武富士と木村晋介弁護士の意外な接点・No.2!
ここに、武富士社内報「竹の子」No.170がある。
表紙には、「 平成十年全国支店長会議特集号」と書かれている。
代表取締役会長武井保雄氏の挨拶の表題は、「俺も貴女もやれば出来る、出来ない事は絶対にない。何故なら世界一の消費者金融武富士の選ばれた支店長だから。」となっている。
その中に次のような一節がある。
消費者金融の崩壊 今の消費者金融業界の在り方について、私は最大の危機感を抱いています。まさに、業界を衰退させるような事が現実に起こっているからです。それは、200万円、300万円という大口の融資をし、囲い込みを図っている同業他社があるという事です。当業界は、過去幾度となく厳しい局面に立たせられてきました。その度に、必ず大きな批判の対象となったのが、過剰融資と暴力的取り立ての問題です。武富士は、大蔵省の「50万円、又は年収の10パーセント、最高100万円まで」という通達を守り続けておりますが、これを破って100万円の過剰融資をしているところがあるということです。
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ところで、この冊子に、木村晋介弁護士の次のような講演の記事が掲載されている。
貸し手責任、借り手責任、今 消費者金融のなすべきこと この業界とのおつきあいがはじまったのは、昭和50年で、当時は、消費者金融に対しての法的コントロールがありませんでした。そして、昭和58年に貸金業の規制に関する法律が制定され、時代は、ずいぶんと変化しました。金利の上限は、40・004パーセントに設定されましたが、過剰融資による破産が増え、今年は、おそらく10万を越すだろうと見られています。 では、過剰融資とは、一体誰の責任なんでしょうか。貸す側でしょうか。借りた側でしょうか。基本的に考えれば、お金の貸し借りの結果プラスになるかマイナスになるかというのは、借りた方の自己責任になるわけですが、過剰融資となると、貸主にとっても借り主にとっても自業自得になるのです。借り主の自業自得は、「自己破産」、貸主の自業自得は、「未回収」となるわけです。 ところが、実際には自業自得だけでは済まない問題もでてきます。自分だけではなく、周囲の人に問題が広がることがあるのです。これが、消費者金融問題の大事なところです。多重債務という問題を放っておくと、社会不安が出てくるのです。まず、借りている方の家族に波及します。そして、保証人になった職場の人や友人に問題が波及します。これが、本人以外の自殺や心中に結びついたり、あるいは事件に発展する場合もあります。 では、波及効果が出た後にどうなるのでしょうか。それは、この業界の企業イメージにつながるのです。そこで、我が業界として我が企業としてこれだけの努力をしているんだということをはっきり示していくことが一番大事なことだと思います。(以下略)
弁護士 昭和20年生 木村晋介法律事務所所長 (社)日本消費生活アドバイザーコンサルタント協会理事・日本カンボジア法律家の会代表・消費者問題・環境問題・プライバシー問題などに深く関わる。著作やテレビ・ラジオ出演など幅広く活動。 著書は、「キムラ弁護士が駆けてゆく」など。
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