サラ金最大手武富士、支払い義務のない親族に対して組織的に支払い要請の事実発覚
行政処分の申立てを準備
サラ金最大手の武富士は、決算時期のみの「最優遇措置」として、支払い義務のない第三者に対して組織的に、執拗に支払い要請をしている事実が発覚した。Aさんの実弟Bさんは、昨年夏ころから、行方不明となっている。
Aさんのところに武富士から支払ってほしい旨の電話がかかってきたのは、平成13年の12月のことだった。
Bさんは、武富士だけではなく、多数のサラ金から金を借りている事実が発覚し、親族がBさんがどのようになっているのか心配するとともに、Bさんの所在の問合せが親や兄弟のところにきてどうしていいかわからず困っていた。
Bさんは、武富士の社員から、今回限りと言われて、21,000円を支払った。
ところが、平成14年3月8日、武富士の管理担当者と名乗る人から、毎日のように電話がかかった。その内容は、およそ次のようなものだったという。
「何回もすみません。お兄さんね、Bさんの件なんですが、お兄さん2千円か3千円で結構なんですが助けてもらえませんか。」 「単刀直入にもうします、それで止めさせてもらえませんでしょうか。」 「金額的な無理は一切かけません、只、どうしても事務的に入金が幾らか無いとですねえ、止められないものですから、いやあ、お願いできたら今回助けて貰えませんでしょうか。」 「今回ので一応利息も止め、全部ストップかけるものですから、金額的な負担とかそういう諸々に関してはね、一切掛からなくなる」 「私共の管理でとどめられるんです、から、前回2万1千円と言うことですけども、今回に関しては2千円でも3千円でも結構なんです、それで利息を止める手続きだけさしてもらえれば、ご本人と話しても、今後金額の相談は乗れるんですよ、利息は一切つきません」 「前回に関しては2万1千円ですよね、あれは、恐らく1ケ月分の滞納の関係で、それは全部利息として入金さしてもらってます。」 「金額の大小じゃ無い。一応決算というものが有るものですから、1年に、1回の最後のチャンスだったんです。決算だけしかこういう話出来ない」
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Aさんは、武富士からはまったくお金を借りていない。
武富士の管理担当者が、Bさんの実兄のAさんに、「お願いします。助けてください」という言葉が出るということは、相当なノルマが課せられていると推測される。
1年に一回の最後のチャンスだ、それで幾らかでも金を入れてもらえば、今後一年間、利息なしで止められるというのは、一体どういうことなのだろうか。今後一切利息なしになると断言しているが、武富士は、延滞者の親族が金を払ったものについては、利息を一切免除するのだろうか。
武富士が支払い義務のない第三者から得る違法・不当な収入は、どの位になるのだろうか?
武富士の顧客の口座数は、250万件を超えている。
不良債権(延滞債権)は、約2〜3%と言われている。250万件の2〜3%というのは、5万件から7万5千件となる。
仮に、1万件の利用者の親族から1000円の支払いを受ければ、次のようになる。
10,000件×1,000円=1000万円
仮に、1万件の利用者の親族が21,000円を支払ったとなれば次のようになる。
10,000件×21,000円=2億1000万円
貸金業規制法が支払い義務がない第三者に対する請求を禁じているにもかかわらず、業界最大手の武富士が、組織的にこのような違法な取立をしていることは、極めて問題であると考える。厳しい行政処分が必要と考える。