「司法記者クラブの会見に武富士広報部員無断侵入」に
司法記者クラブが厳重抗議!



 武富士に対する抗議について次のようなメールがきた。

 武富士社員が同社を批判している元幹部の代理人(弁護士)の記者会見に無断侵入していた事件の続報です。司法記者クラブが武富士に厳重抗議しました。

 当然のこととはいえ、報道の自由を守るための毅然とした措置を高く評価したいと思います。

 司法記者クラブ幹事社・共同通信社会部次長によれば、22日夕方、無断で侵入された会見の主催者である司法記者クラブは緊急に加盟各社の総会を開き、武富士への厳重抗議を決定。すぐに同社広報に抗議しました。抗議先が広報になったのは、侵入していた社員が広報部員だったためです。

 広報は「申し訳なかった」と謝罪、クラブ側が二度としないことを要求したところ了承。「繰り返したら、より厳重に対処せざるを得ない」と通告したとのことです。

 また抗議された武富士広報部の石原勝一郎広報部長は、筆者の取材に対しこう釈明しています。

「弁護士が会見を開いているというので、広報部員に聞きに行かせた。加盟社限定の場ではなくフリーライターなども大勢入っていて問題はないと認識していたが、そこに行き違いがあった。騒ぎになったことは申し訳ないというか遺憾だが、(当社社員だけ追及されたのは)割り切れない感じもある。圧力をかけて言いたいことを言えなくしようといった意図は全くなく、他意のない情報収集をしていただけだ」

 武富士の社員侵入はフリーライターの取材とはまったく意味が違います。同社は内部告発者およびその代理人と対立関係にあり、そうした者が記者会見の場で身元を隠して「情報収集」すること自体が記者会見にそぐわず、発表および取材の自由を脅かします。

 今回の一件は、盗聴疑惑、批判報道に対する相次ぐ高額損害賠償請求訴訟と共に、同社の「批判を受け付けない体質」を垣間見せたといえます。