自分の債務の支払が月12万円以上の多重債務者にも息子の借金の支払約束!

約束日 平成14年10月30日!



  A子さんは、武富士から、平成元年以前からお金を借りて懸命に約定返済をしていた。平成14年10月当時、次のような債務を負担していた。

1武富士517,168円
2アイフル451,826円
3新洋信販452,795円
4ディックファイナンス747,674円
5アコム300,000円
6サンエイファイナンス300,000円
7日本ファンド290,240円
8釧路日商連100,000円
9ニッセン・ジー・イークレジット103,731円
10大地みらい信用金庫 91,607円
11セントラル(保証分)310,000円
合  計3,665,041円

 A子さんは、先夫との間に息子がいた。息子は、月収15万円前後だったようだが、A子さんに『内緒』でサラ金から金を借りていたらしい。武富士からの電話でそのことを知り、何回か支払ったことがあったが、勤務先の社長が、全額を支払うだけのお金を出してくれたことから、一旦、息子の借金は全額返済された。

 ところが、その後、また、息子は、サラ金から金を借りたらしい。

 またまた、A子さんのところに、武富士から電話がくるようになった。そのうち、息子は行方不明となった。

 A子さんは、以前は働いていたが、平成14年後半は、働いていなかった。

 それでも、武富士から電話がきた。明確に払ってくれとは言われなかったというが、払わないと「こわい」というふうに思ったという。

 そして、武富士との間で、次のような第三者払の合意書を取りかわした。

武富士に支払う合計額864,000円
毎月の返済額16,000円


疑問

1.
 A子さんは、自分の債務のサラ金への返済額が月12万円、クレジット関係の債務を入れると、15万円以上の支払があった。

 武富士は、少なくとも、消費者金融会社からの借入は把握しているはずであり、毎月の返済額が12万円以上であったことはわかっていた。

 武富士は、支払義務のない第三者からの支払の申し出があったとしても、それが、社会的に妥当な場合のみ、その申し出を受けると公にしている。

 A子さんは、武富士から借りた当時は母子家庭であったが、平成14年は「主婦」で働いていなかった。このような母親に対して、再三督促の電話を入れて、前述のような多額の支払の約束をするというのは、極めて疑問である。

2.
 年収200万円にも満たないA子さんの息子に、なぜ、武富士は、このように多額の金員を貸したのだろうか。多分、一度、勤務先の社長が全額返済するためのお金を出したからだろうが、明らかな過剰融資であると考えるのは、私だけだろうか。

3.
 武富士は、顧客の情報の開示についてどのような基準を設けているのだろうか。


 平成14年10月30日というのは、武富士の法律上支払義務のない第三者への支払請求が問題となっていた時期である。

 武富士は、あいかわらず、巧妙に、このような形で、法律上支払義務のない第三者からの支払を受け入れているのだろうか。