要介護3〜5 859点

食事加算 39点
送迎加算 (片道) 62点
入浴加算  介助浴 31点
特別浴 52点

   <仮単価の考え方>
一般型の利用者15名(現行B型を標準)、痴呆専用型の利用者10人未満(現行E型を標準)を基本とし、現行の予算単価をもとに、通所介護における要介護度分布や年間の利用変動等を考慮して設定

   E通所リハビリテーション

  老人保健施設における通所リハビリテーション
 4時間以上6時間未満
   要支援 483点
要介護1、2 546点
要介護3〜5 679点
 
食事加算 39点
送迎加算(片道) 62点
入浴加算  介助浴 31点
特別浴 52点

  <仮単価の考え方>
現行の日帰りリハビリの療養費の額をもとに、日帰りリハビリテーションの要介護度分布を考慮し設定。

 (2)短期入所系
 各地域における短期入所系の1点あたりの単価は、介護保険施設と同様にサービスの人件費・減価償却費の費用を総費用の約5割と見込んだ場合、
   乙 地( 3/100) 1点=10.15円    甲 地( 6/100) 1点=10.30円
   特甲地(10/100) 1点=10.50円    特別区(12/100) 1点=10.60円
となる。
(なお、具体的地域区分等については客観的指標等をもとに、今後更に検討を加えることとしている。)

 @短期入所生活介護

  併設型短期入所生活介護 (1日あたり)
    (要介護者等:介護・看護職員 = 3:1)
要支援 835点
要介護1 958点
要介護2 1,005点
要介護3 1,051点
要介護4 1,098点
要介護5 1,144点

  <仮単価の考え方>
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)と同様のサービスを提供することを前提とし、施設の1日あたりの仮単価に、食事相当費用(食材料費相当分は除く。)及び施設における入所初期加算分を加味して設定

A短期入所療養介護

  老人保健施設型(1日あたり)
要支援 977点
要介護1 1,011点
要介護2 1,059点
要介護3 1,108点
要介護4 1,157点
要介護5 1,206点

  <仮単価の考え方>
介護老人保健施設(老人保健施設)と同様のサービスを提供することを前提とし、施設の1日あたりの仮単価に、食事相当費用(食材料費相当分は除く。)及び施設における入所初期加算分を加味して設定

 (3)その他(単品サービス等)

@特定施設入所者生活介護(1日あたり)
要支援   239点
要介護1 550点
要介護2 617点
要介護3 684点
要介護4 750点
要介護5 817点

<仮単価の考え方>
○人員基準は要介護3:1、要支援10:1として算出
○特別養護老人ホームの介護職員、看護職員等の直接処遇職員の人件費等を参考に算出

  A痴呆対応型共同生活介護(1日あたり)
      要介護1 749点
要介護2  772点
要介護3  794点
要介護4  817点
要介護5  839点

  <仮単価の考え方>
    ○定員9名を標準とし、現行の予算単価をもとに昼間帯の職員体制の実態等を勘案して設定

 2 居宅介護サービス計画費(1月あたり)
   
      要支援 650点
要介護1、2  720点
要介護3〜5  840点

離島等に該当する地域における事業所については所定点数の15%を加算

  <仮単価の考え方>
在宅介護支援センターの費用を参考に、人件費のほか利用者・関係機関への訪問旅費、通信連絡費等を勘案して設定

3 住宅改修費
  
  支給限度額   20万円

  <仮単価の考え方>
基本的な「手すりの取付け」及び「床段差の解消」の2つを組み合わせた住宅改修を想定


4 施設サービス
 各地域における施設サービスの1点あたりの単価は、施設サービスの人件費・減価償却費の費用を総費用の約5割と見込み、
 乙 地( 3/100) 1点=10.15円    甲 地( 6/100) 1点=10.30円
 特甲地(10/100) 1点=10.50円    特別区(12/100) 1点=10.60円
となる。
(なお、具体的地域区分等については客観的指標等をもとに、今後更に検討を加えることとしている。)

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

   ア 介護福祉施設サービス費
要介護者:介護・看護職員=3:1の施設(1日あたり)
要介護1 812点   +基本食事サービス費
要介護2 859点   +基本食事サービス費
要介護3 905点   +基本食事サービス費
要介護4 952点   +基本食事サービス費
要介護5  998点   +基本食事サービス費

  イ 旧措置介護福祉施設サービス費
要介護者:介護・看護職員=3:1の施設(1日あたり)
要支援等・要介護1 812点   +基本食事サービス費
要介護2・要介護3 889点   +基本食事サービス費
要介護4・要介護5 966点   +基本食事サービス費

  <仮単価の考え方>
  ○現行の措置費をもとに、施設の利用状況や実態等を踏まえ設定

(2)介護老人保健施設 (老人保健施設)

要介護者:看護・介護職員=3:1の施設(1日あたり)
要介護1 881点    +基本食事サービス費
要介護2 932点 +基本食事サービス費
要介護3 982点 +基本食事サービス費
要介護4 1,033点 +基本食事サービス費
要介護5 1,083点 +基本食事サービス費

  <仮単価の考え方>
○現行の施設療養費をもとに設定

 (3)介護療養施設(療養型病床群)

要介護者:看護職員=6:1、要介護者:介護職員=4:1の病院の療養型病床群(1日あたり)
要介護1 1,142点      +基本食事サービス費
要介護2 1,181点      +基本食事サービス費
要介護3 1,220点      +基本食事サービス費
要介護4 1,260点      +基本食事サービス費
要介護5 1,299点      +基本食事サービス費

  <仮単価の考え方>
○現行の診療報酬の単価をもとに、6ヶ月以上の入院患者の平均的費用等を踏まえ設定

 5 基本食事サービス費

基本食事サービス費(1日あたり)            2,120円
管理栄養士による管理や適時適温ができていない場合   200円減額
栄養士がいない等の場合                600円減額

   <仮単価の考え方>
    ○現行の診療報酬における入院時食事療養費の単価を踏まえ設定

C 平均利用額

 1 在宅サービス(月額)
要支援        6.4万円
要介護1      17.0万円
要介護2      20.1万円
要介護3      27.4万円
要介護4      31.3万円
要介護5      36.8万円

  <平均利用額の考え方>
サービスの標準的な利用例を前提に、一般的な利用形態や効率的な利用という観点を踏まえ、仮単価を代入したもの。
なお、短期入所は6月間に各月平均的に利用するものとして織り込んでいる。

 2 施設サービス(月額)
特別養護老人ホーム     32.5万円
老人保健施設        35.4万円
療養型病床群等       43.1万円

特別養護老人ホームは、仮単価を基本に、介護・看護職員配置の実態や見込まれる加算等を勘案して設定。
老人保健施設は、仮単価を基本に、見込まれる加算や食事の費用等を勘案して設定。
療養型病床群は、仮単価を基本に、療養型病床群の各類型、介護力強化病院を加重平均することにより設定。

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