5,000円貸した!利息を3万円を送れ!
S君は、12月5日、知らない人から電話を受けた。「お金を貸したから、利息として12月7日に3万円を送金せよ」ということだった。
S君は、お金を貸してほしいと頼んだ記憶はなかった。
「お金を借りたことはない。」と答えた。
「あんたから金を貸してくれと言われて、あんたの口座に振り込んだ。嘘だと思ったら口座を見ろ」と言われた。
S君は、自分の銀行口座を確認した。
確かに「4680円」が12月1日に送金されていた。
又、電話がきた。
S君は、「口座に4680円が振り込まれているが、自分は貸してほしいと頼んだことはない」と答えた。
すると、「頼まれもしないのに、あんたの口座がわかるわけがないだろう」と言われた。
それでも、自分は貸してくれと頼んだ覚えはない、3万円もの金はないし払えないと言ったところ、「あんたが払わなかったら、会社や、家に何回も電話をすると言われた。
S君は、3万円で嫌がらせをされないのならと思って、3万円を払うと言った。
すると、相手は、「12月7日に3万円を払え。12月6日の9時30分から10時の間に、この電話に電話をするように」と言って「03」で始まる電話を指定された。
それまで、S君にきた電話は、携帯電話だった。
12月6日の9時30分から10時までの間に、S君は、指定された電話に電話した。しかし、何回電話しても話し中でつながらなかった。
10時になったので、電話をやめた。
すると、10時30分ころ、「なんで電話をしなかったんだ」という電話がきた。
S君は、「何回も電話をしたつながらなかった。」と答えた。
しかし、約束どおり電話をしなかったたら、今日、「22,000円を払え」と言われた。
S君は、このような理不尽なことを押し付けられ、これでは、どれだけ払わされるかわからないと思って、警察にいったという。
しかし、警察では、支払う必要がない、相手になるな。電話に出るな」と言っただけだった。
それで、私のところにきた。12月6日の午後1時ころだった。
私は、一通り話を聞き、「03」の電話に電話をした。
相手は、「貸した金の利子を払ってもらうのは当然だ」と言った。
私は、「S君は、借りた覚えはない。貸してくれと頼んだことはないと言っている。S君が、貸してくれと申し込んだ申込書でもあるのか」と聞いたが、「本人がいわれなければ、口座番号がわかるわけないだろう」とわめいた。
私は、「もし、S君が金を貸してくれと頼んだら、あんたが送金してきたら、すぐにその金を引き出すだろう。しかし、S君が、送金されていることを知ったのは、あんたが電話をしてきた後だ。今もそのまま口座に金がある」と言った。 相手は、本人を出せと言った。
本人を電話に出した。すると、相手は、「ともかく、今回は3万円で許してやるから3万円を払え」と説得したようだ。
私は、断固として「支払う必要はない」と怒鳴った。
相手は、「弁護士さん、なんぼ弁護士費用とったんだ」などと言った。
「今、きて、相談にのっている、相談料は、まだもらっていない。全部終わったらいくらかもらうことになる」と言った。
怒鳴り合いの末、電話を切った。
S君は、去年、債務の一本化のためと言われて、70万円をだましとられたという。
そのときの情報が一人歩きしているようだ。
警察は、何もしてくれないという相談は多い。
このような被害は、まだまだ多いのだろう。
私は、弁護士の名前で「4,680円」を送金して返還させた。
意見
このような悪質な事件こそ、厳罰に処さなければ、このような悪質な方法で金を脅しとられる人がますます多くなってしまう。経済事犯についての再発防止を観点とした法整備が必要だと痛切に思う。
2005年12月10日