<入り口の石段>根室市西和田の長節湖にある33観音霊場は沼の周囲4、5キロに等身大の石仏を配したものです。この霊場は本城寺住職、本城文雄師の発願で昭和6年ごろ創設されました。この本城寺は昭和14、5年ごろ廃寺となりましたが、その後、長節観音保存会がつくられ現在に至っています。周辺に貴重な植物や野鳥も多く、多くの家族連れや、巡拝者がおとづれます。このページでは毎回1番から33 番までの紹介をいたします。
これは入り口左手にある番外の不動明王像です。様々な誘惑や困難にくじけそうになる私たちを怒りの姿と手に持つ剣と索<獲物を捕まえる縄>ではげますほとけです。明王とは明<呪>を唱えて祈った時の効験が大きいということを意味します。不動明王は特にその明王の中心的なほとけとして信仰を集めてきました。インド名はアチャラ、真言はノウマクサマンダバザラダン、センダマカロシャダソハタヤ、ウンタラタカンマンと唱えます。
番外には9体のほとけさんがまつられています。観音像が5体、釈迦、阿弥陀、地蔵像、それに真言宗の開祖、弘法大師空海像です。それらを見てみましょう。
これは番外釈迦如来像です。仏教の祖お釈迦さまは紀元前500年頃、現在のインドとネパールの境付近でシャカ族の王子として生まれました。35才に悟りを得て、その後80才で入滅するまでの45年間多くの人々に対し、自らが得た教えを説いて歩きました。
この像の右手は施無畏印、左手は与願印といい、人々の不安を取り除き、幸福になりたいという願をかなえる慈悲の思想を表わしています。真言はノウマクサマンダボダナンハクです。
右側は番外阿弥陀如来像です。無量寿仏、無量光仏とも言います。西方極楽浄土の教主と言われます。密教系寺院では座った像で手をこのように定印にする像が多いですが、浄土系寺院では立像で右手を施無畏印、左手を与願印にする像が多くなります。真言はオンアミリタ、テイセイカラウンです。左の観音像は番外坂東33観音の第一番観音像を模したものと言われます。
これは上の場所を右側からみたところです。左はしが阿弥陀仏、真ん中は番外で秩父33観音の第一番を模したものと言われます。
右側も番外観音像です。
下の写真の左は番外観音。下右の写真の左は番外地蔵像です。地蔵菩薩の名前は大地の様に忍耐強く、安定し、静慮深さを秘め、万物を育成することによる。右手に錫杖(しゃくじょう)、左手に宝珠を持つ。特に、六道(地獄、畜生、天等)の人々を救済するとされる。真言はオン、カカカビ、サンマエイ、ソワカ。真ん中は第一番の如意輪観音像。手に蓮華の他に如意宝珠を持っています。真言はオン、ハンドマ、シンダマニ、ジンバラ、ウンです。左には真言宗の開祖、弘法大師空海像がまつられています。ご宝号はナムダイシヘンジョウコンゴウです。<次回につづく>