このページでは、ふだんあまり良く見ることのない、お寺のあちらこちらを探検してみましょう。きっと面白い新たな発見があるでしょう。
お寺の本堂に入って、視線を少し高くすると、内陣と外陣の境目に欄間(らんま)が見えるでしょう。普通の家の欄間より少しゴージャス、派手めのやつですが。
金箔をほどこしてあるのやら、白木彫りのままのやらいろいろですが、多いのは、このように楽器を持った天人、あるいは蓮華、また、お経の中の一場面を描いているものです。天人とは、仏の働きを喜び、天楽を奏し、天華をふらせ、天香を薫じて、虚空を飛行する存在で、多くは飾りをなびかせて空を飛ぶ姿であるから、飛天ともいい、インド以来仏教の荘厳に用いられてきました。
内陣には天蓋がつるされています。インドのように暑いところの太陽の光線は耐え難いものがあるので、仏陀に敬意を表する意味でも傘は不可欠でした。宝蓋(ほうがい)とも呼ばれる仏天蓋はインド以来仏像、仏塔のあるところにかかげられてきました。法隆寺の天人、鳳おうを飾った角型のものが有名です。人天蓋も形状、材質大きさなどは違いますが、本来の意味するところは同じです。