武富士初の営業停止
守口支店 調停無視、違法取り立て
関東財務局
赤旗(15年8月3日付)は、このような見出しで、次のような報道をしている。
財務省関東財務局は、1日、サラ金大手、武富士の守口支店が顧客に対し違法な取り立てを行っていたとして、貸金業規制法違反で同支店を2〜16日の15日間、営業停止処分としました。同社の業務については、同局に債務者らから違法取り立てなどの理由で営業停止処分の申立てが相次いでいましたが、実際に財務局から処分を受けたのは、初めてのことです。 財務局は、昨年11月から今年3月末まで同社に立入検査を実施。その結果、2000年4月に守口支店の社員が顧客から借金返済の調停を申立てたことを知りながら、取り立てを繰り返して一部の支払を受けていたことが判りました。財務局は、「取り立てにあたり、私生活の平穏を害するような言動で困惑させてはならない」と規定している貸金業規制法に違反すると判断しました。 武富士は、7月下旬、関連社員らを降格し、一定期間の出勤停止処分としました。指摘された行為は、同年6月の社内検査でも判明していました。(以下略) |
武富士が行政処分を受けたことについて、業界の声として、次のような意見が表明されている。
消費者金融雑学という サイトに出ている武富士行政処分に関する管理人の意見 さすがに武富士は「(そういう違反が)会社ぐるみではない」という見解をだしておりますが、そもそも内部管理体制云々というよりは、もう長年の社風というか文化の問題なのかもしれません。ただ「法律を守れ」と言った所で、評価体系とか処遇とか会社のビジョンとか「構造的なもの」を変えて行かないことには社員の意識も会社の方向も変わる訳がありません。 1店舗だけの処分で、他にも不適切な部分があるよっていう財務局の姿勢は、ある意味同社に対する最後通告みたいなものでしょう。 投資市場とかでも最近の同社に関するネタにはネガティブな目で見ている向きも多く、マジで気合いれて改善していかないと、生き残っていくことすらおぼつかなくなる可能性だって否定できません。なまじ業界最大手と言われるだけに、武富士のリスクは業界全体のリスクです。(管理人) |
感想
遂に、武富士が行政処分を受けたということに、感慨深いものがある。すでに、多重債務に陥っている母親に対して、息子の借金を支払うよう請求したとして、民事訴訟を提起している訴訟において、武富士は、次のような意見を述べている。
「原告(母親)は一貫してA男(次男)を資金的に援助する立場にたっており、A男の債務返済に協力することは原告にとって極めて自然な行動である。原告には、自分に支払義務があると誤信しなくてもA男分の債務を返済する十分な動機がある。原告の主張によれば、原告は、被告(武富士)から借入をした資金全額をA男に使用させていたということである。そして、A男が約束を違えて、その借入の返済資金を渡して来なかったにもかかわらず、被告に返済を続けていたという。A男に対する資金的援助の延長として、原告がA男分の返済を立て替えて、A男を資金的に援助することは自然な行為といえる。」 |
母親は、息子が、武富士からお金を借りていることを知らなかった。
武富士は、息子に金を貸すときには、親に『内緒』ということで金を貸していた。
どのようなことから、母親が、息子が武富士から借金をしていることを知ったのだろうか。
母親は、息子に頼まれて、武富士から金を借りた。息子は、自分が責任をもって支払うと、母親に約束したが、すでに、多重債務者となっていた息子は、母親名義の支払をしなかった。そのため、母親は、自分名義で、武富士から借りた支払をした。 母親が、自分名義での借入分について支払うことと、息子が息子名義で借りている債務の支払をすることが、「なぜ、母親にとって自然な行為なのだろうか?」
このような武富士の理屈からすると、家族たるもの、家族の借金の支払を援助することが自然な行為となってしまうのではなかろうか。
この母親は、息子に頼まれて、自分名義で借り入れたサラ金の債務だけでも、毎月10万円近い支払をせねばならない状況にあった。そのことは、勿論、武富士は、熟知していた。母親は、長男の仕事を手伝っていたが、自分でもパートで働いていた。
自分が働くパートの収入の殆どは、息子から頼まれて借り入れていたサラ金への支払と、息子が自動車を購入するときに連帯保証人となっていたクレジットへの支払に消えてしまっていた。到底、息子の借金まで支払う余力はない状況にあった。