養子縁組と商工ローン?

2006年 7月 11日

 北海道新聞2006年7月11日付け(朝刊)は、次のような記事を掲載している。

「大口融資 群がる暴力団!」
「養子縁組詐欺 道内41人逮捕!」
「元社員が手法伝授!」
「甘い審査 抜け道巧妙に!」

 内容は次のようになっている。

この事件では、暴力団関係者が2003年7月〜2004年7月、札幌の区役所に虚偽の養子縁組を提出。
 名前を変えるなどして中古車販売業やネイルサロンなどの事業主を装い、約3800万円の融資を受けたとして、41人が詐欺容疑などで逮捕された。

「金のもうかる話がある」
 2002年ごろ、金融会社を退職して無職だった札幌市内の男(34)が、知人の暴力団員に声をかけた。同社は、個人事業主向けの数百万円の融資を中心に全国展開する業界大手で、銀行に比べて金利は高いが融資の審査は緩いという。
 事件を摘発した札幌西署によると、元社員は在職当時、貸付金額のノルマに加えて回収実績も厳しく求められた。札幌や旭川の別の元社員3人も、こうした会社の体質に不満を持って退職したとみられる。
 4人が集まり、会社に仕返しをする形で、暴力団員に融資が受けられる手法を伝授。見返りとして、一回の詐欺で、「2〜3割の分け前」を得る約束もした。
 元社員らは、暴力団関係者が事業主を装うため、架空の事業内容書や給与明細、融資申込書の書き方を細かく教えた。多額の融資を受けるため、いったん数万円を返済して信用させ、追加融資を受ける周到な手口も考えた。
 養子縁組制度は、自治体が窓口となり、親や子の名前、証人の署名など記載に不備がない限り、届出を受理する。
 元社員の話に乗った暴力団員は、さらに組員らを次々に誘い、名前を変えるため制度を悪用した。
 同署や道警捜査4課によると、道内の暴力団関係者による偽装養子縁組の詐欺は、かつては消費者金融などを狙う小規模な事件が多かった。
 しかし、今回や札幌中央署などが摘発し被害金額が1億6千万円に上った住宅金融公庫詐欺事件では大口の融資元を見つけると、人を集めて大規模に詐欺を繰り返すという。
 ある捜査員は「暴力団員が詐欺の手口を覚えると、系列の組員に伝えるため、一気に広まる」と警鐘を鳴らしている。


感想

成人養子制度を即刻やめるべきだ!
 この事件は、SFCGが被害者だと聞いている。
 SFCGによる異常な過剰融資事例において、全く、自営業者ではない社員が、自治体に営業届けを出し、自治体から「営業証明書」の交付を受けて、800万円もの金員を借りた事例がある。
 「営業証明書」というのは、自治体に、そのような「届出」があったという証明書だという。
 従って、本当にそういう自営業者がいるのかどうかということを確認するためには、借り主がどのような事業を行っているかを「現地に出向いて現認」すれば容易にわかるはずである。
 しかし、それすらもしないということのようだ。
 少なくとも、一定の事業を行い、その事業のために必要ということから、融資するのが「商工ローン」でなければならないと思う。
 しかし、そうとは到底思われないような融資が行われ、その融資に、連体保証人として、「組み込まれる」保証人被害が多発している。
 又、養子縁組についても、このような被害事例が多いことは数年前から広く知られている。
 政府は、「成人養子」を認める制度を維持するならば、実体的にそのような養子をするのか否かを、家庭裁判所で審査するなどの制度改革をすべきではないだろうか。
 先進国においては、「未成年養子」しか認めないと聞いている。
 成人養子は、「家」を継ぐ、「家」を絶やさないというために存続させられている制度である。
 もはや、成人養子の必要性は極めて低い。
 即刻「成人養子」制度を廃止するか、存続させる場合にも、実体のない悪用されるような養子縁組ではないことを裁判所が審査する制度を作るべきである。