損保代理店経営者 出資法違反で逮捕!
架空の金融商品勧誘!
日産火災海上保険株式会社の代理人をしていた女性S子(46才)が、約10年近くにわたって「手数料付きの有利な資産運用がある」といって金を集めていた件で、北海道北見市の北見警察署に、平成13年5月21日、出資法違反の容疑で逮捕された。
S子は、「日産火災の裏の仕事で早期契約保険がある。これは、日産火災の中の流氷会という組織で運営している。早期契約保険とは、保険契約者の満期返戻金を満期の2ケ月前に出資して買取り、1〜2ケ月後に手数料が入り、また、出資した契約金も全額戻ってくる。手数料は、保険契約者の保険内容及び保険金額によって異なり、保険金額が高額であればあるほど手数料が高額になる。また、契約金の総額によって契約者にランク付がなされ,ランクが高ければより高額な手数料が入る」などと言って、多数の女性(数人の男性も含まれる)から総額で数億円の金を集めていた。
逮捕を報じる新聞では「791万円」を預かったとしている。
この事件については、被害総額は約4億円に及ぶと推測される。この種事件については、告訴してもなかなか刑事事件として逮捕されない場合が多かったが、被害者から相談を受けた篠田弁護士(釧路弁護士会)が北見警察署に告訴状を出していた。
この事件の特徴
この事件は、現実に、日産火災海上保険株式会社の代理店をしている女性が、代理店の仕事の一部であると誤診させているところに特徴がある。S子が被害者に渡していた書類には、次のような記載がある。
〇専業部会(流氷会)会則 本会は、保険業界の発展に協力し会員相互の増進をはかると共に、業務の向上に努めることを目的とする。
〇決まり事 流氷会を円滑に運営する為に、必ず守って頂かなければならないルールです。
〇新年度においてのお知らせ 第4四半期決算も皆様の多大なる御協力の元、無事終わる事ができました。決算におきましての数字に対する(%)は、入賞者の方々に数日4月20日頃より入金となります。ありがとうございました。 さて、いよいよ新年がスタートし、今まで会において、問題とされていました支払入金について、このほど色々な事が改められました事をお知らせ致します。
〇設定手数料改定、他のお知らせ 金融監督庁より代理店手数料の見直し内容が示され、これに基づき流氷会、各ランクに対してのメンバー手数料(%)が、4月より変ります。
|
このような書類は、すべて、事業部会・流氷会の名前で出されている。現実にも、日産火災海上保険株式会社の中に流氷会という名称の組織があるという。
種々の出資法違反事件が発生しているが、後日、客観的に冷静に考えれば、荒唐無稽、そんなことを信じた方が悪いというものもあるが、このように、現実に、大きな会社の一部の構成員である者が、その立場を利用して出資法違反事件を惹起した場合には、事件本人以外のものの責任も問われるのではなかろうか。