未払い金求め提訴 武富士元社員8人(東京新聞報道)



 東京新聞11月17日付けは、次のような記事を掲載している。

未払い金求め提訴 武富士元社員8人

 大手消費者金融「武富士」の元社員8人が16日、静岡県伊東支店で起きた不正を発見できなかったことなどを理由に、退職を強要されたのは不当として、同社を相手に、減額された退職金など合計約8,300万円の支払を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 同社をめぐっては、盗聴事件で電気通信事業法違反などの罪に問われた前会長武井保雄被告(74歳)に対する判決が17日に同地裁で言い渡される。

 訴えによると、元社員は、全国の支店に出向いて運営や貸し付けの状況についてチェックする「臨店」と呼ばれる業務を行う本社の検査室などに勤務。しかし、同支店で架空貸し付けが行われていた2001年から02年にたけて同支店に臨店しながら、不正を発見できなかったとして、一般職に降格されたり減給処分を受けた。

 さらに、一人一人呼び出され「このままだと懲戒解雇だが、自分で辞めるなら諭旨解雇にしてやる」などと脅され、退職届けをやむなく出した。

 元社員らは、不正発覚後、元支店長宅の盗聴など違法汝行為もさせられたとして、慰謝料も請求。同支店の不正貸し付けは支店ぐるみで通常の検査では発見できないもので、退職強要はみせしめだと主張している。


武富士広報部の話
まだ訴状が届いていないので、コメントできない。




感想

 伊東支店の不正では支店長が、横領という刑事事件となり処罰されたという。

 伊東支店の支店長は、なんとかしてノルマを達成したいと頑張った結果、不正請求を行ったと報道されていた。

 過酷なノルマの中で、一生懸命働いて「刑事被告人」となった人も、人生を狂わされたことになると思う。

 不正を行う人は、不正が発覚しないようにと懸命に努力すると思われるから、それを検査で発見するということは、さらに、困難があると思う。

 不正を発見できなかったということで、その検査担当者が、会社を辞めざるを得なくなった。検査室というと、相当勤務年数も長く、業務に精通している人だと思う。きっと、それらの人には、家族もおられると思う。

 一生懸命働いて、ある日、突然、辞めさせられたということは、それら家族の人にとっては、まさに青天の霹靂、どんな思いだったのだろうか。

 一生懸命働いたことに対して、正当に評価されるということが、働く人達の働く意欲を持てる最も重要なことだと思う。

 武富士の内部には、「コンプライアンス体制」が確立したとされている。このような悲劇が起こらないように、働く人達が意思表示できる、自分の意見が言える体制が確立しているのだろうか。