夕刊フジで「クレサラ騒動の内幕」報道!

木村晋介弁護士は、「財務局に行政処分の申立てをした3件について、いずれも第三者請求にはあたらない!」と断言



 私は、夕刊フジが大下英治氏の署名入り報道で「正義という名のビジネス!?」「クレサラ騒動の内幕」なる連載を行っていることを知った。

 夕刊フジというのは、田舎に住んでいる私には、入手できない新聞なのだ。

 その中で、木村晋介弁護士が、今年4月、財務局に行政処分の申立てをした3件につき、「第三者請求に当たらない」と断言しているという。

 木村弁護士は、どのような資料で、そのように断言するのだろうか。

 私が、直接、担当した相談なので、その詳細を紹介したい。



事例1

 函館で働いてたA男は、未成年の時に、母親に『内緒』で、武富士からお金を借りた。最初は、20万円であったが、枠が増えたなどと言われて増額をし、50万円まで借りていた。懸命に支払っていたが、仕事が変るなどして約定返済が困難になったところ、武富士は500キロ以上も離れたところに住んでいるA男の母親のところに電話をして支払ってもらわなければならないと言われたという。

 A男が、弁護士会の法律相談にきた時、最も怒っていたのは、母親には『内緒』ということで借りた。母親には知られたくなかったのに、母親に借金のことをばらして、母親に支払いさせたということだった。

 A男の母親は、パートで働いていたが、母親も、武富士からお金を借りていたという。

 この事例の場合、母親はパートで働き、ようやく生活している状況にあるし、自分も武富士以外のサラリーマン金融会社からお金借りている状況にあり、自分の支払だけでも困難な状況にあるにもかかわらず息子の分まで支払わされていた。

 武富士が、どのような調査して、関東財務局に報告書をあげ、木村弁護士に説明したかわからないが、「誰にも知られず簡単に」「あなたの秘密を守ります」と顧客に約束して、お金を融資しているにもかかわらず、約定返済が困難になった場合に、親族にそのことをばらし、母親自身もサラ金から金を借りて困難な状況にあるにもかかわらず、息子の分まで支払わせてたのである。

 これが第三者請求でなくて、なんなのだろうか。

 元々、息子が借金をしていることも知らない母親が、誰にも言われず、息子の分を支払わせてほしいと、武富士に頼んだとでもいうのであろうか。



事例2

 平成13年12月に、武富士から行方不明の弟の借金を支払ってほしいと言われて、これが最後ですから、と言われて21,000円を支払ったBさんに対して、3月7日、8日と二日かんにわたって、「2000円でも3000円でもいいんです」「決算期だけしかこういうこはできないんです。」「お願いします」「助けてください」としつこく言ったという事例である。

 木村晋介弁護士は、「お願いしているだけなので、第三者請求にはあたらない」とおっしゃるようである。

 「2000円でも、3000円でも、いいんです。お願いします」というのは、「払って下さい」ということではないのだろうか。

 日本語は難しい。しかし、誰が聞いても、決算期を目前に控えた武富士の担当者が「実兄が2000円でも、3000円でも支払えば、担当者の手元にその債権をおくことができ、今後は、一切利息もなにもいらないようにする」と言っているのである。

 武富士では、担当者の独断で、今後一切利息をつけないような措置をとることができるとでもいうのだろうか。

 行方不明の実弟は、100万円を武富士から借りていたようだ。100万円の年25%の利息は、年間で25万円、一月で2万円を超える。それに対して、2000円でも3000円でも入金すれば、今後一切利息がつかなくなるというのだ。本社が了解を与えて、本社が指示して、第三者請求をしていると考えるしかないのではなかろうか。

 木村晋介弁護士は、「お願いします」としつこくいいすぎているBの件もあるという。

 「あくまでお願いだから違法ではないが」と木村晋介弁護士は、いう。

 今後は、すべての貸金業者が、「お願い」をすれば、貸金業規制法で禁止されている第三者請求にはあたらないという、木村弁護士があたえてくれたお墨付きで、正々堂々、第三者請求をすればいいということになるのだろうか。



事例3

 これは、裁判を提起した事例であることは明らかである。

 武富士が、勝ったか知らないが、武富士は、母親が支払った金額は全額返済せよという判決となっている。

 この事例では、やはり、未成年の娘に母親(自分で働いて不足する分を生活保護でまかなっている)に『内緒』で、武富士が金を貸した。

 その娘が20歳になったとき、娘のところに武富士が、枠が増えたと電話がはいり、増額できると言われた。交際していた男性がお金が必要と言ったことから借り増しをした。

 この娘が、事情があって働けなくなり、給料が入らなくなったところ、武富士が、母親のところに、「おかあさんだから払ってもらわなければならない」と言われたという事例である。

 母親は、まず、20歳になったばかりの娘に武富士が50万円も貸していることに驚いた。

 母親は、武富士が、おかあさんだから払ってもらわなければならないと言われたとき、娘が迷惑をかけているので、払わなければならないいうのでも、自分が一月働いてえる給料は、8万円位だと言って給料明細をみせ、この中から15,000円を払うと生活ができない。給料はすべて生活保護のほうに報告しなければならない、協力するとしても、3000円か、5000円しかできないと言った。これは、武富士の担当者も陳述書で述べている。しかし、武富士の担当者は、今日、15,000円を払ってもらわなければならないと言って15、000円を払わせ、その翌日から、不足分(約定返済から15,000円を引いた分)を払えと、しつこく請求している。

 このようなことから、この娘は、2回も自殺未遂をした。この母親は、武富士社員が督促している最中に、貧血で倒れて病院に行ったという事例である。

 裁判官は、「母親が支払わなければならないと錯誤に陥って支払った」として、支払った分の返還だけを認めた。

 全く、娘の借金のことも知らない母親が、武富士からなにもいわれないのに、そして、武富士の担当者も、3000円か5000なら協力できるが15,000円も支払えないと母親が言っていたと、陳述書に書いているのに、2月、3月、4月と、母親の給料日に集金にでかけて支払わせたというものだ。

 この管理カードには、「支払義務なき承知」「協力の申し出」なる横判が、どの頁にも押されていた。

 この事例が、なんの問題もない事例だと、木村晋介弁護士は、断言するのだろうか。

 武富士がやっていることが正しいというのだろうか。

 この裁判事例について、私は、裁判官が常識に反する判決をした事例として、日弁連に報告している。



武富士バッシングとは何か?

 私は、クレ・サラ対協外消費者問題に熱心な弁護士の協力を受けて、前記3例について、関東財務局に行政処分の申立てをした。これは4月のことだ。しかし、このことを、広くマスコミに報道してもらいたいと働きかけた覚えはない。

 武富士が、「仕掛けてきた」のだ。それは、なぜかわからない。その結果、今や、マスコミが注目する自体となった。武富士バッシングは、武富士や木村晋介弁護士が望んで招いたことではないだろうか。