アイフル不動産担保ローンの被害

2006年 5月 29日

 74歳の年金生活者が、写真の機材購入のために10万円を借りたいと思ってアイフルに行ったところ30万円を借りさせられたという。本人は、30万円を借りたという記憶がないという。そんなにお金は必要なかったと言っている。しかし、取引履歴では30万円が融資されたことになっている。平成13年3月9日である。

 取引履歴によると、その後、次のように融資がされている。

平成13年 6月22日    20,000円
平成13年 7月17日   100,000円
平成13年 7月23日    10,000円
平成13年 8月 7日    10,000円
平成13年 9月25日     8,000円
平成13年11月 6日    11,000円
平成13年11月 9日   101,000円
平成13年11月22日 2,000,000円
平成13年11月30日   430,000円

 平成13年11月21日に、200万円の金銭消費貸借契約がなされている。
 平成13年11月29日に、根抵当権設定契約証書契約がされている。

 抵当権設定契約は、不動産担保ローンということだ。
 普通は、金銭消費貸借契約と不動産担保ローン契約は同時になされることが多いと思うが、なぜか、1週間程度の違いがある。
 相談者は、どのような経過で不動産担保ローンをしたか全く記憶がないという。

 平成15年1月5日に5,000円を支払ったのを最後に支払はなされていない。
 平成17年4月ころ、裁判所からの書面で、家が競売になっていることが家族に発覚。

 家族が驚いてアイフルに分割でしはらわせてほしいと頼んだが、家族には支払義務はないので受け取れないといわれたという。
 結局、競売が実行され、競売が終わった後700万円位のお金を受け取ったという。

 しかし、この老夫婦は、一生かかって手に入れた家をとられてしまい、落胆し失意の日々を送っているという。


感想

 平成17年7月といえば、アイフル対策全国会議が結成された平成17年4月よりも後である。
 行政処分の対象となった違法取立てによれば、本人が払えないと言っているのに、「動け」「動け」「動かなければお金はできない」と言っており、そのことは、家族に支払うお金を用立ててもらえとしか解されない。
 家族が分割で支払うという申出をしたのに、耳を貸さず、競売を実行してしまうということは、条理を無視した強引なやり方ではないか。
 普通 競売では、値打ちが低くなってしまうことは良く知られた事実である。

 アイフルに対して、借りた金は返すので、家・土地を返せと言えないだろうか。
 勿論、利息制限法での過払いが発生していることは間違いがない。
 最高裁判所で、重ねて利息制限法の遵守を促す判決がでているのに、利息制限法に違反した違法な金利で競売による支払をさせていることに、アイフルはどのように思うのだろうか。

 アイフルを含めた大手6社が作っている消費者金融連絡会では、初回借入れ時70歳以上の人には融資しない旨、合意しているという。
 アイフルは、70歳を超えた人に、短期間にこのような過剰な融資をし、一生かかって手に入れた家・土地を取り上げてしまうことにどう思っているのだろうか。