絵画の出品料が28万円?
絵画の出品料が35万円?

2006年 11月 14日

 A子さんは、水彩画や油絵を書いている。画家として、会の正会員であり毎年出品をしている。しかし、高齢となり、あと何年出品ができるか心配となるようになった。

 A子さんは、平成17年3月ころ遊美堂というところから「画集をつくらないか」との電話勧誘を受けた。断ったが、「あなたの絵はすばらしい」とか「外国の人もほめている」などと言われて、「そうですか」などとうなづいたところ「契約書をおくる」と言われて契約書の送付を受けた。

 電話での話では、画集の代金が13万円で、出品するためのお金が20万円ということだったと記憶している。最初に13万円を払い、全部終わったら20万円を払うということで話しをしたと思っている。

 この契約書は平成17年3月19日となっている。

 ところが、A子さんは、遊美堂から4月18日に出品料として35万円を支払うという約束をしたのに払わないと言われて訴訟を提起された。
 遊美堂は、1年に4回の美術展を開いて、そこにA子さんの作品を展示するための費用として35万円を支払うという約束をしたと主張している。

 その証拠として提出されている展示会の内容の一つは次のようなものだという。

名称 日墺芸術交流祭  2005年「日・EU市民交流年」記念
期間 2005年10月21日〜27日
会場 レオポルド美術館
出品作品
   書道 10点 ・ イラスト 1点 ・ 版画 1点
   水墨画 1点 ・ 油彩画 13点 ・ 陶芸 3点 ・ 日本画 3点
   和紙絵画 1点 ・ 書術 1点 ・ テーブルコーディネイト 1点
   パステル画 1点 ・ コラージュ 1点 ・ 写真 1点 ・ 禅画 1点
   墨彩画 1点

 遊美堂は、2005年に4回の展覧会を巡回するという。

 平成17年 7月14日〜18日  第9回エイズチャリティ美術展
 平成17年10月21日〜27日  日墺芸術交流祭
 平成17年12月 7日〜11日  ハートアートコミュニケーション会員展
 平成18年 2月 6日〜 8日  エイズチャリティ美術展 優秀作品選抜展

 これらの展覧会への出品料が35万円だという。

 A子さんは、すでに33万円を支払っている。さらに35万円を支払うということになると、68万円ものお金を払うことになる。

 それにしても、わざわざ大々的に行うという美術展の期間が、あまりにも短いと思うのは、私だけだろうか。

 A子さんは、遊美堂からこのような勧誘を受けた後、同様の勧誘を次々と受けるようになった。

 その一つに「株式会社世界文藝社」というところからの「アート イリュージョンin札幌」に出品してほしいとの依頼を受けた。
 この催しには、札幌市・さっぽろ雪まつり実行委員会、札幌市環境局、環境庁から、後援を受けて開催するという。

 アート イリュージョンin札幌に出品するについて、「金28万円」の金員を支払うようにということだった。
 出品予定数は、150点とされている。
 期間は、2007年2月10日〜12日

 又、世界文藝社がA子さんにきた手紙には、「来年2月さっぽろ雪まつり公式イベント」の中で、A子さんの作品をご紹介すると書かれていた。

 私は、A子さんの代理人として、質問状を出した。
 その内容は、およそ次のようなものだ。

 アート イリュージョンin札幌に出品するためになぜ28万円のお金が必要なのか。

 アート イリュージョンin札幌開催の費用を明らかにしてほしい。

 等であるが、この書面を出したところ、契約を解除する旨の通知がきた。
 又、札幌市からは、雪まつり実行委員会が後援はしているが、公式イベントで紹介するということはないとの回答がきている。

 雪まつりは1週間開かれる。なぜ、これだけの展覧会がわずか3日で終わりなのだろうか。
 なぜ、出品するために,28万円というような多額のお金がかかるのだろうか。