武富士には「尊属請求という言葉は存在しない!」



 武富士が、支払義務のない母親に請求して、支払義務のない金員を支払わされたとする損害賠償等請求事件の第一回期日が、平成14年11月27日、午後2時、釧路地方裁判所で行われた。

 武富士は、その答弁書の中で、次のように述べている。


>母親が武富士に対して「借り増し禁止措置をとったことは、認める」

 これは、母親が、息子に頼んで、母親名義で借りていた武富士からの借入れの支払のための利息と元金を、支払っていたところ、息子が、母親に無断で借入れをしていたことを知った母親が、武富士に、「借り増し禁止の措置をとってほしい」と頼んだことは、認めている。

 息子は、母親が、借りたいと言っていると武富士に電話をして、借り増し禁止措置を解除してもらって借り増しをしたと言っているため、そのように主張したところ、「借り増し禁止措置」の解除の申し出があっても、本人の意思確認なしで、これに応じることはない」といっている。


>武富士には、「尊属請求」という言葉は存在しない。

 武富士の内部では、管理ノルマの達成のため、「尊属請求」は公然と行われているとの内部告発は多数あるが、武富士には、「尊属請求」という言葉自体が存在しないというのが武富士の公式の見解であることを示している。

 上司から、「尊属請求したか?」と、厳しく問いただされるというのは、全く、ありもしないことなのだろうか。


>母親は、平成13年9月26日に武富士に自分の支払として、21,000円を支払おうとしたところ、息子のほうに入れてほしいと言われて、半額の10,500円を息子の支払に回させられたと主張している。

 武富士は、「半額を息子の支払に回したのは、原告(母親)の依頼によるものである。と主張している。

 もともと、貸金業者は、借主に対し、毎月の約定支払をしてもらうこととなっていると考える。

 21,000円は、母親が毎月武富士に支払うこととなっている約定返済額である。

 母親が、武富士から何もいわれないのに、自ら、息子の分に半分いれてほしいと頼むだろうか。

 もともと、母親と息子とは、違う日に支払っている。

 母親は、自分の名前で借りている分について支払うだけでも、精一杯である。

 武富士から何もいわないのに、母親が、自分が本来支払わなければならない金員を、息子のほうに回してほしいと頼むということは、常識では考えられないことである。


>「支払義務なき承知」「協力の申し出」

 自分で一生懸命働いても、2〜3年に一度は、1ケ月以上病気入院する母親が、自分で働いた外に足りない分は、生活保護を受けている、自分が働いたお金は、すべて、保護の担当者に報告せねばならない。武富士から、娘がお金を借りて払わないので、武富士の担当者が、親だから払ってもらわないと困るいうのなら、3000円か5000円なら、支払うけれども、15,000円も支払えないと言ったにもかかわらず、数ケ月にわたって、母親の給料日に集金に言って、毎月15,000円を支払わせたという事件の管理カードには、「支払義務なき承知」「協力の申し出」なる横判が押されていた。

 これなども、やはり、尊属請求ではなく、母親が「払わせてくれ」と頼んだから、受け取ってやったのだとでもいうのだろうか。