千島桜は根室市の木になっていますが、そのなかでも清隆寺境内にあるチシマザクラはとくに有名です。毎年、開花の時期<5月下旬〜6月上旬>には新聞やテレビで報道され、全国からの多くの花見の人々でにぎわいます。なかでも、大きさ、形でこの種日本で唯一といわれる桜は、高さ3メートル弱、枝張りの直径7メートルのもので、樹齢130年程といわれています。この桜は明治2年田中文七氏が国後島よりもち帰って育てていたものを、明治36年当寺へ馬車に積んで移転したものです。この桜は北海道銘木記念樹に指定されています。
千島桜Prunus Kurilensis Miyabeは故宮部金吾博士の命名によります。エトロフ桜ともいわれ、みね桜の変種とされ、樺太、千島、北海道の高山に自生します。特徴は葉、花軸に毛茸があること、花が白色で、葉に先だって開花し、花の芳香は桜の中で最も強いことです。