密 教 占 星 法 と は?

あなたはあの有名な源氏物語が密教占星法と密接な関係があるということをご存じでしょうか?詳しくは大久保健治著<密教占星法と源氏物語>河出書房刊をお読みいただくとして、簡単に説明いたしましょう。

 インドに起源を発し、1200年以上の歴史をもつ密教占星法は<宿曜経>というお経をもとにして行われるところから、宿曜ともいわれます。そこには、バビロニア、インド、中国の天文学とそれを土台とした占星法の融合がみられます。左の写真は<宿曜経>の一部です。

<宿曜経>の漢訳は759年に密教の相承者、不空三蔵によって行われ、中国で最も優れた密教の師匠であった恵果阿闍梨<けいかあじゃり>から密教のすべてを授かった弘法大師空海が最初に平安時代に日本にもたらしました。<宿曜経>は今でも、密教寺院において行われる星祭において、本命宮を通して個人の幸福を祈願する際、その人の本命宮を決定する基準としてもちいられます。占う個人の誕生時における日月と五惑星の十二宮における位置を暦から割り出し、ホロスコープを作成します。

生きながら仏の悟りを得ようと厳しい修行に励む密教の本質に違わず、積極的に運命を切り開こうとする占星法なのです。