広告媒体の責任 その2
手形貸与方式と広告媒体の責任

広告の内容

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この広告を見た自営業者のA氏は、運転資金が必要だったことから、電話をして融資の申込をした。幾ら必要かと問われたA氏は、1000万円必要だと言った。

都(1)業者は、1000万円の約束手形を貸す。その手形は、優良な手形なので、どこの銀行でも割引できる。と言った。

 優良な手形を割引してお金を借りた後、それを長期に切り替えてもらえば、6%位で資金繰りができるというのだ。
 A氏は、都(1)業者の言い分を信用した。

手形貸与条件
  1. 貸与手形は資本金1000万円以上の株式会社又は、有限会社振出の約束手形とする。
  2. 貸与手形の振出人は、返還期日迄の間に限り借受人が任意にその利用(担保・割引等含む)を行うことに同意する。
  3. 手形借受人は、借受時に、手形額面の1割相当額を、支払うものとする。

A氏は、金100万円を工面して送金した。
都(1)業者は、株式会社振出の1000万円の額面手形を送ってきた。

 A氏は、すぐに、地元の銀行に持って言って割引の依頼をした。しかし、どこの銀行も割引をするという銀行はなかった。

 A氏は、都(1)業者に、どこの銀行も割り引いてくれないと抗議をした。すると、都(1)業者は、「あんたの信用がないからだ。」「高利金融に行ったのか。」などと言って、A氏の努力が足りないと言った。A氏は、銀行が割り引いてくれないのなら、送った100万円を返してほしいと言ったが、言を左右にして返還するとは言わなかった。

広告媒体の責任を追及する訴訟提起
 この事例について、このような仮装貸金業者の広告を掲載したスポーツ新聞と、手形貸与方式で業務をしている都(1)業者を被告として、全く信用のない約束手形を送って100万円を騙しとったことを理由として損害賠償訴訟を提起した。(平成7年8月)

全面的に責任を認めた手形貸与方式で業務をしている都(1)業者から、損害賠償額の全額と、訴訟費用、慰謝料の支払を得た。
 広告媒体については、買取屋と同様の和解をした。