融資保証金詐欺に対する根室警察署のお粗末な対応 「相談カードがありません」!

2006年 8月 25日

 C子さんは、平成17年3月、アリココーポレーション株式会社というところから、非常に安い「金利」(年3.5%前後)でお金を貸すというダイレクトメールを受け取った。

 C子さん自身は、特段お金を借りる必要もなくそのままにしていたところ、知人が、お金を100万円借りてほしいと頼んだ。

 そのため、C子さんは、そこに電話をして「100万円」の借入れを頼んだところ「アイリスから50万円」「ワイドから30万円」を借りて送るように言った。なんで、お金を借りるのに、お金を借りて送らなければならないのかと聞いたところ、実績を作ってもらうためであること、そのお金は、アリココーポレーションからアイリス・ワイドに返済するといわれた。

 アイリスについては、「女性自身を見て申込をすること、冠婚葬祭でお金がいること、年収は200万円〜240万円(記憶が正確でない)ということ」などを指示された。

 C子さんは、アイリス・ワイドから同じ日(3月9日)に言われたとおりの金員を借りて送金した。その後、融資するという金額が送られてこないことから、電話をしたところ、もう少しかかるなどの言い方をされて延ばされ、その内連絡がとれなくなった。


根室警察署では「まだ、取り扱えない!」

 C子さんは、根室警察署に相談に行った。相談の窓口で受け付けてもらい、別室で話しをしたという。ところが、C子さんから話を聞いた根室警察署の警官は、『相手と連絡がとれていること』、『相手が融資すると言っていること』から、警察で介入することはできないと言われたという。
 C子さんは、その後、根室市役所の相談にも2回行ったが、同じように言われて何もしてもらえなかったという。
 根室市役所の相談が、弁護士による相談かどうかは不明である。

 弁護士は、根室警察署に次のような質問をした。

  1. 平成17年3月、C子さんからの、本書に記載した内容の相談があったか否か。
  2. 前記「相談」について、これは、悪質な「融資」を餌にした詐欺事件であるとの判断をされたか否か。
  3. C子さんが、持参したダイレクトメールに記載されていた「アリココーポレーション株式会社」が存在する会社か否か調べられたか否か。(即ち、株式会社としての法人登記をしていないにもかかわらず、「株式会社」と名乗っているのではないかということです)
  4. 前記ダイレクトメールに記載されており、C子さんが電話をした下記電話の持ち主を調査されたか否か。「03−5818−0829」
  5. 本件について、どのような処理をされたのか否か。
 以上に対する回答は、平成18年9月末日までにお願いいたします。
 もし、なんらの回答がない場合には、しかるべき措置をとります。


相談カードがない!

 根室警察署から、翌日電話がきた。
「実は、相談カードがないんです」
「どういうこと?」
「この手紙がきたので、当時の記録を調べたんですが、相談したという記録がなです。C子さんは、誰と話したか覚えていませんかね」
「だから、何もせずに追い返したんでしょう!」
「いや、この内容だと、融資保証金詐欺ということは明らかですから、相談にのらないということは考えられないんですが」
「だからね、私もこの手紙出したんですよ。ともかく、相談カードがないという回答をすぐに出してください」
「そういう回答をしたら、どうされるんですか!」
「警察の対応がひどいので、こんなことがないようにしてもらわないといけない。警視庁と北海道警察に、このような対応では困るということで、申入れをする」
「そうですか。」
「できるだけ早く回答してください」

 最近の警察のヤミ金などの対応は、従前にもましてひどいものだ。

 この事件も、事件として取り扱ってもらっていないということは、警察白書の事件数は現実とはほど遠い数字だということになる。