アコムには捜査権限があるのか!
名義借り事件におけるアコムの異常な対応!
北海道道東に住む主婦は、平成16年9月1日、アコムから電話を受けた。主婦の話は次のようである。
アコム社員 | 「あなたは、いろんな人にカードを作らせていますね」 「一人ですぐに来社してください」 |
主 婦 | 「子供もいるし行けません」 |
アコム社員 | 「事件に発展します。来なければ警察に行きます。」 |
主 婦 | 「行きます」 |
アコム社員 | 「一人で来てください」 |
アコム支店におけるアコム社員二人との会話 | |
アコム社員 | 「あなたがカードを作らせてますね」 |
主 婦 | 「作らせていません」 |
アコム社員 | 「今すぐ警察呼んでいいんですよ」 「0さん、Mさんのカードで、お金引き下ろしていますね」 |
主 婦 | 「Kさんに頼まれました」 |
アコム社員 | 「それは、知っています。あなたが降ろしたとこ、防犯カメラに写っています。あなたが紹介した人の名前を書いてください」 |
主 婦 | 「紹介していません」 |
アコム社員 | 「Lさんが、Eさん(主婦のこと)に紹介されたと言っています」 |
主 婦 | 「Lさんは紹介していません」 |
アコム社員 | 「名前でていますよ。あなたが白状しなければ、刑事事件になります。警察へ行ってもかまいません」 |
このような話があった後、主婦は、次のような名前を書いたとのことである。
「自分・L・I・U」
そして、この日は、2時間位で子供が泣いているということで帰らせてもらった。
翌9月2日、午後1時ころ、再び、主婦はアコムの支店に出向いたとのことである。
主婦は、紹介した分として次の名前を書いた。
「L・C・I・U・W・O・M・T・自分・夫」
アコム社員は、主婦に「これらの人の名前で借り入れをしている分全部を一括で一週間以内に払ってください」と言った。
主婦は、500万円近い金額であり、とても、自分が準備できる金員ではなかったことから、「無理です」と言ったところ、アコム社員は、「じゃあ、警察に行きますか」と言われたとのことである。
そのため、主婦は、「せめて、だんなの分と、自分の分は分割にしてほしい」旨頼んだが、アコム社員は、「いや、駄目です。契約違反なので、一括で払ってくれないと困ります」と言ったという。
主婦は、警察に行くのは嫌だったことから、アコム社員にいわれるままに「紹介した人の名前と、支払う」旨の書類を書いたとのことである。
主婦は、家族にも相談できず、知人に相談し、なんとかしなければ警察にいかねばならないと思い込み、「すぐに融資します」とのダイレクトメールをみて「500万円」を借りたいと申込、結局、何回かにわけてヤミ金に約120万円を騙しとられた。
結局、主婦は、知人から250万円、知人の親から250万円を準備してアコムに支払ったという。
疑 問
1.アコムは、どのような調査に基づいて、主婦が、いわゆる紹介によ るラ金名義借りをしたと断定されたのか。2.アコムが断定されたサラ金名義借りによって取得した金員(借りた金員)は、主婦が費消したと断定したのか。
3.アコムは、契約名義人との関係で、主婦がどのような行為を行ったと断定したのか。
4.サラ金名義借り事件は、全国的に多数発生しているが、極めて、複雑な背景事情があり、いわゆる「首謀者」が誰であるかを明確にすることは極めて重要である。アコムは、主婦に関して、どの程度の調査をしたのか。
5.アコムは、あくまでも、契約名義人との間で金銭消費貸借契約を締結しているのであり、主婦が、支払わねばならない法的義務はないと考えられる。アコムは、どのような法的関係で、主婦に支払義務があると断定したのか。
私が事情を聴取した関係では、「H」という人が首謀者であり、カードを利用して多額の金員を取得していたと考えられる。アコムは、防犯カメラ等によって、誰が、どのような行為をしたか調査していると考えられる。主婦は、Hに利用されたものであると考えられる。
主婦が、支払った関係の人の中には、Hから、いわゆる「アルバイト料」を取得している人が多数いる。それらについて、アコムはどの程度調査し、アコムからの金員の借入名義人の責任について、アコムはどのような判断をしたのか。
アコムは、貸金業関係の業者の中では、最もコンプライアンス体制が確立していると聞いている。
このような事件が発生した時には、どのように対応することとなっているのだろうか。
個人情報の開示の関係、さらには、法律上支払義務のない第三者に対する請求の関係からも極めて問題であると考える。
自分だけがよいとするこのような処理のため、この主婦は、アコムからこのような理不尽なことをされた後にも、さらに、Hからあとを引き継いだというDに利用され、多数の人を紹介し、さらなる問題が発生している。
このような事件を撲滅し、さらなる被害を発生させないようにとの観点から対処することが、コンプライアンス体制の確立しているというアコムの使命ではなかろうか。