「武富士被害対策全国会議」結成される!



 平成14年10月25日午後2時30分、関東財務局、武富士による第三者請求等の被害にかかる行政処分等の申立てのための申入れが行われた。

 全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会に加盟する被害者の会から、総数で37件の事例についての申立てがされた。

 武富士による支払義務のない第三者に対する請求により、支払義務がないにもかかわらず支払わされた人の事例や、全く無収入の人に対しも、100万円を融資している異常な過剰融資の事例などについて、関東財務局に対して、厳しい調査と行政処分の申立てをした。

 同日午後5時30分から、武富士被害対策全国会議結成のための集会が開かれた。

 同集会で報告され、T氏の体験は、武富士の体質と問題点をあますところなく示していると思われるので紹介する。

 T氏は、当初・一般社員として入社して、その後支店長を経験し、札幌支社長付きとなり、ブロック長兼支店長となり、本社人事部で課長代理をしていたが、降格して係長となり、さらに、平成11年10月からは、東京の店舗の支店長となり、平成12年9月には、ブロック長兼支店長となり、さらに、平成13年9月からは、一般社員として働いていたところ、平成14年4月に、業務上貸付違反を理由に、債務保証4800万円を返済するよう、武富士から迫られ、現在、民事訴訟を提起されているという。

 7年余の勤務での人事異動の多さに、まず驚かされる。

 一般社員 → 支店長 → 社長付き → ブロック長兼支店長 →
 本社人事部課長代理 → 係長 → 支店長 → ブロック長兼支店長 →
 一般社員

 9回の人事異動がある。同じ地域ならまだしも、新潟から十和田、十和田から札幌・札幌から青森、青森から本社、本社から都内の支店長・ブロック長・一般社員という異動だ。T氏は、結局、現在、離婚したということであるが、これだけ頻繁に人事異動がされれば、家族の生活、特に、就学中の子供は、転校、転校、また転校で、落ち着いて勉強もできず、友達もできないだろう。個人の生活を全く無視したものだと驚くほかない。

 T氏の話では、入社当時、現在ほどの過酷な労働環境ではなかったという。

 時には8時に退社したり、土・日も休み、時には、上司が部下を連れてゴルフやスキーにいくなど、仕事にもメリハリがあったという。月曜から金曜のきちんとした時間で目標を立てて目標の達成ができていたという。

 武富士には、平成15年、自己資本1兆円という目標があり、それを実現させるために、年々、営業目標が厳しくなっていったのではないかという。



土・日出勤当たり前!

 平成12年9月ころからは、毎朝7時に出社し、夜10時を超える日が続き、時には、12時を超えることもしばしばあった。休日も、月に2日休めるかどうかであり、連休をとれたのは、正月とゴールデンウィークの2回だけだったという。

 本社から、「激」という名称の、ひどい内容の激励がされるという。

 「腹切って死ね」「舌かんで死ね」「今から窓から飛び降りろ」など精神的に困惑するような言われ方があったという。厳しい「激」は、3〜5分間隔で、10回位立て続けに電話がきて、「今、数字幾らだ。何でやらない」の連呼があると、精神的に追い詰められるという。元気よく応対していても、「元気が無い」と怒られるので、怒鳴り声をあげて応対するはめになってしまうという。

 都内の支店に勤務しているときには、2時間毎に本社に呼び出されたという。本社では、数名で詰め寄られて「15分程」会長の年頭の辞を、怒鳴り声で唱和を繰り返させられたという。口が回らなくなり、舌を噛んで血を出しても延々と続けさせられ、その後、1週間ほど声がだせなくなったという。青森支店の時には、夜行での呼び出しで、社内での宿題として会長語録の丸写しの指示が出され、殆ど一睡もできず、会議に参加させられたということもあったという。



業務上貸付違反で巨額の債務保証!

 T氏は、武富士より、「巨額の債務保証」をしろということで、3日間本社の14階に、常に監視付きの状態で、朝8時から夜9時過ぎまで軟禁され、外部との連絡も断たれ、警察の取り調べのような尋問をされ、親や保証人に連絡をするよう言われたり、もう警察がきているとか、刑事告訴するなど様々な角度から強迫を受け、困惑した状態の中、無理矢理債務保証書と供述書なるものを書かされたという。

 武富士では、今年7月、「社員及び身元保証人に業務上の違反に対して、債務保証書を書かせたり返済を要求する事は貸金業規制法に違反する」というような指導を受け、債務保証書をとることを辞めて、1ケ月程度営業の自粛をしたという。

 これまでにも、何人もの人が、千万単位、中には億円単位での債務保証書を、武富士に提出しているという。しかし、これまで、保証書を書いた人に支払えという訴訟がなされたことはないという。

 しかし、T氏に対しては、保証書に基づいて支払えという訴訟が提起されているという。T氏が、「債務保証書」を書かされた原因というのは、「業務上貸付違反」ということである。

 T氏は、店長ではない。貸付をするか否かを決める権限はない。50万円未満は、店長が決め、それ以上は本社が決めることになっているという。

 貸付を決める権限がないT氏に対して、なぜ、このような訴訟まで行うのか、驚くほかない。

 「業務上貸付違反」という契約でも、借主は、支払っている。武富士は、裁判で、借主が支払った明細は提出しないという。

 借主が、支払い、担当者社員から、業務上貸付違反を理由に、保証をさせて支払わせるということになると、武富士は、二重に支払をうけることになるのではなかろうか。