SFCGの公正証書について国家賠償訴訟提起
2006年 6月 1日
SFCGが、本来保証をしている金額の2倍の保証をしているとの公正証書を作成している事例が判明した。公証人が、注意深く委任状を検討すれば、それらの契約が、問題があるものであることは明白だったと思われる。
そのため、公証人の責任、代理人となった行政書士の責任、そして、SFCGの責任と、国に対して損害賠償を求める訴訟を提起した。
代理人は、全国の日栄・商工ファンド対策弁護団に参加する弁護士約110名である。
訴状の内容
訴状
平成18年 5月 日
釧路地方裁判所帯広支部 御中〒085-0835 釧路市浦見3丁目4番14号 (送達場所)
原告ら訴訟代理人弁護士 K.A
損害賠償等請求事件
訴訟物の価格 金 6,632,250円
貼用印紙 38,000円
予納郵券 5,250円
当事者
〒000-0000 北海道OOOOOOOOOOO
原告 I.Y
〒000-0000 北海道OOOOOOOOOOO
原告 O.A
〒000-0000 北海道OOOOOOOOOOO
原告 I.S
原告ら代理人
原告代理人目録のとおり
〒100-0013 東京都千代田区霞が関1の1の1
被告 国
代表者法務大臣 野沢太三
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町3丁目2番15号日本橋室町センタービル
被告 株式会社 SFCG
代表者代表取締役 大島健伸
〒154-0014 東京都世田谷区新町3丁目18番15-301号
被告 大江亜里朱
〒105-0003 東京都港区西新橋3丁目19番14号
被告 櫻井 浩
請求の趣旨
1、被告らは、連帯して原告I.Yに対して、金105万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済に至るまで年5分の割合による金員を支払え。2、被告らは、連帯して原告O.Aに対して、金220万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払済に至るまで年5分の割合による金員を支払え。
3、被告らは、連帯して原告I.Sに対して、金330万円及び本訴状送達の日の翌日から支払済に至るまで年5分の割合による金員を支払え。
4、被告らは、連帯して、原告らに対して、金82,250円及びこれる対する本訴状送達の日の翌日から支払済に至るまで年5分の割合による金員を支払え。
5、訴訟費用は、被告らの負担とする。
との判決及び第1、第2項につき仮執行の宣言を求める。
請求の原因
第一、当事者
1、原告I.Yは、主婦である。
2、原告O.Aは、会社員である。
3、原告I.Sは、農業を営んでいる。
原告I.Y、原告O.A、原告I.Sは、訴外有限会社N商事(以下 訴外会社という)と被告SFCGとの間の金銭消費貸借契約の連帯保証人である。
4、被告SFCGは、中小企業者に高利資金を融資することを業とし、貸金業者として登録を受けている貸金業者である。
(1) 関東財務局は、被告SFCGが作成している公正証書に関して次のような行政処分を行った。
(3) 東京地方裁判所は、平成17年12月2日、行政処分執行停止申立てを却下するとの決定をした。
(4) その結果、関東財務局の被告SFCGに対する行政処分が執行された。
@ 行政処分を行った日 平成17年11月25日
A 行政処分の内容
平成17年12月5日から平成17年12月16日までの12日間、全ての営業所又は事務所(東京支店又は大宮支店を除く)における業務の全部(弁済の受領に関する業務[約定返済期日に返済するための振込用紙の送付に関する業務を含む]、訴訟又は調停に応ずる業務及び関東財務局が特に必要と認めた業務を除く)を停止すること、並びに、平成17年12月5日から平成17年12月26日までの22日間、東京支店及び大宮支店における業務の全部(弁済の受領に関する業務[約定返済期日に返済するための振込用紙の送付に関する業務を含む]、訴訟又は調停に応ずる業務及び関東財務局が特に必要と認めた業務を除く)を停止することを命じた。
B 行政処分の対象となった事実の内、公正証書に関する事実
被告SFCGは、保証人から取得した「保証債務の極度額その他保証人が負担する債務の範囲」が記載されていない「貸付けの契約に基づく債務の不履行の場合に直ちに強制執行を受けるべきことを記載した公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証する書面」を使用して、保証債務の極度額を超える貸付けの金額を保証額とする公正証書を作成した事実が認められた。さらに、大宮支店では、保証人に対して、平成16年2月18日に作成した保証債務の極度額を超える貸付けの金額を保証額とする公正証書により、平成16年8月31日に保証債務の極度額を超える金額を差押債権額とする債権差押命令の申立を行い、裁判所から債権差押命令を得て強制執行を行った。
(2) 被告SFCGは、平成17年11月25日に、東京地方裁判所へ上記行政処分の取消訴訟の提起及び執行停止の申立てをした。A 行政処分の内容
平成17年12月5日から平成17年12月16日までの12日間、全ての営業所又は事務所(東京支店又は大宮支店を除く)における業務の全部(弁済の受領に関する業務[約定返済期日に返済するための振込用紙の送付に関する業務を含む]、訴訟又は調停に応ずる業務及び関東財務局が特に必要と認めた業務を除く)を停止すること、並びに、平成17年12月5日から平成17年12月26日までの22日間、東京支店及び大宮支店における業務の全部(弁済の受領に関する業務[約定返済期日に返済するための振込用紙の送付に関する業務を含む]、訴訟又は調停に応ずる業務及び関東財務局が特に必要と認めた業務を除く)を停止することを命じた。
B 行政処分の対象となった事実の内、公正証書に関する事実
被告SFCGは、保証人から取得した「保証債務の極度額その他保証人が負担する債務の範囲」が記載されていない「貸付けの契約に基づく債務の不履行の場合に直ちに強制執行を受けるべきことを記載した公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証する書面」を使用して、保証債務の極度額を超える貸付けの金額を保証額とする公正証書を作成した事実が認められた。さらに、大宮支店では、保証人に対して、平成16年2月18日に作成した保証債務の極度額を超える貸付けの金額を保証額とする公正証書により、平成16年8月31日に保証債務の極度額を超える金額を差押債権額とする債権差押命令の申立を行い、裁判所から債権差押命令を得て強制執行を行った。
(3) 東京地方裁判所は、平成17年12月2日、行政処分執行停止申立てを却下するとの決定をした。
(4) その結果、関東財務局の被告SFCGに対する行政処分が執行された。
5、被告国は、貸金業者等を指導監督するとともに、公証人が適正な職務を執行するべく指導監督する立場にあり、公証人の公証事務処理は国の公権力の行使にあたる行為である。
6、被告大江亜里朱は、行政書士であり、原告らと被告SFCGとの間の債務弁済契約公正証書において、原告らの代理人となっているものである。
7、被告櫻井浩は、公証人として公正証書の作成を業として行っているものであり、原告らと被告SFCGとの間の公正証書を作成したものである。
第二、原告らと、被告SFCGとの公正証書の存在
1、原告らと被告との間には、大略下記内容の東京法務局所属公証人櫻井浩作成平成17年第3098号債務弁済契約公正証書(以下「本件第1公正証書」という。)が存在する(甲第1号証)。
(1) 借受金 8,000,000円
(2) 債権者 被告SFCG
(3) 債務者 訴外有限会社N商事(以下 訴外会社という)
(4) 契約日 平成17年7月22日
(5) 利 息 年6%
(6) 遅延損害金 年21.9%
(7) 元金支払日 平成22年7月5日
(8) 連帯保証人 訴外N.S、訴外N.Y、訴外N.K
原告I.S、原告O.A 原告I.Y
連帯保証人原告I.Y、同原告O.A、同原告I.S、同N.Kの保証対象金額は、元本のみを対象とし、利息・損害金は対象としない。又、連帯保証人原告I.Yの保証額は、金100万円、同O.Aの保証金額は金400万円、同I.S及び連帯保証人N.Kの保証額は600万円とする。
(9) 公正証書作成日 平成17年9月12日
(10)公正証書作成の際の原告らの代理人 被告大江亜里朱
(11)公正証書作成公証人 被告櫻井浩
(2) 債権者 被告SFCG
(3) 債務者 訴外有限会社N商事(以下 訴外会社という)
(4) 契約日 平成17年7月22日
(5) 利 息 年6%
(6) 遅延損害金 年21.9%
(7) 元金支払日 平成22年7月5日
(8) 連帯保証人 訴外N.S、訴外N.Y、訴外N.K
原告I.S、原告O.A 原告I.Y
連帯保証人原告I.Y、同原告O.A、同原告I.S、同N.Kの保証対象金額は、元本のみを対象とし、利息・損害金は対象としない。又、連帯保証人原告I.Yの保証額は、金100万円、同O.Aの保証金額は金400万円、同I.S及び連帯保証人N.Kの保証額は600万円とする。
(9) 公正証書作成日 平成17年9月12日
(10)公正証書作成の際の原告らの代理人 被告大江亜里朱
(11)公正証書作成公証人 被告櫻井浩
2、原告らと被告との間には、大略下記内容の東京法務局所属公証人櫻井浩作成平成17年第3099号債務弁済契約公正証書(以下「本件第2公正証書」という。)が存在する(甲第2号証)。
(1) 借受金 9,944,000円
(2) 債権者 被告SFCG
(3) 債務者 訴外有限会社N商事(以下 訴外会社という)
(4) 契約日 平成17年7月22日
(5) 利 息 年6%
(6) 遅延損害金 年21.9%
(7) 支払方法 元利均等
(8) 連帯保証人 訴外N.S、訴外N.Y、訴外N.K
原告I.S、原告O.A 原告I.Y
連帯保証人原告I.Y、同原告O.A、同原告I.S、同N.Kの保証 対象金額は、元本のみを対象とし、利息・損害金は対象としない。又、連帯保証人原告I.Yの保証額は、金100万円、同O.Aの保証金額は金400万円、同I.S及び連帯保証人N.Kの保証額は600万円とする。
(9) 公正証書作成日 平成17年9月12日
(10)公正証書作成の際の原告らの代理人 被告大江亜里朱
(11)公正証書作成公証人 被告櫻井浩
(2) 債権者 被告SFCG
(3) 債務者 訴外有限会社N商事(以下 訴外会社という)
(4) 契約日 平成17年7月22日
(5) 利 息 年6%
(6) 遅延損害金 年21.9%
(7) 支払方法 元利均等
(8) 連帯保証人 訴外N.S、訴外N.Y、訴外N.K
原告I.S、原告O.A 原告I.Y
連帯保証人原告I.Y、同原告O.A、同原告I.S、同N.Kの保証 対象金額は、元本のみを対象とし、利息・損害金は対象としない。又、連帯保証人原告I.Yの保証額は、金100万円、同O.Aの保証金額は金400万円、同I.S及び連帯保証人N.Kの保証額は600万円とする。
(9) 公正証書作成日 平成17年9月12日
(10)公正証書作成の際の原告らの代理人 被告大江亜里朱
(11)公正証書作成公証人 被告櫻井浩
第三、被告SFCGと訴外会社との間の金銭消費貸借契約の経緯
1、訴外会社は、被告SFCGから次のように金員を借りた。
(1) 平成12年12月25日 金300万円借入れ
約定利率 25.550% 実質利率 25.550% 遅延損害金 29.2%
平成13年2月1日に、全額返済
(2) 平成13年2月2日 金300万円借入れ
約定利率 27.375% 実質年率 27.375% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告I.S
(3) 平成13年6月15日 金200万円借入れ
約定利率 27.375% 実質年率 27.375% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 N.K
(4) 平成13年8月7日 訴外会社は、それまでの借入れ金を全額返済
(5) 平成14年3月25日 金500万円借入れ
約定利率 27.375% 実質年率 27.375% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告I.S
(6) 平成15年6月25日 金100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.544% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告I.S
(7) 平成15年6月30日 金400万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.530% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告O.A
約定利率 25.550% 実質利率 25.550% 遅延損害金 29.2%
平成13年2月1日に、全額返済
(2) 平成13年2月2日 金300万円借入れ
約定利率 27.375% 実質年率 27.375% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告I.S
(3) 平成13年6月15日 金200万円借入れ
約定利率 27.375% 実質年率 27.375% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 N.K
(4) 平成13年8月7日 訴外会社は、それまでの借入れ金を全額返済
(5) 平成14年3月25日 金500万円借入れ
約定利率 27.375% 実質年率 27.375% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告I.S
(6) 平成15年6月25日 金100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.544% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告I.S
(7) 平成15年6月30日 金400万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.530% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 原告O.A
2、被告SFCGは、N木工ことNYに対して、次のように金員を融資した。
(1) 平成16年3月25日 金100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.544% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 坂本勲 原告I.Y
(2) 平成16年3月29日 100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.531% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 S.I
(3) 平成16年4月2日 150万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.535% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 N.M
(4) 平成16年4月16日 100万円借入れ
約定利率 不明 実質年率 不明 遅延損害金 不明
連帯保証人 不明
(5) 平成16年4月23日 100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.556% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 Y.K
(6) 平成16年6月17日 100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.608% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 なし
(7) 平成16年6月24日 150万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.550% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 K.K
約定利率 27.000% 実質年率 28.544% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 坂本勲 原告I.Y
(2) 平成16年3月29日 100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.531% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 S.I
(3) 平成16年4月2日 150万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.535% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 N.M
(4) 平成16年4月16日 100万円借入れ
約定利率 不明 実質年率 不明 遅延損害金 不明
連帯保証人 不明
(5) 平成16年4月23日 100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.556% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 Y.K
(6) 平成16年6月17日 100万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.608% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 なし
(7) 平成16年6月24日 150万円借入れ
約定利率 27.000% 実質年率 28.550% 遅延損害金 29.2%
連帯保証人 K.K
3、被告SFCGと訴外会社との間には、次のような契約書が存在している(甲第3号証の1・2、甲第4号証の1・2、甲第5号証の1・2)。
(1) 契約日 平成17年7月22日
主債務者 訴外会社
連帯保証人 原告I.Y(根保証限度額100万円)・原告O.A(根保証限度額400万円)・原告I.S(根保証限度額600万円)
既存債務残高 9,944,000円
取引金額 8,000,000円
(2) 契約日 平成17年7月22日
主債務者 訴外会社
連帯保証人 原告I.Y(根保証限度額100万円)・原告O.A(根保証限度額400万円)・原告I.S(根保証限度額600万円)
既存債務残高 17,944,000円
取引金額 9,944,000円
(3) 訴外会社が、被告SFCGから、平成17年7月22日に、前記1・2記載のような金員を借り受けたことはない。
原告らも被告SFCGとの間において、平成17年7月22日、前記のような保証契約をしたことはない。
前記2の契約によれば、被告SFCGと訴外会社との間の契約総額は、既存債務残高と取引金額を合算したものとなると思われるが、 その合計額は、27,888,000円というような巨額な金額となるが、訴外会社が被告SFCGからそのような多額の金員を借り受けた事実はない。
(4) 原告I.Yは、あくまでも、訴外N木工ことNYと被告SFCGとの間の平成16年3月25日付金100万円の金銭消費貸借契約について保証をしたのみである。
原告O.Aは、あくまでも、訴外会社と被告SFCGとの間の平成15年6月30日付の金400万円の金銭消費貸借契約について保証をしたのみである。
原告I.Sは、あくまでも、訴外会社と被告SFCGとの間の平成14年3月25日付の金500万円と平成15年6月25日付の金100万円の金銭消費貸借契約について保証をしたのみである。
主債務者 訴外会社
連帯保証人 原告I.Y(根保証限度額100万円)・原告O.A(根保証限度額400万円)・原告I.S(根保証限度額600万円)
既存債務残高 9,944,000円
取引金額 8,000,000円
(2) 契約日 平成17年7月22日
主債務者 訴外会社
連帯保証人 原告I.Y(根保証限度額100万円)・原告O.A(根保証限度額400万円)・原告I.S(根保証限度額600万円)
既存債務残高 17,944,000円
取引金額 9,944,000円
(3) 訴外会社が、被告SFCGから、平成17年7月22日に、前記1・2記載のような金員を借り受けたことはない。
原告らも被告SFCGとの間において、平成17年7月22日、前記のような保証契約をしたことはない。
前記2の契約によれば、被告SFCGと訴外会社との間の契約総額は、既存債務残高と取引金額を合算したものとなると思われるが、 その合計額は、27,888,000円というような巨額な金額となるが、訴外会社が被告SFCGからそのような多額の金員を借り受けた事実はない。
(4) 原告I.Yは、あくまでも、訴外N木工ことNYと被告SFCGとの間の平成16年3月25日付金100万円の金銭消費貸借契約について保証をしたのみである。
原告O.Aは、あくまでも、訴外会社と被告SFCGとの間の平成15年6月30日付の金400万円の金銭消費貸借契約について保証をしたのみである。
原告I.Sは、あくまでも、訴外会社と被告SFCGとの間の平成14年3月25日付の金500万円と平成15年6月25日付の金100万円の金銭消費貸借契約について保証をしたのみである。
第四、本件公正証書の無効
一、本件公正証書の内容の無効−原契約の不存在
平成17年7月22日、被告SFCGは、訴外会社に対して、全く、金員を融資していない。
従って、本件は、現実に金銭消費貸借契約が存在しないにもかかわらず、金銭消費貸借契約が存在するとして作成されたものであり、無効である。
二、本件公正証書の形式的側面な無効事由
1、無権代理人による公正証書の作成
原告らは、被告SFCG担当者から、金銭消費貸借契約に伴う多数の書類に署名・押印するよう求められて署名・押印したが、その中に「委任状」なる書面があったが、その書面についての説明はなく、公正証書なる書面を作成するものとは認識せず、署名・押印したものである。原告らは、公正証書を作成するとの説明は受けていないし、公正証書がどのような書類であるかも知らなかった。
従って、原告らが、これら書類に署名・押印したのは、公正証書作成のための委任状であるとの認識なく署名・押印したものである。 よって、原告らは、公正証書を作成すること自体、認識がなかったので公正証書作成意思の欠缺により無効である。
さらに、代理人選任の意思もないので、仮に、公正証書が作成されたとしても、無権代理人によって作成されたものであるから無効である。
2、双方代理による公正証書の作成
本件第1・第2公正証書作成に際して、原告らの代理人となって
いるのは、被告SFCGが原告らの代理人として被告大江亜里朱を選任し、被告大江亜里朱に原告らを連帯保証人とする公正証書の嘱託を委任し、被告大江亜里朱が、被告櫻井浩公証人に公正証書の作成の嘱託をしたものであり、双方代理によって作成されたものである。
従って、無権代理人によるものでないとした場合においても、双方代理で作成されたものであるから無効である。
原告らは、被告SFCG担当者から、金銭消費貸借契約に伴う多数の書類に署名・押印するよう求められて署名・押印したが、その中に「委任状」なる書面があったが、その書面についての説明はなく、公正証書なる書面を作成するものとは認識せず、署名・押印したものである。原告らは、公正証書を作成するとの説明は受けていないし、公正証書がどのような書類であるかも知らなかった。
従って、原告らが、これら書類に署名・押印したのは、公正証書作成のための委任状であるとの認識なく署名・押印したものである。 よって、原告らは、公正証書を作成すること自体、認識がなかったので公正証書作成意思の欠缺により無効である。
さらに、代理人選任の意思もないので、仮に、公正証書が作成されたとしても、無権代理人によって作成されたものであるから無効である。
2、双方代理による公正証書の作成
本件第1・第2公正証書作成に際して、原告らの代理人となって
いるのは、被告SFCGが原告らの代理人として被告大江亜里朱を選任し、被告大江亜里朱に原告らを連帯保証人とする公正証書の嘱託を委任し、被告大江亜里朱が、被告櫻井浩公証人に公正証書の作成の嘱託をしたものであり、双方代理によって作成されたものである。
従って、無権代理人によるものでないとした場合においても、双方代理で作成されたものであるから無効である。
第五、被告らの不法行為
一、被告SFCG
1、被告SFCGは、平成17年7月22日、訴外会社に対して、なんらの金員を融資していないにもかかわらず、下記のような多額の金員を融資したとする契約書を作成した(前記第三、三、1〜2)。
原告I.Y 200万円
原告O.A 800万円
原告I.S 1,200万円
4、被告SFCGは、平成17年7月22日、訴外会社に対して現実に融資もしていない多額の金員を融資したとする契約書を作成し、かつ、原告らが、訴外会社と被告SFCGとの間の金銭消費貸借契約に対して保証した旨の契約書を作成し、原告らにそれら契約書に署名・押印させた。
5、被告SFCGは、前記1、2の契約について、その支払を確保するために、公正証書を作成することを意図し、原告らと訴外会社及び被告SFCGとの間の債務弁済公正証書作成嘱託委任状を作成し、原告らに、その内容を説明せず、原告らから、債務弁済公正証書作成嘱託委任状を取得し、被告大江亜里朱に、原告らの代理人となるよう依頼した。
6、被告SFCGから原告らの代理人となるよう依頼された被告大江亜里朱は、原告らと被告SFCGとの間において、現実に委任状記載の契約が存在する金銭消費貸借契約が存在するか否かについてさえも確認せず、本件第1・第2公正証書の作成を、被告櫻井浩に嘱託した。
7、被告櫻井浩は、本件第1・第2公正証書を作成した。
8、被告SFCGの行為は、訴外会社に対して、現実に融資していないにもかかわらず、あたかも、訴外会社に多額の金員を融資したかのような契約書を作成し、その旨の債務弁済公正証書作成嘱託委任状を作成して、それら契約書に原告らに署名・押印させ、その債務弁済公正証書作成嘱託委任状を用いて、被告大江亜里朱を原告らの代理人として選任し、被告大江亜里朱に、公証人たる被告櫻井浩に公正証書の作成の嘱託をさせ、被告櫻井浩をして、本件第1・第2公正証書を作成させた。
被告SFCGのこれらの行為は、原告らに対する不法行為である。
9、よって、被告SFCGが、無効な内容の公正証書の作成を公証人に嘱託し、無効な内容の公正証書を出現させたことによって、原告らが受けた損害を賠償する義務がある。
(1) 金9,944,000円
(2) 金8,000,000円
2、被告SFCGは、平成17年7月22日、原告らが、訴外会社と被告SFCGとの間の前記1に記載する現実に金員を融資していない契約に関して、原告らが下記の限度額の範囲で保証をした旨の契約書を作成した(前記第三、三、1〜2)。(2) 金8,000,000円
(1) 金9,944,000円の契約について
原告I.Y 根保証限度額100万円の保証
原告O.A 根保証限度額400万円の保証
原告I.S 根保証限度額600万円の保証
(2) 金8,000,000円の契約について
原告I.Y 根保証限度額100万円の保証
原告O.A 根保証限度額400万円の保証
原告I.S 根保証限度額600万円の保証
3、その結果、原告らは、訴外会社と被告SFCGとの間の金銭消費貸借契約について下記の限度額の範囲で保証をしたこととされた。原告I.Y 根保証限度額100万円の保証
原告O.A 根保証限度額400万円の保証
原告I.S 根保証限度額600万円の保証
(2) 金8,000,000円の契約について
原告I.Y 根保証限度額100万円の保証
原告O.A 根保証限度額400万円の保証
原告I.S 根保証限度額600万円の保証
原告I.Y 200万円
原告O.A 800万円
原告I.S 1,200万円
4、被告SFCGは、平成17年7月22日、訴外会社に対して現実に融資もしていない多額の金員を融資したとする契約書を作成し、かつ、原告らが、訴外会社と被告SFCGとの間の金銭消費貸借契約に対して保証した旨の契約書を作成し、原告らにそれら契約書に署名・押印させた。
5、被告SFCGは、前記1、2の契約について、その支払を確保するために、公正証書を作成することを意図し、原告らと訴外会社及び被告SFCGとの間の債務弁済公正証書作成嘱託委任状を作成し、原告らに、その内容を説明せず、原告らから、債務弁済公正証書作成嘱託委任状を取得し、被告大江亜里朱に、原告らの代理人となるよう依頼した。
6、被告SFCGから原告らの代理人となるよう依頼された被告大江亜里朱は、原告らと被告SFCGとの間において、現実に委任状記載の契約が存在する金銭消費貸借契約が存在するか否かについてさえも確認せず、本件第1・第2公正証書の作成を、被告櫻井浩に嘱託した。
7、被告櫻井浩は、本件第1・第2公正証書を作成した。
8、被告SFCGの行為は、訴外会社に対して、現実に融資していないにもかかわらず、あたかも、訴外会社に多額の金員を融資したかのような契約書を作成し、その旨の債務弁済公正証書作成嘱託委任状を作成して、それら契約書に原告らに署名・押印させ、その債務弁済公正証書作成嘱託委任状を用いて、被告大江亜里朱を原告らの代理人として選任し、被告大江亜里朱に、公証人たる被告櫻井浩に公正証書の作成の嘱託をさせ、被告櫻井浩をして、本件第1・第2公正証書を作成させた。
被告SFCGのこれらの行為は、原告らに対する不法行為である。
9、よって、被告SFCGが、無効な内容の公正証書の作成を公証人に嘱託し、無効な内容の公正証書を出現させたことによって、原告らが受けた損害を賠償する義務がある。
二、被告大江亜里朱の不法行為
1、被告大江亜里朱は、行政書士として「誠実にその業務を行うとともに行政書士の信用又は品位を害するような行為」をしてはならない。(行政書士法第10条)
2、被告大江亜里朱は、原告らの代理人として、被告櫻井浩に対して公正証書の作成を嘱託し、被告櫻井浩をして、本件第1・第2公正証書を作成させた。
3、被告大江亜里朱は、公正証書作成の嘱託の委任を受けるについては、委任者から委任を受けねばならないにもかかわらず、原告らとは対立当事者となる被告SFCGから、原告らの住所・名前を記載した債務弁済公正証書作成嘱託委任状を入手し、それら委任状を用いて、公証人たる被告櫻井浩に債務弁済公正証書作成の嘱託をした。
原告らは、被告大江亜里朱とは、一面識もない。
原告らは、債務弁済公正証書作成のための委任状を作成したか否か、債務弁済公正証書を作成するための権限を被告大江亜里朱に委任するか否かについて、被告大江亜里朱からなんらの問合せも確認も受けていない。
被告大江亜里朱は、原告らから直接の委任を受けず、被告櫻井浩に対して、本件第1・第2公正証書の作成の嘱託をした。
これは、被告大江亜里朱の原告らに対する不法行為である。
4、被告大江亜里朱が、無権代理により、公証人たる被告櫻井浩に対して、本件第1・第2公正証書の作成の嘱託をし、無効な内容の公正証書を出現させたことにより、原告らが受けた損害を賠償すべき義務がある。
2、被告大江亜里朱は、原告らの代理人として、被告櫻井浩に対して公正証書の作成を嘱託し、被告櫻井浩をして、本件第1・第2公正証書を作成させた。
3、被告大江亜里朱は、公正証書作成の嘱託の委任を受けるについては、委任者から委任を受けねばならないにもかかわらず、原告らとは対立当事者となる被告SFCGから、原告らの住所・名前を記載した債務弁済公正証書作成嘱託委任状を入手し、それら委任状を用いて、公証人たる被告櫻井浩に債務弁済公正証書作成の嘱託をした。
原告らは、被告大江亜里朱とは、一面識もない。
原告らは、債務弁済公正証書作成のための委任状を作成したか否か、債務弁済公正証書を作成するための権限を被告大江亜里朱に委任するか否かについて、被告大江亜里朱からなんらの問合せも確認も受けていない。
被告大江亜里朱は、原告らから直接の委任を受けず、被告櫻井浩に対して、本件第1・第2公正証書の作成の嘱託をした。
これは、被告大江亜里朱の原告らに対する不法行為である。
4、被告大江亜里朱が、無権代理により、公証人たる被告櫻井浩に対して、本件第1・第2公正証書の作成の嘱託をし、無効な内容の公正証書を出現させたことにより、原告らが受けた損害を賠償すべき義務がある。
三、被告櫻井浩の不法行為
1、被告櫻井浩は、公証人として、職務を行うにつき、次のような法律上の義務を負っている。
「公証人は、法令に違反したる事項、無効の法律行為及能力の制限に因りて、取消すことを得へき法律行為に付証書を作成することを得す」(公証人法第26条)。
「公証人は、法律行為につき証書を作成し、又は認証を与える場合に、その法律行為が有効であるかどうか、当事者が相当の考慮をしたかどうか又はその法律行為をする能力があるかどうかについて疑があるときは、関係人に注意をし、且つ、その者に必要な説明をさせなければならない。」(公証人法施行規則第13条)
被告は、公証人として、公正証書を作成するについて「聴取した陳述により知り得た事実など自ら実際に経験した事実及び当該嘱託と関連する過去の職務執行の過程において実際に経験した事実を資料として審査を」しなければならず、「その結果、法律行為の法令違反、無効及び無能力による取消し等の事由が存在することについて具体的な疑いが生じた場合」嘱託人などの関係人に対して必要な説明を促すなどの積極的な調査をしなければならない義務がある(最高裁判所平成9年9月4日判決・判時1617号77頁・判タ953号86頁)。
2 被告櫻井浩の具体的・積極的調査義務
6、被告櫻井浩は、法令に従い、内容の無効な公正証書を作成してはならない義務があるにもかかわらず、重大な過失により本件第1・第2公正証書を作成したことにより、原告らが受けた損害を賠償すべき義務がある。
「公証人は、法令に違反したる事項、無効の法律行為及能力の制限に因りて、取消すことを得へき法律行為に付証書を作成することを得す」(公証人法第26条)。
「公証人は、法律行為につき証書を作成し、又は認証を与える場合に、その法律行為が有効であるかどうか、当事者が相当の考慮をしたかどうか又はその法律行為をする能力があるかどうかについて疑があるときは、関係人に注意をし、且つ、その者に必要な説明をさせなければならない。」(公証人法施行規則第13条)
被告は、公証人として、公正証書を作成するについて「聴取した陳述により知り得た事実など自ら実際に経験した事実及び当該嘱託と関連する過去の職務執行の過程において実際に経験した事実を資料として審査を」しなければならず、「その結果、法律行為の法令違反、無効及び無能力による取消し等の事由が存在することについて具体的な疑いが生じた場合」嘱託人などの関係人に対して必要な説明を促すなどの積極的な調査をしなければならない義務がある(最高裁判所平成9年9月4日判決・判時1617号77頁・判タ953号86頁)。
2 被告櫻井浩の具体的・積極的調査義務
(1) 被告櫻井浩は、継続的に被告SFCGを債権者とする公正証書を作成している。
(2) 被告櫻井浩は、被告SFCGが、いわゆる「貸金業者」であり、利息制限法に違反する約定利率で、金員を貸すことを業としていることを知悉していた。
即ち、被告SFCGの約定利率が利息制限法を超えるものであることは、被告SFCGが、債務弁済公正証書の作成嘱託をするために、公証人たる被告櫻井浩に提出している委任状から明白であった。
(3) ところで、本件第1・第2公正証書作成のための委任状には、約定利率が「年6%」とされていた。
すでに述べたように、本件各公正証書の債権者が、利息制限法を超える約定利率で金員の貸付を行うことを常とする貸金業者である被告SFCGであることが明らかであった以上、被告櫻井浩は、約定利率が「年6%」とされている事実から、本件第1・第2公正証書記載の契約が、現実の金銭消費貸借契約に基づかないものであることを、容易に知り得た。
さらに、本件第1・第2公正証書には、原告らの「保証対象金額」について、「元本のみを対象とし、利息・損害金は対象としない」旨記載されている。貸金業者である被告SFCGが、保証人との関係において、「利息・損害金」を「保証の対象としない」旨の内容の公正証書を作成することは、正常な金銭消費貸借契約の場合には、ありえないと考えられる。即ち、本件第1・第2公正証書が、通常の金銭消費貸借契約ではないことは、この点からも明らかである。 又、被告櫻井浩は、過去の職務執行の経験から、被告SFCGが顧客たる中小企業者に対して融資する金員は、100万円以上であり、且つ、100万円以上の融資額についても10万円単位であり、端数が付くような融資をしないことも知悉していた。
しかるに、本件の融資額は、「9,944,000円」というような端数の付いた貸付額となっている。
従って、被告櫻井浩は、本件第1・第2公正証書記載の契約が、 現実の金銭消費貸借契約に基づかないものであることを、容易に知り得た。
さらに、本件においては、同一日時に、異常な多額の金員の融資がなされているが、このような同一日時になされる貸付は、貸金業者が通常行う貸付ではないことも、経験則上明らかであった。
(4) 加えて、被告櫻井浩は、被告SFCGが、利息制限法に違反する内容の公正証書を多数作成しているとして、社会的批判を浴びたことを当然に知っていた。
したがって、被告SFCGを債権者とする公正証書を作成するにあたっては、公正証書記載の債務が違法・無効の法律行為に基づくものでないか否かについて、特段の注意が必要であった。
(5) このように、本件においては、被告櫻井浩自らが実際に目にした委任状等から知ることのできた事実(約定利率が年6%であること、貸付金額が端数であること、保証対象金額に利息・損害金が含まれていないこと、同一日時に異常な高額融資がなされていること)及び自らの過去の職務執行の過程において実際に経験した事実(被告SFCGが利息制限法に違反する金利で貸付を行う貸金業者であること,被告SFCGが違法・無効な公正証書を多数作成していること)から、「法律行為の法令違反、無効及び無能力による取消し等の事由が存在することについて具体的な疑い」が生じており、本件債務弁済公正証書作成嘱託委任状に記載されている金員の融資が、どのような性質の法律行為であるかについて具体的・積極的な調査義務が生じていた。
5、しかるに、被告櫻井浩は、上記のような具体的・積極的な調査義務を懈怠し、嘱託人や債務者本人に対して必要な説明を促す等の適切な調査をしなかったという重大な過失により、漫然と本件第1・第2公正証書を作成した。(2) 被告櫻井浩は、被告SFCGが、いわゆる「貸金業者」であり、利息制限法に違反する約定利率で、金員を貸すことを業としていることを知悉していた。
即ち、被告SFCGの約定利率が利息制限法を超えるものであることは、被告SFCGが、債務弁済公正証書の作成嘱託をするために、公証人たる被告櫻井浩に提出している委任状から明白であった。
(3) ところで、本件第1・第2公正証書作成のための委任状には、約定利率が「年6%」とされていた。
すでに述べたように、本件各公正証書の債権者が、利息制限法を超える約定利率で金員の貸付を行うことを常とする貸金業者である被告SFCGであることが明らかであった以上、被告櫻井浩は、約定利率が「年6%」とされている事実から、本件第1・第2公正証書記載の契約が、現実の金銭消費貸借契約に基づかないものであることを、容易に知り得た。
さらに、本件第1・第2公正証書には、原告らの「保証対象金額」について、「元本のみを対象とし、利息・損害金は対象としない」旨記載されている。貸金業者である被告SFCGが、保証人との関係において、「利息・損害金」を「保証の対象としない」旨の内容の公正証書を作成することは、正常な金銭消費貸借契約の場合には、ありえないと考えられる。即ち、本件第1・第2公正証書が、通常の金銭消費貸借契約ではないことは、この点からも明らかである。 又、被告櫻井浩は、過去の職務執行の経験から、被告SFCGが顧客たる中小企業者に対して融資する金員は、100万円以上であり、且つ、100万円以上の融資額についても10万円単位であり、端数が付くような融資をしないことも知悉していた。
しかるに、本件の融資額は、「9,944,000円」というような端数の付いた貸付額となっている。
従って、被告櫻井浩は、本件第1・第2公正証書記載の契約が、 現実の金銭消費貸借契約に基づかないものであることを、容易に知り得た。
さらに、本件においては、同一日時に、異常な多額の金員の融資がなされているが、このような同一日時になされる貸付は、貸金業者が通常行う貸付ではないことも、経験則上明らかであった。
(4) 加えて、被告櫻井浩は、被告SFCGが、利息制限法に違反する内容の公正証書を多数作成しているとして、社会的批判を浴びたことを当然に知っていた。
したがって、被告SFCGを債権者とする公正証書を作成するにあたっては、公正証書記載の債務が違法・無効の法律行為に基づくものでないか否かについて、特段の注意が必要であった。
(5) このように、本件においては、被告櫻井浩自らが実際に目にした委任状等から知ることのできた事実(約定利率が年6%であること、貸付金額が端数であること、保証対象金額に利息・損害金が含まれていないこと、同一日時に異常な高額融資がなされていること)及び自らの過去の職務執行の過程において実際に経験した事実(被告SFCGが利息制限法に違反する金利で貸付を行う貸金業者であること,被告SFCGが違法・無効な公正証書を多数作成していること)から、「法律行為の法令違反、無効及び無能力による取消し等の事由が存在することについて具体的な疑い」が生じており、本件債務弁済公正証書作成嘱託委任状に記載されている金員の融資が、どのような性質の法律行為であるかについて具体的・積極的な調査義務が生じていた。
6、被告櫻井浩は、法令に従い、内容の無効な公正証書を作成してはならない義務があるにもかかわらず、重大な過失により本件第1・第2公正証書を作成したことにより、原告らが受けた損害を賠償すべき義務がある。
四、被告国の不法行為
1、被告国は、貸金業者等を指導監督するとともに、公証人が適正な職務を執行するべく指導監督する立場にあり、公証人の公証事務処理は国の公権力の行使にあたる行為である。
2、本件本件第1・第2公正証書は、公証人たる被告櫻井浩の重大な過失によって作成されたものであること明白である。
よって、被告国は、違法・無効な内容の公正証書が作成されたことによって、原告らが受けた損害を賠償する義務がある。
2、本件本件第1・第2公正証書は、公証人たる被告櫻井浩の重大な過失によって作成されたものであること明白である。
よって、被告国は、違法・無効な内容の公正証書が作成されたことによって、原告らが受けた損害を賠償する義務がある。
五、共同不法行為
被告SFCGは違法・無効な公正証書の作成嘱託を被告大江亜里朱に依頼し、被告大江亜里朱は違法・無効な公正証書の作成を被告櫻井浩に嘱託し、被告国の指導監督に服する公証人たる被告櫻井浩は違法・無効な公正証書を作成した。
被告らの行為は、相互に密接に関連して共同不法行為を構成し、原告らに後述する損害を与えた。
よって、被告らは、原告らが受けた損害を連帯して賠償する義務がある。
第六、損害
一、原告らは、本件第1・第2公正証書が存在し、被告SFCGが、原告らに対して、本件第1・第2公正証書に基づく保証債務を支払わなければ、強制執行をする旨主張したことから、やむなく、請求異議訴訟を提起し、強制執行停止申立てを行い、下記供託金を供託し、強制執行停止決定を得た。
(1) 本件第1公正証書について
原告I.Y 金15万円
原告O.A 金60万円
原告I.S 金90万円
(2) 本件第2公正証書について
原告I.Y 金15万円
原告O.A 金60万円
原告I.S 金90万円
二、これらの訴訟の提起には、次のように費用がかかった。原告I.Y 金15万円
原告O.A 金60万円
原告I.S 金90万円
(2) 本件第2公正証書について
原告I.Y 金15万円
原告O.A 金60万円
原告I.S 金90万円
(1) 請求異議訴訟
印紙代 74,000円
予納郵券 5,250円
(2) 強制執行停止申立事件
印紙代 3,000円
(3) 弁護士費用
請求異議訴訟・強制執行停止申立事件は、専門的知識が必要であり、原告らが自ら訴訟を提起し訴訟を追行することはできない。
そのため、原告らは、それらの訴訟の追行のため、弁護士今瞭美外2名に訴訟の提起・訴訟の追行の委任をし、次のように弁護士費用を支払う約束をした。
@ 原告I.Y 5万円
A 原告O.A 20万円
B 原告I.S 30万円
三、慰謝料印紙代 74,000円
予納郵券 5,250円
(2) 強制執行停止申立事件
印紙代 3,000円
(3) 弁護士費用
請求異議訴訟・強制執行停止申立事件は、専門的知識が必要であり、原告らが自ら訴訟を提起し訴訟を追行することはできない。
そのため、原告らは、それらの訴訟の追行のため、弁護士今瞭美外2名に訴訟の提起・訴訟の追行の委任をし、次のように弁護士費用を支払う約束をした。
@ 原告I.Y 5万円
A 原告O.A 20万円
B 原告I.S 30万円
1、原告らは、本件第1・第2公正証書が存在し、自分らの全く思い及ばない多額の保証債務を負担していることとなっていることから、何時、強制執行を受けるかもわからない状況に陥れられた。
原告らは、みずからの保証能力を遙かに超える、身に覚えのない保証債務を負担し、かつ、それが公正証書という強制執行が可能な書類となっていることに驚愕し、原告らの家族を含めて、不安な日々を送らざるをえない状況にある。
原告らが、被告SFCG・被告大江亜里朱・被告櫻井浩らが共謀して作成した本件第1・第2公正証書を作成したことにより受けた精神的苦痛は到底金銭に見積もることはできないが、あえて見積もるとすれば、下記金額を下回らない。
原告I.Yについて、金100万円
原告O.Aについて、金200万円
原告I.Sについて、金300万円
第七、よって、請求の趣旨記載の判決を求める。
感想
北海道の小さな会社に、こんな短期間に1800万円もの融資をするというのは目茶貸しではないだろうか。有限会社N商事は法人として仕事をしている。
しかし、N木工は、有限会社N商事に勤めている代表取締役の息子であり、自治体に「営業証明書」なる書面を出してもらって、自営業者であるとして、短期間に800万円もの融資をしている。
営業証明書なる書面は、自治体が「そのような届出があった」ということを証明するものだそうだ。
現実に、そのような「営業をしている」ということを証明するものではないという。
私は、このような証明書があることを初めて知った。
N木工と有限会社N商事は同じということで、公正証書にする段階で、すべてをN商事を借り主とするものにしたようだ。
有限会社N商事関係は、準消費貸借であり、N木工関係は、N木工の債務を引き受けたとでもいうのだろうか。
いずれにしても、平成17年7月22日に、この公正証書に記載されているような金員を、SFCGがN商事に融資したことはない。
SFCGが、利息6パーセントでお金を貸すわけがない。これは、約定返済ができなくなった後の、準消費貸借の場合であることが明らかだと思う。
なぜこのような不自然な公正証書が作られるのだろうか。
SFCGからは、代理人である弁護士の私が、あくまでも「利息制限法」を主張するので、法的手続きに移るとのFAXが入っている。
事実に基づく、債務者が納得のいく公正証書が作成される日は、何時、来るのだろうか。