米シティ、不正融資認め260億円、過去最高の和解金を支払う



(日本経済新聞社や朝日新聞は、アメリカのシティグループの略奪的融資に関して、次のような報道をした)

 アメリカの金融大手シティグループは、19日、参加の消費者ローン会社を通じて不正な融資を行っていたことを認め、アメリカ連邦取引委員会(FTC)に対して、2億1500万ドル(約260億円)を支払うことに合意した。

 消費者保護を目的としてFTCに払う和解金としては過去最高額という。また、シティは、消費者らが起こした集団訴訟でも、2500ドル(約30億円)の支払を決めた。

 問題となったのは、2000年にシティが買収したローン会社アソシエイツ・ファースト・キャピタル(テキサス州)の「略奪的融資」と言われる営業。信用力の低い顧客への融資を、住宅ローンと統合させることなどで、顧客がより高い金利や手数料を支払うように仕向けていた。また、顧客本人が知らないうちに、高額な保険に加入させると行った不正も行っていた。

 シティが、FTCに支払う和解金は被害者に分配され、一人あたり平均1000ドル(約12万円)程度を受け取るという。FTCは、2001年、シティとローン子会社を相手取り民事訴訟を起こしていた。

 FTCとの和解条件には、業務改善の年次報告書を提出することも含まれている。シティ側は、昨年夏に略奪的融資を一切やめたとしている。


日本では?

 日本でも、シティグループ傘下の消費者金融会社であるアイクやディックファイナンスは、サラ金等から多額の金員を借りて多重債務者となった人をターゲットにして、不動産担保ローンという「おまとめ融資」を行っている。

 アイクは、先順位に住宅ローンの抵当権が設定されている時、本社から、一番抵当でなければ駄目だと言われているなどとして、住宅ローンの2%とか、5%という融資を、18%とか、20%という利息制限法を超える融資で返済させるという、あくどい融資を行っている。

 不動産担保ローン融資で許されないのは、多重債務者の所有する不動産ではなく、親族が所有する不動産をターゲットにすることである。利息制限法による債務整理をするならば、支払金額が減少することが明らかであるにもかかわらず、不動産担保ローン融資に一括され、さらに、本来はなんの債務も負担していない親族が多額の債務を負担するというような融資は、まさに、アメリカの略奪的融資と同じだと思う。

 日本においても、永年かかってようやく手に入れた住宅を略奪するとしか思われないような融資について、規制する法律の制定が必要だ。