ジャックス、弁護士からの任意整理案に同意せず、給料の仮差押えをし、訴訟を提起した事件につき、全面降伏の和解成立

 ジャックスは、神戸弁護士会の後藤玲子弁護士から、任意整理の申し出があったにもかかわらず、多重債務者の給料に対する仮差押えをした上で、訴訟を提起したが、「給料に対する仮差押えは、その執行によって、既に進行中の弁済計画に影響を及ぼすことは明らかである」として、仮差押え決定が取り消す旨の決定がされた(西宮簡易裁判所平成11年(サ)第5360号保全異議事件・平成11年11月30日決定)が、本訴についてこの度和解が成立した。

ジャックスの訴訟代理人は、次の弁護士である。(弁護士と敬称は略)
 天野勝介氏・中森 亘氏・矢代紀彦氏・佐伯照道氏・小瀧あや氏・奥田孝雄氏・中島健仁氏・町田行功氏・森本宏氏・末永久大氏・山本健司氏・敷地健康氏・渡辺 徹氏・長野智子氏・滝口広子氏・磯川剛志氏・児玉実史氏・荒川雄二郎氏 生沼寿彦氏・坂本倫子氏・飯島歩氏・井口寛司氏・石橋伸子氏・茂木立仁氏・栗本正貴氏

訴訟の内容
 被告は、原告に対し、金八七七、一八二円及び内金八六五、二九一円に対する平成一一年四月一日より完済迄年二九・二%の割合による金員を支払え。
 訴訟費用は被告の負担とする。

■ジャックスが、訴額八七万余円の簡易裁判所の事件に対して、このように二五名という多数の代理人をつけて、訴訟を行なったことは、この事件に対して、大きな意味付を有していたことを表している。
 多額の債務で困窮したしたが、弁護士に委任し、債務額全額を分割で支払う。ただ、将来の金利は減額してほしいと懇請したのに対して、有無を言わさず、給料の仮差押えをし、このように多数の弁護士を代理人にして訴訟を起こしたということは、断固として、この訴訟に勝ち抜くという決意だったのだろう。

和解成立の日
平成12年9月12日

この事件の和解の内容
原告は、本件訴えを取り下げ、被告はこれに同意する。

ジャックスは、金八七七、一八二円全額の請求権を放棄した。
 これは、事実上、被告が受けた慰謝料と弁護士費用として、認めるということだと思われる。
全面勝利と言っていいと思う。