最初は「否認」今度は「和解申し入れ」



 武富士の元支店長で、盗聴されたことによる損害賠償請求を提起している藤井さんに対して、最初は「盗聴自体も否認」との答弁をしていた武富士は、平成16年3月16日、法廷で「謝罪し和解したい」と述べたとの報道があった。

武富士側が和解の意向 元支店長盗聴「謝りたい」

2004.03.16 共同通信 (全470字)

 消費者金融最大手「武富士」丸亀支店(香川県丸亀市)の元支店長藤井龍さん(33)=広島県福山市=が退社後に電話を盗聴され、精神的な苦痛を受けたなどとして、同社に三千三百万円の損害賠償を求めた訴訟の第二回口頭弁論が十六日、広島地裁(能勢顕男裁判長)で開かれ、武富士側は「襟を正したい」と和解の意向を示した。

 武富士側は前会長武井保雄被告(74)=電気通信事業法違反罪で公判中=らの盗聴事件に触れ「会社自体が不祥事を起こし、謝るべきところは謝りたい。できる限り和解を望む」と述べた。

 武富士側は既に原告らに対する会社ぐるみの盗聴活動を認めている。

 閉廷後、原告側の弁護士は和解について「協議して検討したい」と話した。

 訴状によると、藤井さんは丸亀支店長当時の二○○○年三月、支店を訪れた本社の社員に殴られ、けがをしたことをきっかけに退社。同年七月に社員が香川県警に逮捕された後、武富士側は藤井さんの実家の電話を盗聴するなどしたという。

 藤井さんは武井被告と二男の健晃専務(34)に対しても損害賠償を求め、広島地裁に追加提訴している。

共同通信社