「もの」の価値って何なの?
土地・家を失っても借金が残る?
住宅ローンについての法制度は改正が必要なのでは!
2010年 8月23日
Aさんは、平成3年5月17日、住宅金融公庫からお金を借りて、家を建てた。
購入した建物は、木造亜鉛メッキ鋼板葺2階建
1階 68.73平方メートル
2階 28.98平方メートル
住宅金融公庫から借りた1120万円と600万円の合計1720万円だった。
利率は、年6・7%という高いものだった。
一年間の利息は、1,152,400円、一月の金利は96,033円だった。
去年の夏ころまでなんとか頑張って、月10万円位の住宅ローンを支払ったが、遂に、仕事がなくなり、支払ができなくなった。そして、競売の申立てをされた。
競売の申立て書によると、残金は、次ぎのようになっているという。
残元金 8,960,632円
利息 414,062円(平成21年7月17日から平成22年3月26日まで)
元金 600万円関係
残元金 4,924,546円
利息 227,557円(平成21年7月17日から平成22年3月26日まで)
元金合計 13,885,178円
利息合計 641,619円
損害金 8,687円
今後の損害金 13,885,178円に対する平成22年3月27日から支払済みまで年14.5%の割合による損害金(1月の損害金167,779円となるから、3月から8月までの損害金は、838,895円となる)
競売の売却基準価格は、444万円であり、買受可能価額は、355万2000円であった。
Aさんが、これまでに支払ったお金は、少なくとも1500万円以上になる。
しかし、競売の売却基準価格で売却されたとして、次ぎのような借金が残ることになる。
尚、売却価格から、競売の費用が差し引かれる。その金額は、だいたい30万円から40万円位だ。
従って、住宅ローンに充当される金額は、400万円位だ。もし、355万2000円だったら、320万円位になる。
通常、損害金・利息・元金の順番に充当されることになっている。
そうすると、間違いなく、1000万円以上の借金とそれに対する年14.5%の損害金を支払わねばならないという借金が残ることになる。
Aさんが、これまで払ってきた1500万円は、どういうことになるのか。
毎月5万円の家賃を支払っていたとしても、平成3年から平成22年までの家賃は、1140万円でしかない。借金はない。
一生に一度の大きな買い物である住宅が、こんなことになってしまうということを考えたことがあるだろうか。
庶民にとって、一生に一度の夢は、一戸建ての家を持つことであった。
家と土地がなくなっても、このような借金が残るというような法制度は、早く改善されなければならないのではないだろうか。
家と土地という、最も、間違いのない担保をとってお金を貸した以上、その土地と家を手放して支払えば、そこで借金は「なし」ということになる法制度をとるべきではないだろうか。