本人や遺族の承諾のない被害者名の報道をやめよ!



 今日も、多くの被害者の名前が報道されている。

犯罪被害者、交通事故の被害者、火事の被害者、水難事故の被害者、飛行機の墜落事故の被害者、列車事故の被害者等々それの被害者の名前を最も、興味を持って読み、記録している人は、誰だろうか。

悪徳商法をやっている人、金融商品の販売をやっている人、被害者となんらかのつながりのある人等々被害者だと報道されている本人、あるいは、その遺族は、どんな気持で被害者の報道に接しているのだろうか。

これほど、プライバシーについて真剣に報道する報道機関が、なんで、被害者名の報道については、なんの疑問も持たないのだろうか。

報道機関は、被害者が、そんな災難に遭遇したことを、被害者の関係者に知らせる必要があるという。飛行機事故などが起こった場合は、報道機関は、真夜中であっても、長時間にわたって被害者名の報道をやっている。しかし、被害者が、そんな災難に遭遇したことを知らせねばならない人には、なんらかの方法で知らされる。被害者やその遺族が知ってもらう必要のない人に対してまでも、被害者であることを知られることを阻止する権利を、被害者は持っていると思う。

被害者として報道されたことが、被害者やその遺族の人生にどんな災難をもたらすか、考えたことがないのだろうか。

被害者として報道されているとしても、それは、被害者本人や、その遺族の、人には知られたくない人生の軌跡をあぶりだすことになる場合も多い。

多くの被害者は、「被害の対価として、どれほどの賠償を得るのだろうか」と好奇の目でみられる。

あるいは、賠償で得た対価を、どんな方法でまきあげようか、とねらっている悪徳商法をやっている人がいる。

もう、そろそろ、被害者名の報道をやめねばならないのではないか。

一旦被害者として報道されたが、最後、その報道を見た多くの人に、ながく名前が記憶される危険性がある。

被害者名の報道は、本人、もしくは遺族の同意なしに報道しない、という原則が、一刻も早く確立されねばならないと思うのは、私だけだろうか。